シリアルラブ
「……俺も」
想いを零せば彼に強くに抱きしめられる。
「やっと言ってくれた」
そのまま唇を奪って、キスをしながら器用に貢の衣服を解いていく。
「シリアルの方の恋をしましょうって言いましたよね」
「ああ」
胸に沁みる言葉だと思ったのに、約束を破って逃げてしまった。そんな自分をまだ好きだと言ってくれる稀有な存在。その彼を大事にしていきたい。
「大事にします。だからずっとこの世界にいてください。でないと俺が妬いてしまいますから」
「そうだな」
素直に受け入れれば目蓋にキスが降りて、擽ったさに目を閉じる。じゃれ合ううちに彼も肌を晒して、ただ互いの体温を感じて抱き合った。彼の手が、まだ火傷の痕の残る頬に触れて、それから右腕に触れる。
「ほんと、前からあったみたいに凹凸のない痕」
「だよな。母親も、前からあったのと同じ位置に火傷したねとか、そういうことを言ってもよさそうなのに、古い火傷については何も言わない」
「人間って、誰でも一つや二つそういう不思議なことがあるんでしょうね」
あっさりとした言い方に救われる。と思ったら身体を横にされた。そのままぴたりと肌を寄せられる。
「なんだ?」
「やっぱり、今は背中に体重をかけない方がいいかなと思って」
「大丈夫だって……って、おい」
横向きの状態で胸を弄られて声が上がる。もう片方の手は中心を責めてくるから、身体はすぐに熱くなる。この二週間、眠るか安静にするかの生活だったのに、些細なことで当たり前のようにその手の欲を取り戻す身体が恨めしい。
「ん……」
両手で責めながら首筋に唇を寄せられて、逃れられない快楽に藻掻く羽目になった。
「おい、俺も……」
「いえ、病み上がりなんですから、今日は全部任せて気持ちよくなってください」
「や……、ダメだって」
がっちり抱え込まれた無抵抗状態で責められて、意識が飛びかける。
「大丈夫。悪戯しているだけで俺も興奮が半端ないですから」
だが後ろに大きくなった彼のものを感じて我に返った。可愛げのない男の身体で、しかも火傷持ち。それでも彼が昂ってくれることに、また身体が熱くなる。
「マズい。いくらでも奉仕するつもりが、もう入れたい」
彼はいつも言葉がストレートで清々しい。
「一度入れてもいいですか? そのあとまた奉仕しますから」
「好きにしろ。でも待って」
ヘッドボードから必要なものを取り出してやる。
「……ここで誰かと使うために準備していたんですか?」
「違う。念のためだ」
素直に拗ねる彼を宥める。夜遊びをしていた時期に買ったものだ。どこの誰とも知れない男と寝るときには、自分で用意した方が安全だから。
「用意するからあっち向いてろ」
「そんなもったいないことする訳ないでしょう?」
「おい、こら……っ」
横になった貢の身体を彼の指が解していく。そうしながら時々胸や中心に仕掛けてくるのだから質が悪い。
「もう俺だけにしてください」
「お前だけだった」
「違う世界の俺もアウトです」
「……そうだな」
首筋を甘噛みされながら言われれば降参だ。
「ヤバい。もう限界かも」
そう言いながら背中に負担がかからないようにゆっくりと貢の身体を仰向けにする。
「挿れます。痛かったら言ってください」
言葉と共に宛てがわれて鼓動が速くなった。潤滑剤のお陰で痛みはないが、独特の感覚に息を詰めてしまう。
「ゆっくりいきますから」
貢が辛いと思ったのか、彼が背中を撫でてくれる。その気遣いにグッときて、煽るように肌を撫で返してしまう。
「いい。全部来い。平気だから」
「でも」
「俺が欲しい気持ちはその程度か……っ」
らしくもなく挑発すれば、素直に挑発に乗った彼に突き入れられた。その大きさにまた呼吸を忘れる。
「息してください。辛くないですか?」
「平気……」
「動きますよ」
ゆるゆると腰を使われて、腰からじんと快楽が広がった。彼には恋人も妻もいない。なんの不安もなく抱き合っていいのだと思えば、時間差で心地よさに襲われていく。
