2021/04〜
Log and short
更新履歴一覧
20260816(日)09:02
20260816(日)09:01
20251116(日)12:58
20251010(金)00:02
20251008(水)23:28
20251003(金)22:45
20251001(水)23:31
・即興小説トレーニング 様より
お題|幕開け 喜劇
お借りしました。ありがとうございました。
【しのぶ夢にする予定】
藤の花を幾重にも飲み込んで髪と瞳は色を変えた。紫色の毒はやがてこの臓腑をも蝕むだろう。
────覚悟はあるか?
自分に問いかけて、問いかけて。ついには崩れて形をなさなくなった言葉と共に、今日も薄紫を食む。
人生はその一部を抜き取れば悲劇に見えるが、その実、人生は喜劇だ。
皆、舞台の上では役者。
もしも台本があるとすれば、私の人生は即興だけでつくられている。それも私以外が好き勝手に踊りまわる独壇場。全く思い通りにはいかない。
私はいつも除け者で、大切な人たちは勝手に現れて、勝手に退場して行く。
脚本の筋書きにはなかった、本来ならばあるはずのない策を部外者からの指摘で見つけた。この時の安堵と落胆を忘れはしない。私は死ぬことにだって意味を作りたかった。
心残りといえば、破顔の裏に取り付けた悲願が果たせなかったことくらいだ。
でも、どうせ誰かが勝手に引き継いでくれるだろう。真先に思い浮かぶのは竹を噛んだ幼顔だった。
かつて、私は呪われた。唯一の肉親に。
別れ際の願いはどうしてこんなにも残酷なんだろう。到底叶うはずがないと知りながらも、願わずにはいられなかった姉の呪い。心のどこかで、彼女を恨みながらも、結局私も姉を真似て義妹を呪う。
必ず先へ繋げるように。例え四肢をもがれようとも、盲いたとしても。
形見の飾りは2人で1つ。形あるモノはいずれ壊れてしまうけれど、形のない思いは恒久的に続いていく。人がいる限り、“永遠”は確かに存在すると私は願ってやまない。
その証左に、頬を赤らめて私の名を呼ぶ少女は、いつの間にか表情を取り戻していた。
───私がいなくなっても、もう大丈夫だ。
そう背丈が変わらない少女を無意識のうちに抱きしめた。きっと生き残るように、この脅迫めいた呪縛が解けないように。
……姉さん、聞いて。優しいことは残酷なのよ。
何を投げ出しても、かけてくれた優しさに自分の全てを費やそうとしてしまうから。
私は身に染みて自己犠牲の意味を知っている。知っていながらも願わずにはいられなかった。
連鎖するこの呪いを償う時間はもうないけれど、せめて喜劇の幕開けは、次の世代に託そうと思う。20251001(水)00:03
20250925(木)23:28
野薔薇夢にする予定
窓ガラスの向こうでは氷のような雨が降り続く。
「踊りましょうか。出発まで」
大袈裟なくらい恭しく手を取り合う。彼女はふざけたように言うと、わたしの手を引っ張って好き勝手回り始めた。
始発の車内は冷え冷えとしていて踊るにはちょうど良かった。
「伊地知さん、渋滞に巻き込まれたって。自力で帰るって言ったら怒られたんだけど」
「過保護だよねー」
「遠いっちゃ遠いけど、言うほどでもなくない?電車で2、3時間ってとこ......うげ、充電やべえ。あの言い方だと迎えに来てもらうのもしんどいかもなぁ」
「あ、わたしスマホ忘れてた。伊地知さんもう帰っていいんじゃない?うちら明日休みだし、適当に帰る、って送っといて。」
「今、アンタが言ったことそのまんま送った。モバ充アマゾンでポチる.....れない。充電切れた。文明に侵食されてる感あるわ...駅降りたらどっか寄ろ」
「あり。あとサウナ行きたい」
任務終わりは決まって良からぬモノが憑りつく。端的にいえば、とってもアンハッピーなことが起こりやすい。公共交通機関は使いたくなかったが、この豪雨では車だって動かないだろう。仕方ない。20250923(火)23:28