馬鹿みたいに晴れ渡る青空が、星は好きだ｡

これまで17年間と少しの間、生まれてから何度もこんな天気は見てきたが

それでも星はこの空が好きだった。

少女、というよりも少し大人びた女の子の名前は 亀山 星 。

極々平凡な女の子であり、現在進行形で高校生。立派な学生である。

それでも少し変わった点を上げるとすれば

二次元好きと少し抜けた所と言うべきか。

彼女は幼い頃から絵が好きで、街中で綺麗なｲﾗｽﾄを見つければ

必ず立ち止まりﾁｪｯｸするという程。

それ故に親から初めに漫画を教えて貰った時はとても興奮したのを覚えている。

描き写して絵柄を真似したり小学校低学年の頃はそれを家の壁に描いて酷く怒られたものだ。

今では周囲の人からよく「ｵﾀｸ」と呼ばれている。

それでも星は気にしない。

それくらい自分の世界を貫き通しているのだ。





「うおおおぉぉお、遅刻するーっ!!」





それと、女子とは思えない性格も彼女の難点の1つであった。

所謂、残念ｶﾞｰﾙという部類である。

天然な所は同じ黒ﾊﾞｽｵﾀｸから「木吉に似てるね」と言われた。

明るくて煩く人懐っこい所は同じ黒ﾊﾞｽｵﾀｸから「黄瀬に似てるね」と言われた。

笑い上戸な所は同じ黒ﾊﾞｽｵﾀｸから「高尾に似てるね」と言われた。

そう、星は今 黒ﾊﾞｽという作品に猛烈にﾊﾏっているのだ。





(はあぁあ、朝から占ﾂｸで神作者の手掛ける神小説読んでﾏｼﾞﾃﾝｼｮﾝ高尾だわ～っ！時間ないくせに何hshsしちゃってんだろwww………って笑ってる場合ちゃう！遅刻ーーーーっ!!)

手作りの弁当を鞄に入れて、制服に身を包んだ星は家を飛び出した。









星が出て行き、母が1人で家事をする中

ﾘﾋﾞﾝｸﾞに置いてあるﾃﾚﾋﾞは騒がしく音を立てていた。





"今日、最後のﾆｭｰｽです。最近多発している誘拐事件ですが、被害者が拐われた場所に共通点が見つかり…"




"天気予報です。今日は日本列島の全体が綺麗な青空に包まれるでしょう。気温も高く洗濯するには絶好の…"