恋愛メンタルマネジメント
「……っ」
彼の指が侵入して、第二関節を少し曲げて触れられる。たったそれだけで全身が震えてしまった。そこを使うのは初めてではないのに、経験したことのない感覚に身体の反応を制御できない。
「大丈夫。恩田さんは筋がいいよ」
よく分からないが、気を抜けば叫び出してしまいそうな状態で、王子に縋るしかなかった。
「うん、いい子。気持ちよくなってきた?」
素直に頷けば褒められてキスが降りてくる。経験のない感覚とどこまでも甘やかされる状況。王子はこの手のことに慣れているらしく、恩田が疑問を持つ間もないほど巧みに責めてくる。
「あ……、や……っ」
マッサージのように刺激され続けて、魚のようにビクビクと身体が跳ねた。
「うん。よかった。気持ちいいね」
恩田の反応に動じない王子が、少しずつ位置を変えながら中の刺激を続ける。それほど性欲が強い方ではないのに、そうされると興奮が呼び起こされるような感覚に襲われる。直接前を擦られて出てしまうという感じではない。一体自分の身体はどうなってしまったのだろう。
「冥賀さん、俺、怖い……」
感覚を脳で判断することができなくなって、彼の腕に縋って降参した。
「ごめん。初めてだもんね。じゃあ、ここはもうやめようか」
そう言ってすぐに指を抜いてしまう。
「僕を嫌いになった?」
フィンドムを外した手で抱き起こして、そのまま恩田が落ち着くまで抱きしめてくれた。恐怖は消えて彼への気持ちが募っていく。嫌いになる訳がない。ずっと好きで、意外な一面を見たあとでもその気持ちは少しも変わっていないのだ。
「嫌いじゃない。好き」
随分と子どもじみた言い方になってしまうが、それが王子を煽ったらしい。
「今日は気持ちよくさせてあげるだけでいいと思っていたのに、その言い方は反則だよ」
いつもの微笑みで言ったかと思うと、すぐに王子の仮面を脱ぎ捨てたようなキスが仕掛けられる。噛みつくように唇を奪われて、恩田も必死でそれに応える。
「……っ」
キスを繰り返しながら器用に互いのものを握り込まれた。絡み合うように擦り上げられて、解放したいという欲がせり上がってくる。ごく普通の感覚なのに、直前まで弄られていた後ろの感覚が残っていて、未経験の快感が弾ける前のような衝動に襲われる。
「掴まって」
恩田の身体の状態を察したらしい王子が、彼の背に腕を誘導してくれた。王子の優しさはそのままだと思えば安堵して、促されるままぎゅっとその背を抱きしめてしまう。
「凄く気持ちいい。恩田さんとこうできてよかった」
王子がこの身体で気持ちよくなってくれた。そのことに一度に満たされた。心が満ちた途端に制御を失った身体が放ってしまう。
「……っ」
恩田の絶頂を待ってくれていたのか、王子もほぼ同じタイミングで熱を放つ。その様子が嬉しくて、ビクビクと震える身体のまま縋り続ける。
「可愛い。こんなに可愛いと思わなかった」
「俺も。まさか冥賀さんにこんな……」
「卑猥な趣味があるなんて思わなかった?」
恥じる様子もなく王子がさらりと返して笑う。
「無茶はしないし、こんなことは恩田さんとしかしないから、時々こんな時間に付き合って」
恩田さんとしか。そう言われて嫌と言える人間がいるだろうか。そもそもこちらが気持ちよくさせてもらっただけで、彼は挿入もしていない。
「次は俺も冥賀さんを気持ちよくします」
そんなことを言ってみれば強く抱きしめられた。
「ごめん。思ったよりずっと好きみたい」
「……俺も」
昨日、まさか翌日こんなことになるとは思わなかった。大袈裟でなく奇跡みたいなことになっているが、手にしてしまった以上手放す気はない。王子が恩田でいいと言ってくれるなら、堂々と恋人でいよう。以前できなかった電話やラインもしよう。細やかな希望がとてつもなく嬉しくて、自然と笑みが零れる。
「今日はこのまま泊っていって」
「はい」
汚れたままの身体に構うことなく、いつまでもキスをしてじゃれ合っていた。
