本文
「発見された場所を述べよ」
「南極大陸、通称Gポイント」
「発見された年月日は?」
「2010年1月17日、因みにGとして歴史上始めて認識された瞬間であり、それ以前にも後世においてGと呼ばれるものは存在していた」
「発見された物の特徴」
「対象は二体。何れも生物であり、一方は恐竜、もう一方はドラゴンに似た姿をしていた」
「G(以下甲)と呼ばれるものの種類を区分せよ」
「生物と非生物」
「先天的にそうであるもの、後天的にそうなったもの」
「怪獣もだろ?」
「人間って書くの忘れるなよさっきの」
:
:
:
「甲に関する事象、事柄、事件の何れかを一つ、グループで調べ、レポート用紙10枚に纏めろ」
「面倒くせ~」
「あれでよくね?北朝鮮の」
「無理。北原の班がやるって言ってた」
「被っても別にいーじゃん」
「比べられて向こうの方が優ってたらこっちの点数ガタ落ちなんだよ」
「怜がいたら余裕で勝てそうだけど…」
「俺に全部押し付ける気?やだよそんなの」
「つか誰も選ばないような奴を題材にしたいだけだろお前」
「あ、バレた?」
「後夏休み一週間しかねぇんだぞぉお!!やる気あんのかお前らぁぁあああああああ!!!!!」
「うっせーんだよ馬鹿兄貴!!!!!」
2019年8月16日、京都府北部の日本海に面したとある小さな町の一軒家から、五月蝿い蝉の声を掻き消す勢いで、少年の雄叫びが響き渡って行った。
チャ~チャ~チャチャッチャッチャッチャチャ~チャ~ラチャッチャンチャンチャンチャンチャンチャンチャン[腕を前に上げて背伸びの運動から~ハイッ!]チャンッ!
8月18日の早朝、臥龍小学校のグラウンドにて夏休み恒例のラジオ体操。
その風景の中に、ほとんどのメンバーが小学生であるにも関わらず、体格や身長からして中学生の少年が1人混じっていた。
青木一馬15歳、目的は小6にもなる弟火輪の付き添いではなく…
深呼吸して体操が終わり、スタンプカードに判子を押して貰う。
子供たちが散り散りになって行く中、流石に憚られた為に人の輪から離れていた身体を進める。
まだ幾人か残っていた中に、彼らを見つけた。
火輪の傍にいたのは2人の少年と少女。
少年は一馬が小学生の時からしょっちゅう火輪と遊んでいた子で、小学4年生の五条葵。
じゃれている2人を傍らで見ている少女は、葵少年の姉で、火輪と同い年の五条梓。
因みに一馬が梓に惚れている事は五条姉弟以外に、公然の事実として知られている。
「よ」
「あ、おはようございます」
朝っぱらから元気だなぁとか若干年寄りじみた事を弟たちを見て思い、一馬が梓に声を掛けると花が綻ぶような笑顔が返って来た。
美少女の邪気の無い笑顔に一瞬浄化されそうになる錯覚と目眩を覚えたが、気合いで体勢を整える。
「あのさ、ダチから水族館のチケット貰ったんだけど行かないか?」
基本的にヘタレな彼からすれば快挙とも言える台詞だが、マリンブルーに白のストライプが入ったチケットを受け取った少女はそれを遥かに上回っていた。
「ありがとう!葵も喜ぶと思うわ」
「………へ?」
梓の指摘で自分が持っていた2枚のチケットが両方ペアチケットである事にようやく気付き、回りくどい説得の結果火輪もついでに巻き込んで一緒に行く約束を取り付けるのは、それから15分後の事だった。
「南極大陸、通称Gポイント」
「発見された年月日は?」
「2010年1月17日、因みにGとして歴史上始めて認識された瞬間であり、それ以前にも後世においてGと呼ばれるものは存在していた」
「発見された物の特徴」
「対象は二体。何れも生物であり、一方は恐竜、もう一方はドラゴンに似た姿をしていた」
「G(以下甲)と呼ばれるものの種類を区分せよ」
「生物と非生物」
「先天的にそうであるもの、後天的にそうなったもの」
「怪獣もだろ?」
「人間って書くの忘れるなよさっきの」
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「甲に関する事象、事柄、事件の何れかを一つ、グループで調べ、レポート用紙10枚に纏めろ」
「面倒くせ~」
「あれでよくね?北朝鮮の」
「無理。北原の班がやるって言ってた」
「被っても別にいーじゃん」
「比べられて向こうの方が優ってたらこっちの点数ガタ落ちなんだよ」
「怜がいたら余裕で勝てそうだけど…」
「俺に全部押し付ける気?やだよそんなの」
「つか誰も選ばないような奴を題材にしたいだけだろお前」
「あ、バレた?」
「後夏休み一週間しかねぇんだぞぉお!!やる気あんのかお前らぁぁあああああああ!!!!!」
「うっせーんだよ馬鹿兄貴!!!!!」
2019年8月16日、京都府北部の日本海に面したとある小さな町の一軒家から、五月蝿い蝉の声を掻き消す勢いで、少年の雄叫びが響き渡って行った。
チャ~チャ~チャチャッチャッチャッチャチャ~チャ~ラチャッチャンチャンチャンチャンチャンチャンチャン[腕を前に上げて背伸びの運動から~ハイッ!]チャンッ!
8月18日の早朝、臥龍小学校のグラウンドにて夏休み恒例のラジオ体操。
その風景の中に、ほとんどのメンバーが小学生であるにも関わらず、体格や身長からして中学生の少年が1人混じっていた。
青木一馬15歳、目的は小6にもなる弟火輪の付き添いではなく…
深呼吸して体操が終わり、スタンプカードに判子を押して貰う。
子供たちが散り散りになって行く中、流石に憚られた為に人の輪から離れていた身体を進める。
まだ幾人か残っていた中に、彼らを見つけた。
火輪の傍にいたのは2人の少年と少女。
少年は一馬が小学生の時からしょっちゅう火輪と遊んでいた子で、小学4年生の五条葵。
じゃれている2人を傍らで見ている少女は、葵少年の姉で、火輪と同い年の五条梓。
因みに一馬が梓に惚れている事は五条姉弟以外に、公然の事実として知られている。
「よ」
「あ、おはようございます」
朝っぱらから元気だなぁとか若干年寄りじみた事を弟たちを見て思い、一馬が梓に声を掛けると花が綻ぶような笑顔が返って来た。
美少女の邪気の無い笑顔に一瞬浄化されそうになる錯覚と目眩を覚えたが、気合いで体勢を整える。
「あのさ、ダチから水族館のチケット貰ったんだけど行かないか?」
基本的にヘタレな彼からすれば快挙とも言える台詞だが、マリンブルーに白のストライプが入ったチケットを受け取った少女はそれを遥かに上回っていた。
「ありがとう!葵も喜ぶと思うわ」
「………へ?」
梓の指摘で自分が持っていた2枚のチケットが両方ペアチケットである事にようやく気付き、回りくどい説得の結果火輪もついでに巻き込んで一緒に行く約束を取り付けるのは、それから15分後の事だった。