橙と白の記憶のカケラ
お袋が死んで、自分の所為だと川辺をうろついていたとき、一人の少年に出会った。
少年と言っても、その時自分は子供で・・・相手は年上に見えた。
そんなとき、何かちょっとした約束をしたような気がする。
ちょっとした約束と言っても、自分にとってはそれが多少生甲斐となってて・・・
あれは――誰だっけな・・・?
「・・・」
目の前に見えるのは静かに流れゆく川。
この場所に生涯何度来ただろうか?
毎年必ずこの場所に来る。
――ここは、お袋が死んだ場所。
死神という存在に関わって発覚した、自分が助けようとしていた女の子は虚の疑似餌で、その罠に自分が引っ掛かったこと。
つまり、自分を庇った所為でお袋が死んだ。
何度自分を責めても責めきれない。
でも、親父に言われた言葉で、もう自分を責めることは止めた。
でも、毎年ここに来ることは習慣のようなもので・・・
そして、今日。またここへ来てしまった。