好きになったのはあなたです。

 今度も彼はストレートだった。嶺ももうそれなしでは終われない感覚になっていたから素直に頷く。いつのまに用意していたのか、彼が乳液を使って嶺のそこを解しに掛かる。誰かとこうなるのは久しぶりなのに、彼の指はどこまでもスムーズに嶺の身体を開いていく。器用な指が中に入って押し広げていく。その準備にすら身体が喜んで、気を抜けば達してしまいそうだ。
「……ん」
「俺が入ってからだ。まだいくなよ」
 揶揄するようなことを言いながら丁寧に慣らしていく。
「そろそろいいか?」
 手早く準備を整えた彼のものが押し当てられて、それだけで全身が震えた。
「大丈夫。入って」
 促せばゆっくりと彼が入ってくる。
「う……」
「辛いか?」
「平気……っ」
 一度入り口で止まって、嶺が大丈夫だと分かったところで一度に全て収められる。
「いいな。想像以上だ」
 そんな風に喜ぶ彼の反応にまた昂ってしまった。
「締めつけるなって」
 そう言われても上手くコントロールできないのだから仕方がない。彼が中にいるというだけで弾けてしまいそうなほど、身体中が熱くなっている。
「動いてください」
 ねだれば彼がすぐに願いを叶えてくれた。恋人繋ぎで手を握って彼が腰の抜き差しを始める。空いた手で彼の背や脇腹を撫で上げれば、彼も昂るのか低い声を漏らす。そのうち抑えきれなくなったように腰の動きが速くなる。
「まずい。そんなに余裕がない」
 素直に告げる彼がどうしようもなく愛おしい。
「……大丈夫。俺はとっくに余裕がない」
 嶺も正直に言えば、その言い方に煽られたのか、彼の腰の動きが速くなる。その動きに振り落とされないように、ぎゅっと彼の腰に腕を回す。
「嶺」
「ん……っ」
 呼ばれたところで耐え切れず弾けてしまった。少し遅れて、身体の奥に彼の熱が広がるのを感じる。好きな男が自分の身体で達することに、泣きそうなほどの幸福を感じた。離れがたくて、その身体を抱きしめ続ける。
「俺は嶺が好きだ」
 身体が痺れてきたところで隣に降りた彼が、嶺の背中に腕を入れながら言う。
「浜野でもなくタゴレイでもなく嶺が好きだ。これからもずっと」
 まるで出来の悪い生徒に何度も言い聞かせるような言い方だが、今は何度でも聞いていたいと思う。
「俺も恭矢さんが好きです。採血が上手いところが特に」
「なんだよ、それ」
 相変わらず笑っても崩れないイケメンが、性懲りもなく嶺をドキドキさせる。もうそんな身体の反応も隠さなくていいと思えば、幸せすぎて壊れそうだ。
「ちゃんと話していこうな。もう余計な誤解をしなくていいように」
「はい」
 彼と会って一番素直に応えられた気がした。嶺は彼が好きで、彼も嶺が好き。もう誤解なんかして堪るかと思う。
 一晩中眠っていたのにまた眠くなって、彼の綺麗な顔とヘッドボードのダイヤモンドを感じながら、幸せな眠りに落ちていくのだった。
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