Love is …
change name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まただ
[………]
頭が痛い
[…なさい]
これは私じゃない
[ごめんなさい]
貴方は誰なの?
「あら起きた?」
目の前には先ほどの初老の女性がいて、たぬきは自分自身が寝ていたベッドが思いの外きっちりした物で、多すぎる情報に処理が追いつかず言葉が出てこない
流れ的に、地下牢でも放り込まれるかと思っていたのに
ここはホテルの一室のような部屋だ
手足の拘束もない
女性の入れるハーブティーの香りが鼻をかすめて、優雅さすら感じる
状況が全く分からず、これから何をされるのかとたぬきは不安にかられた
誰かに助けて欲しいと強く思った
いや、誰かにじゃなかった
たぬきが助けて欲しいと願うのはもう彼しかいないのだから
パーンッ!!
その時、入り口の扉が力強く開けられた
「困るなぁ手荒な真似は
その娘、とっても大事なコなんだ」
『…ツナさん』
どうしてこの人は思った時に来てくれるのだろうか
たぬきは不思議でたまらなかった
同時に胸を満たす安心感に瞳が熱くなった
「ごめんね、たぬき…遅くなってしまった
怖い思いをさせてしまったね」
扉を蹴破ってその台詞を吐いたツナの声は、まるで昼下がりカフェラテを飲みに来た時と同じ様に優しい
「いいえ…早すぎるくらいですよ、ボンゴレ」
「たぬき!!!」
ツナの後ろからマーレの叫び声が聞こえて、次の瞬間には今にも転げそうなほど前のめりになりながらマーレが飛び込んできた
それに、ピクリと反応したたぬきに対し
ツナはただただそれを見ているだけだった
そして、彼女に厳しい声をかけたのはたぬきを拐ってきた女性だった
「Ms.ガットネーロ、それ以上は違法ですよ」
「っ、しかし局長!!」
声を上げるマーレ
三者三様に見知った顔らしく、戸惑いながらそれをただ静かに見つめるしかないたぬきに対しあえて黙りこむツナ
そして局長と呼ばれた女性はツナに向き直った
「存じ上げてますよ、ボンゴレ
別に私はあなた方と戦いにきたわけじゃあないのです」
「まさか、そちらからいらして下さるとは」
「…そちらもご存知とは」
「たぬきが持っていた指輪には2つの刻印があった…ボンゴレの刻印とそちらの時空管理局の刻印…だろ?」
『えっ…』
ツナの言葉に慌てて自分の付けていた指輪を確認する
確かに言われてみれば、なにか模様のようなモノもある気がするが劣化していてなんの模様かたぬきには分からなかった
そして、付けていた自分でも気づかなかったそれに、なぜツナが気づいていたのにも驚きだった
「ボンゴレ一世の日記にその記述がある…わずか三行
その姿、美しく、凛とした佇まい
名を、もこもこ アサヒ
そのもの時空を管理し異端を取り除くもの
そして、その日から丸々1ヶ月その日記に記載はなくなる」
「…証拠は全て排除したつもりでしたが…まさかその程度の情報で我々にまでたどり着くとは…」
女性の視線がマーレへと向けられる
「彼女じゃないさ…彼女は最後まで口を割らなかったよ」
最後までなんて、少し含みのある言い方をしたものの、ツナは本当にマーレを部下へと届けるほんの数分の会話をしただけだった
尋問なんてされてないとマーレの抗議の声もツナにかき消された
「まっ、こんな早いお出ましとは思わなかったから
俺も少し詰めが甘かったかな」
対峙しても変わらない態度と隙のない姿勢は美しくすらあった
流石ドン・ボンゴレと言ったところだった
でも、マーレの声もツナたちの対立も気にならないくらいたぬきにはどうしても気になる事があった
『ちょっと待ってください!』
「たぬき?」
『アサヒ?もこもこアサヒはおばあちゃんの名前です!どうしておばあちゃんが!』
「「「!!!」」」
その告白は、言った本人よりも聞いた者たちにとって衝撃だった
「やっぱりと言うべきか
たぬきさん…貴女はその指輪…もこもこアサヒによって連れてこられたんだ」
『…アンジェロさん』