恋愛メンタルマネジメント
王子の皮肉に奇人が鋭い視線を返す。そんな顔をしても綺麗な男なのだよなと、王子に抱かれている状況を忘れておかしなことを思ってしまう。
「僕が君みたいな男を好きになることは絶対にない。次に快に何かしたら会社の処分関係なく僕が痛めつけるから」
王子らしくない言葉にその横顔を見上げる。恩田には見せたことのない鋭い目。本気で怒ってくれていると思えば、ずっと痛めつけられてきた心が一度に回復する。
「そんな男のどこがいい。あ、そうだ。さっき、あんたのことを俺にくれてやると宣言していた」
「うん。聞いていた」
そこでヒッと肩が上がる。五年に一度の怒りに我を忘れてそんなことを言ってしまった。あれは本心であって本心ではない。聞いていたとしたらどう弁解すればいいのだろう。だがそんな不安はすぐに消える。
「格好よかったな。惚れ直した。いらないと言われても、僕の方は諦められそうにないし」
言って額に唇を寄せられて呆然とする。
「……お前、馬鹿なのか」
「散々会社で馬鹿なことをしてきた君に言われたくないな。お気に召さないならもう一度」
そう言って今度は唇を奪われて、流石に彼を突き放した。動じない彼が楽しげに笑って、もう一度恩田の肩を抱き寄せる。そこにバタバタと駆けてくる足音が聞こえる。松島から話を聞いた江左がやってきたのだろう。
「遅くまでお疲れさま、立成くん。明日、楽しみにしていて。あ、会社で暴れたりしないでね。明日、会社中の録画を観るのは大変だから」
建物の隅から隅まで監視カメラが捉えている訳ではないが、そう言われれば少なくとも社内で腹いせの行動はできない。反撃の言葉を探す奇人を残して、王子に護られるように会議室を出ることになった。
「僕が君みたいな男を好きになることは絶対にない。次に快に何かしたら会社の処分関係なく僕が痛めつけるから」
王子らしくない言葉にその横顔を見上げる。恩田には見せたことのない鋭い目。本気で怒ってくれていると思えば、ずっと痛めつけられてきた心が一度に回復する。
「そんな男のどこがいい。あ、そうだ。さっき、あんたのことを俺にくれてやると宣言していた」
「うん。聞いていた」
そこでヒッと肩が上がる。五年に一度の怒りに我を忘れてそんなことを言ってしまった。あれは本心であって本心ではない。聞いていたとしたらどう弁解すればいいのだろう。だがそんな不安はすぐに消える。
「格好よかったな。惚れ直した。いらないと言われても、僕の方は諦められそうにないし」
言って額に唇を寄せられて呆然とする。
「……お前、馬鹿なのか」
「散々会社で馬鹿なことをしてきた君に言われたくないな。お気に召さないならもう一度」
そう言って今度は唇を奪われて、流石に彼を突き放した。動じない彼が楽しげに笑って、もう一度恩田の肩を抱き寄せる。そこにバタバタと駆けてくる足音が聞こえる。松島から話を聞いた江左がやってきたのだろう。
「遅くまでお疲れさま、立成くん。明日、楽しみにしていて。あ、会社で暴れたりしないでね。明日、会社中の録画を観るのは大変だから」
建物の隅から隅まで監視カメラが捉えている訳ではないが、そう言われれば少なくとも社内で腹いせの行動はできない。反撃の言葉を探す奇人を残して、王子に護られるように会議室を出ることになった。