「……っ」
強く突かれて我に返った。
「何を考えているんですか?」
余所見を咎めるように言われて白状する。
「ちゃんとこの世界のお前なんだなって。恋人も妻もいなくて」
「恋人は宝木さんでしょう?」
「……そうだな」
その言葉にはまだ慣れないが、これから当たり前になればいい。
「気持ちよくないですか?」
「いや、気持ちいい。お前は?」
「極上です。もうこのまま出したいくらい」
「出せばいい」
「言いましたね」
腰の動きを速められて、強気でいたのに喘ぐことしかできなくなった。それも悪くないと思う。
「宝木さん……、好き……」
切羽詰まった様子で言われて、こちらも昂っていく。
「好き。もうどこにも行かせない」
「ずっとここにいる。……想太」
非日常に流されてらしくないことを口走った途端に、彼が中で弾ける。
「……反則です」
「何が」
「いきなりの名前呼び」
「嫌だったか?」
「まさかでしょう」
貢に身体を預けたまま額や頬にキスをくれる様子が擽ったい。
「あ、すみません。背中に負担をかけない方がいいですね」
それでいて突然後輩モードになるのだから憎らしい。
「だから火傷は平気だって。身体の分は治す気もないし。顔は会社員だから少しは綺麗にした方がいいと思うけど、しばらくマスク出勤になるだろうな」
「なんか、俺はもう見慣れてしまいましたけど。病院探しとか病院の送り迎えは引き受けます」
さらりと過保護になられて、似合わないがきゅんときてしまう。
「凄い対人スキルだな。配慮が凄い」
「えー」
不満げに言いながら肩の下に腕を入れられる。
「案外そうでもないですよ。好きな相手には特別」
ああ、何故彼はこうも自分を惑わすことを言うのだろう。
「よかったな」
「なんですか、その興味のない反応は」
仕返しとばかりに額にキスが贈られて、そのままもう一度甘い時間になだれ込む羽目になるのだった。
想いを零せば彼に強くに抱きしめられる。
「やっと言ってくれた」
そのまま唇を奪って、キスをしながら器用に貢の衣服を解いていく。
「シリアルの方の恋をしましょうって言いましたよね」
「ああ」
胸に沁みる言葉だと思ったのに、約束を破って逃げてしまった。そんな自分をまだ好きだと言ってくれる稀有な存在。その彼を大事にしていきたい。
「大事にします。だからずっとこの世界にいてください。でないと俺が妬いてしまいますから」
「そうだな」
素直に受け入れれば目蓋にキスが降りて、擽ったさに目を閉じる。じゃれ合ううちに彼も肌を晒して、ただ互いの体温を感じて抱き合った。彼の手が、まだ火傷の痕の残る頬に触れて、それから右腕に触れる。
「ほんと、前からあったみたいに凹凸のない痕」
「だよな。母親も、前からあったのと同じ位置に火傷したねとか、そういうことを言ってもよさそうなのに、古い火傷については何も言わない」
「人間って、誰でも一つや二つそういう不思議なことがあるんでしょうね」
あっさりとした言い方に救われる。と思ったら身体を横にされた。そのままぴたりと肌を寄せられる。
「なんだ?」
「やっぱり、今は背中に体重をかけない方がいいかなと思って」
「大丈夫だって……って、おい」
横向きの状態で胸を弄られて声が上がる。もう片方の手は中心を責めてくるから、身体はすぐに熱くなる。この二週間、眠るか安静にするかの生活だったのに、些細なことで当たり前のようにその手の欲を取り戻す身体が恨めしい。
「ん……」
両手で責めながら首筋に唇を寄せられて、逃れられない快楽に藻掻く羽目になった。
「おい、俺も……」
「いえ、病み上がりなんですから、今日は全部任せて気持ちよくなってください」
「や……、ダメだって」
がっちり抱え込まれた無抵抗状態で責められて、意識が飛びかける。
「大丈夫。悪戯しているだけで俺も興奮が半端ないですから」
