東京に戻った美星華は、再び日常へと戻りつつあった。しかし、彼らの名が全国に知られるようになったことで、新たな試練が待っていた。

その名は“羅威衆（らいしゅう）”。かつて東京を牛耳っていた伝説の暴走族であり、今は解体されたはずのその残党が、水面下で活動を再開していた。

「お前たちが『日本一』を名乗るには、まだ早い」

ある夜、美星華の拠点に残党の一人が現れ、そう告げた。

藍は静かに立ち上がる。「……逃げる理由はない。来るなら、受けて立つ」

羅威衆は、かつての栄光を取り戻すため、美星華を狙っていた。

Reluは言う。「ただの復讐じゃない。奴らは、この街そのものを支配しようとしてる」

Coe.が不安そうに言う。「東京の街を、そんな奴らに渡すわけにはいかない……」

ゆうが呟く。「もう一度……大事なものを守る走り、しなきゃいけないんだね」

そして、決戦の場が決まった。場所は新東京湾岸線——暴走族たちの“聖地”と呼ばれる伝説のコース。

そこに羅威衆の現リーダー・葵影（きえい）が姿を現す。鋭い目つきと冷徹な判断力を持つ彼は、藍のかつてのライバルであり、唯一倒せなかった相手だった。

「藍。お前は孤独を受け入れた男だった。だが今は違う。仲間を持つ者が、どれだけ脆いか……証明してやる」

藍は静かに応じる。「その言葉、レースで撤回させてやる」

美星華は再び一つになり、仲間と共に戦う覚悟を固めた。

夜空を切り裂くように、エンジンの轟きが響く。

それぞれの走り、それぞれの信念が交差し、火花を散らす。

くにが叫ぶ。「俺たちはもう、あの頃のバラバラだったすたぽらじゃねぇ！」

こったろが追い風のように言葉を添える。「守りたいものがある限り、俺たちは止まらない」

激しい戦いの末、藍と葵影の一騎打ちとなる。

その走りは、過去と現在、孤独と絆が交差する瞬間だった。

藍は、仲間の声を背中で感じながら、ついにその刃のような走りで葵影を超える。

葵影はレース後、静かに帽子を取った。「……今の藍は、かつての俺が敵わなかった男だ」

羅威衆は、再び闇へと消えていった。

東京の夜に、静かな勝利の風が吹く。

美星華は、また一歩“日本一”に近づいた。