ギルドというのは先述の通り、『SUMMONS』内の｢ゲーム｣に参加したユーザー達が一定数集まって構成されるチームのことだ。一人のギルドマスターを中心に、5人以上が集まると作成することができるという。｢クゼ担｣と呼ばれる熱烈なフラクタルズファンの間では、フラクタルズのメンバー九人がチームを組み、あるギルドを結成したという話で持ち切りだ。それこそが『九世（くぜ）フラクタルズ』。九つの世界をまたぐ一大プロジェクトとしてファンに名付けられた称号を、堂々とその名に関する新興ギルドである。

詳細はプレイヤー同士にしか分からないそうだが、現にメンバーの一部がその名を使ってゲームに参加しているところを見たという話もあり、今ではいわゆる｢推し活｣の一環としてそのギルドに加入申請を行うものが後を絶たない。
現在フラクタルズのファンクラブ会員は約920,000人だが、そのうちSUMMONSユーザーは半数を超えない。その中でギルドの存在に気づき加入した者はさらに少なく、全体の0.2パーセントに過ぎないという見立てもある。しかしファンクラブの規模が規模だけに0.2パーセントでも大変な数字だ。そのため『九世フラクタルズ』は、内情の不透明さに反して意外に多くの構成員を抱えているという。