【衣ヲモ着セズ】ペレス
(調査ファイル2)

【一歯伴銭（ラトンシート・ペレス）】
首から提げている宝箱の｢神器｣。価値がある(とペレスが信じる)ものを投入すると、それに値する(とペレスが信じる)だけの財貨が溢れてくる。財貨はその国の通貨に換算されるため、東京では相当量のコインが出る。抜けた歯を回収し、子供時代との別れ、そして大人への第一歩を踏み出した選別として金貨を差し出す。それは異世界ティルナノグの住人らに広く共有される、｢自身につけられた最初の価値｣の記憶。故郷の子供たちはペレスにより高い｢値｣をつけて貰うため、綺麗な乳歯を保つべく歯磨きに勤しむのだ。
……しかし、現在の彼は子供の乳歯になど目もくれない。ある事件により東京の子供たちの歯の価値が｢暴落｣したことを知った彼は、逆に故郷では絶対に手に入らないもの───すなわち｢転光生｣の永久歯を集めるようになった。アプリバトルにおいては、これを｢神器｣に収めることでコインの洪水を生み出し、圧倒的な物量で相手を押し流すことができる。そのため東京で喧嘩や揉め事の噂を聞くと、現場に駆けつけ欠けた歯がないか探している姿が見られる。子供たちの息災を見守りたい気持ちはあるが、事件のことがトラウマになっておりどうしても距離を取ってしまう。同じ役目を担う存在に対しても、引け目に似た苦手意識を見せる。