処刑という名の復讐劇
尸魂界・一番隊隊首会室。
草冠宋次郎という、日番谷の院生時代の級友による、王印強奪事件は見事解決した。
だが、日番谷には「処刑」という事態にまでなってしまった。それを簡単には外す事は出来ない。一番隊隊長ならびに護廷十三隊総隊長・山本元柳斎重國がその処分を言い渡そうとしていた。
「日番谷冬獅郎。王印は奪還したものの、お主の罪は重い。わかっておるな?」
「はい」
日番谷は、以前乱菊が処罰を待っていた場所で、深く頭を垂れている。
他隊の隊長はそれをじっと見ている。
「どんな理由があろうとも、職務を放棄し、副隊長を二人も重体を負わせたことは事実」
その場に元柳斎の声が響く。
「お主の処罰は変わらず、処刑じゃ」
日番谷はそのまま韱罪宮へ移送され、乱菊は自室で泣き崩れた。
そしてその日の夜、唄が聞こえた。
氷の塵は天へ行く
残りの塵は動けない
それをわたしはとどめさし
この世に塵を残さない
これは全て、復讐だ
動け、わたしの子供たち
白いあの子を消しておしまい
あの子の心も操って
「ふふふ。尸魂界はもうわたしのもの。さよなら、氷のように冷たい人」