「それじゃあ、私は高尾くん家の玄関先で倒れてた…って事？」

互いに目を覚ましてから、高尾は何故ここに星がいるのか話してくれた。

名前も教えて貰って(それは最初から知っていたが)年を聞くと驚いた。

目の前にいる高尾和成は、現在小学生らしい。

と、いうのも実は小学校を卒業した後で、今日から3日後に中学生になるんだとか。

通りでｱﾆﾒの高尾より幼く見えた訳だ。

肩幅も狭いし、目も少し大きい。

「君…確か名前…亀山、星ちゃんだったよね？見た所背も低いし、俺ともしかして同い年だったりする？」

言われて星は目を丸めた。確かに普段の時より目線も低くなっている。

「あ、HAHAHA…まァ、そんなトコかナ☆」

勢いで言ってしまった…

もー少しで成人式に出る私が、何故か夢の中ではｷﾞﾘﾗｲﾝのﾛﾘに…←

悪ﾉﾘで失敗してしまった所で、星は未だに信じきれずにいた。

鍵を拾おうとして意識を失った後、どうやら星は彩香と共に高尾家の玄関外で倒れていたらしい。

本当は警察に通報しようか迷ったらしいが

何の事情も知らないで易々と電話をするのも不味いと判断したらしく

わざわざ二人を家の中に運んで匿ってくれたらしい。流石HSKというべきか

「その星ちゃんの言う彩香ちゃんも、お前より先に起きたんだけど、結構大変だったよ」

「大変って何が…？」

「俺を見た瞬間、固まっちゃってさぁ…無言になるし俯きっぱなしだし、あの子もしかして人見知り？」

「あっはは～…;」

確かにおーちゃんは少し人見知り要素含まれてますけども

半分以上はｱﾅﾀのせいですよおーちゃんの推しさん。









「彩香ちゃんはここの寝室じゃなくて俺の部屋にいるから。とりあえず二人で話してｷﾘついたら、説明してくんね？」

その事には肯定した。しかし、

「…？ どしたん？他にもまだ、なんかあるワケ？」

こうやって、高尾と直で話すなんて、有り得ない話の筈だから

星は、疑問を解決するべく、こんなお願いを申し出た。



「……ごめん。ちょっとでいいから、触らせて」



「えっ!?////」

許可も取らず、星はそのまま高尾の頬へ手を伸ばした。

ふに、と伝わる柔らかい感触。

「うひぇえっ!?////」





決して触れる事の出来なかった物が、光の速さで手の皮膚に伝わってくる。

それと一緒に運ばれてくる彼の体温。

星は目を大きく見開き、すぐに手を引っ込めると

「夢じゃ………ない」

と呟いた。