【久遠の夢現】ヴルトゥーム
(調査ファイル2)

【千妥万堕（アイハイ・サイクル）】
未知の鉱物で作られた植木鉢の｢神器｣。有機物を入れると急速に成長し、虫と植物が混ざり合ったような生命体が生み出される。知能は低いが多少の命令はでき、大きなダメージを受けない限り消滅することはない。入れるものが細かいほど多数の、重いほど強い生物を作ることができ、彼自身の体組織を媒体にすることで、段違いに強力な眷属を作り出すことができる。アプリバトルにおいて攻撃や防御に使用するほか、怠惰な性格ゆえ日常生活を助けてもらうことも多く、植物の種などを用いて複数の眷属を作り侍らせている。怒らせるとゴマやケシの実の袋を取り出してきて数の暴力に訴える。
物質を投入し変質させる特性上｢東京の世界に食い込んでいる『神器』｣と言え、その効果はアプリの閉鎖領域の外でも機能する。ゆえに汎用性が高く衆目に触れる機会も多いが、そんな彼がもう一つ｢神器｣を持っていることは、あるメンバーの一人を除いて誰も知らない。『眠りの瓶』と呼ばれるそれがもたらすのは｢千年の眠りと目覚め｣。かつて一星の王であった彼が、自身を世話する種族に同じ活動サイクルを与えるために使っていた｢当然の権利｣。同じ歩幅で歩けない仲間たちと肩を並べながら、彼はいつか来る別れに怯え、誘惑に耐え続けている。