個人や組織による有名人のなりすましは山ほどあるが、これほど大きなムーブメントを起こしているからには、この『九世フラクタルズ』には単なる噂以上のものがあるのだろう。事の真偽を確かめるべく、われわれ編集部はフラクタルズが所属する代官山スクールの芸能科を直撃。教育機関でありながら本格的な芸能事務所を運営している同所へ出向き、フラクタルズのマネージャーに簡易的にではあるが独占インタビューを行った。以下はその内容を記したものである。

Q.
最近、若者の間で『SUMMONS』を使ったゲームが流行しているのを知っているか?
A.
そうですね。所属タレントにも学生が多くいますから、たまに話を聞くこともあります。あいにく私にはあまり縁がないですけど……。『SUMMONS』は通話やチャットや、もっぱら人と連絡を取り合うために使ってます。

Q.
そのゲームの中で、フラクタルズのメンバーが作ったギルドがあると話題になっていることは?
A.
ええ、聞いてますよ。メンバーにゲーム好きの子がいますから、ファンと一緒に遊べる機会があると嬉しいと言われまして。上にも掛け合った結果、個人や事務所の情報を発信しないことを厳しく注意したうえで許可を出しました。昔はハラハラすることもありましたが、みんな今ではすっかり模範生ですしね。

Q.
ということは……九世フラクタルズは実在する?
A.
ハハハ、そんな名前なんですか。思った以上にそのまんまですね。ファンにつけてもらった｢九世｣という名前が、よほど気に入っているんでしょう。

Q.
ずいぶんあっさり認めましたね……。
A.
下手なスキャンダルに比べたら、これぐらい何でもないですよ。ゲーム好きのアイドルということで、親しみを持ってくれる方が増えたのは喜ばしいですし。ファンや他のユーザーとトラブルでも起きない限りは、事務所側が干渉することはありません。慎重に、微笑ましく見守っていくつもりです。

担当マネージャーへのインタビューの結果、ゲーム上に現れた『九世フラクタルズ』は確かに彼らの作成したギルドであると判明。この情報が公になった暁には、このギルドに加わる者はさらに増加することだろう。一定以上のメンバーが集まれば、裏のファンクラブとして公式に認められることもあり得る。そうすればギルドメンバーを集めてのイベントなど、新たな展開が起こることも考えられる。グループとしてもギルドとしても、破竹の勢いのフラクタルズから今後も目が離せない。

(東京アフタースクール編集部)