だが後ろに大きくなった彼のものを感じて我に返った。可愛げのない男の身体で、しかも火傷持ち。それでも彼が昂ってくれることに、また身体が熱くなる。
「マズい。いくらでも奉仕するつもりが、もう入れたい」
彼はいつも言葉がストレートで清々しい。
「一度入れてもいいですか? そのあとまた奉仕しますから」
「好きにしろ。でも待って」
ヘッドボードから必要なものを取り出してやる。
「……ここで誰かと使うために準備していたんですか?」
「違う。念のためだ」
素直に拗ねる彼を宥める。夜遊びをしていた時期に買ったものだ。どこの誰とも知れない男と寝るときには、自分で用意した方が安全だから。
「用意するからあっち向いてろ」
「そんなもったいないことする訳ないでしょう?」
「おい、こら……っ」
横になった貢の身体を彼の指が解していく。そうしながら時々胸や中心に仕掛けてくるのだから質が悪い。
「もう俺だけにしてください」
「お前だけだった」
「違う世界の俺もアウトです」
「……そうだな」
首筋を甘噛みされながら言われれば降参だ。
「ヤバい。もう限界かも」
そう言いながら背中に負担がかからないようにゆっくりと貢の身体を仰向けにする。
「挿れます。痛かったら言ってください」
言葉と共に宛てがわれて鼓動が速くなった。潤滑剤のお陰で痛みはないが、独特の感覚に息を詰めてしまう。
「ゆっくりいきますから」
貢が辛いと思ったのか、彼が背中を撫でてくれる。その気遣いにグッときて、煽るように肌を撫で返してしまう。
「いい。全部来い。平気だから」
「でも」
「俺が欲しい気持ちはその程度か……っ」
らしくもなく挑発すれば、素直に挑発に乗った彼に突き入れられた。その大きさにまた呼吸を忘れる。
「息してください。辛くないですか?」
「平気……」
「動きますよ」
ゆるゆると腰を使われて、腰からじんと快楽が広がった。彼には恋人も妻もいない。なんの不安もなく抱き合っていいのだと思えば、時間差で心地よさに襲われていく。
「……っ」
強く突かれて我に返った。
「何を考えているんですか?」
余所見を咎めるように言われて白状する。
「ちゃんとこの世界のお前なんだなって。恋人も妻もいなくて」
「恋人は宝木さんでしょう?」
「……そうだな」
その言葉にはまだ慣れないが、これから当たり前になればいい。
「気持ちよくないですか?」
「いや、気持ちいい。お前は?」
「極上です。もうこのまま出したいくらい」
「出せばいい」
「言いましたね」
腰の動きを速められて、強気でいたのに喘ぐことしかできなくなった。それも悪くないと思う。
「宝木さん……、好き……」
切羽詰まった様子で言われて、こちらも昂っていく。
「好き。もうどこにも行かせない」
「ずっとここにいる。……想太」
非日常に流されてらしくないことを口走った途端に、彼が中で弾ける。
「……反則です」
「何が」
「いきなりの名前呼び」
「嫌だったか?」
「まさかでしょう」
貢に身体を預けたまま額や頬にキスをくれる様子が擽ったい。
「あ、すみません。背中に負担をかけない方がいいですね」
それでいて突然後輩モードになるのだから憎らしい。
「だから火傷は平気だって。身体の分は治す気もないし。顔は会社員だから少しは綺麗にした方がいいと思うけど、しばらくマスク出勤になるだろうな」
「なんか、俺はもう見慣れてしまいましたけど。病院探しとか病院の送り迎えは引き受けます」
さらりと過保護になられて、似合わないがきゅんときてしまう。
「凄い対人スキルだな。配慮が凄い」
「えー」
不満げに言いながら肩の下に腕を入れられる。
「案外そうでもないですよ。好きな相手には特別」
ああ、何故彼はこうも自分を惑わすことを言うのだろう。
「よかったな」
「なんですか、その興味のない反応は」
仕返しとばかりに額にキスが贈られて、そのままもう一度甘い時間になだれ込む羽目になるのだった。