彼の指が侵入して、第二関節を少し曲げて触れられる。たったそれだけで全身が震えてしまった。そこを使うのは初めてではないのに、経験したことのない感覚に身体の反応を制御できない。
「大丈夫。恩田さんは筋がいいよ」
よく分からないが、気を抜けば叫び出してしまいそうな状態で、王子に縋るしかなかった。
「うん、いい子。気持ちよくなってきた?」
素直に頷けば褒められてキスが降りてくる。経験のない感覚とどこまでも甘やかされる状況。王子はこの手のことに慣れているらしく、恩田が疑問を持つ間もないほど巧みに責めてくる。
「あ……、や……っ」
マッサージのように刺激され続けて、魚のようにビクビクと身体が跳ねた。
「うん。よかった。気持ちいいね」
恩田の反応に動じない王子が、少しずつ位置を変えながら中の刺激を続ける。それほど性欲が強い方ではないのに、そうされると興奮が呼び起こされるような感覚に襲われる。直接前を擦られて出てしまうという感じではない。一体自分の身体はどうなってしまったのだろう。
「冥賀さん、俺、怖い……」
感覚を脳で判断することができなくなって、彼の腕に縋って降参した。
「ごめん。初めてだもんね。じゃあ、ここはもうやめようか」
そう言ってすぐに指を抜いてしまう。
「僕を嫌いになった?」
フィンドムを外した手で抱き起こして、そのまま恩田が落ち着くまで抱きしめてくれた。恐怖は消えて彼への気持ちが募っていく。嫌いになる訳がない。ずっと好きで、意外な一面を見たあとでもその気持ちは少しも変わっていないのだ。
「嫌いじゃない。好き」
随分と子どもじみた言い方になってしまうが、それが王子を煽ったらしい。
「今日は気持ちよくさせてあげるだけでいいと思っていたのに、その言い方は反則だよ」
いつもの微笑みで言ったかと思うと、すぐに王子の仮面を脱ぎ捨てたようなキスが仕掛けられる。噛みつくように唇を奪われて、恩田も必死でそれに応える。
「……っ」
キスを繰り返しながら器用に互いのものを握り込まれた。絡み合うように擦り上げられて、解放したいという欲がせり上がってくる。ごく普通の感覚なのに、直前まで弄られていた後ろの感覚が残っていて、未経験の快感が弾ける前のような衝動に襲われる。
「掴まって」
恩田の身体の状態を察したらしい王子が、彼の背に腕を誘導してくれた。王子の優しさはそのままだと思えば安堵して、促されるままぎゅっとその背を抱きしめてしまう。
「凄く気持ちいい。恩田さんとこうできてよかった」
王子がこの身体で気持ちよくなってくれた。そのことに一度に満たされた。心が満ちた途端に制御を失った身体が放ってしまう。
「……っ」
恩田の絶頂を待ってくれていたのか、王子もほぼ同じタイミングで熱を放つ。その様子が嬉しくて、ビクビクと震える身体のまま縋り続ける。
「可愛い。こんなに可愛いと思わなかった」
「俺も。まさか冥賀さんにこんな……」
「卑猥な趣味があるなんて思わなかった?」
恥じる様子もなく王子がさらりと返して笑う。
「無茶はしないし、こんなことは恩田さんとしかしないから、時々こんな時間に付き合って」
恩田さんとしか。そう言われて嫌と言える人間がいるだろうか。そもそもこちらが気持ちよくさせてもらっただけで、彼は挿入もしていない。
「次は俺も冥賀さんを気持ちよくします」
そんなことを言ってみれば強く抱きしめられた。
「ごめん。思ったよりずっと好きみたい」
「……俺も」
昨日、まさか翌日こんなことになるとは思わなかった。大袈裟でなく奇跡みたいなことになっているが、手にしてしまった以上手放す気はない。王子が恩田でいいと言ってくれるなら、堂々と恋人でいよう。以前できなかった電話やラインもしよう。細やかな希望がとてつもなく嬉しくて、自然と笑みが零れる。
「今日はこのまま泊っていって」
「はい」
汚れたままの身体に構うことなく、いつまでもキスをしてじゃれ合っていた。