【道義と道着と動機】

【道義と道着と動機】




「弱ったなぁ・・・どこにいっちゃったんだろう」


「どうしたの、悟飯君?探し物?」

「ビーデルさん・・・。胴着を探してるんですけど、ぜんぜん見つからなくて。・・・緊急事態だっていうのに、困ったなぁ」

「変ねぇ・・・確かにここにしまったはずなのに・・・」

「うん、お引越しの時にビーデルさんがクローゼットにしまってるのを、僕も見てました。・・・でも、いくら探しても見つからないんです。おかしいなぁ、どうして見つからないんだろう」

「そんなはずないわよ、ちゃんとここにしまったもの。悟飯君がもう使わないって言ってたから奥に入れたけど、大事なものだから捨てたりなんかしてないもの。・・・もしかして、間違えて私のクローゼットにしまったのかしら。待ってて、悟飯君、探して来る!」

「・・・悪いけど、急がなきゃならないから時間がないんです。胴着に代わるものを出して貰えませんか。できれば動きやすいものを」

「わかったわ!ハイスクール時代のジャージならすぐ出せるから、それでもいい?」

「お願いします!」







その頃―


「いやー、ムコ殿の胴着を見ながら呑む酒は格別に美味いのぉ!ビーデルの引越しを手伝った時に思わず持って来てしまったが、やはりムコ殿の胴着は、世界チャンピオンたる私の部屋にこそ相応しい!どうせもう使わないからと、クローゼットの奥にしまおうとしていたんだし、私が持って来たところで問題はないだろう」




END

ここまでお読み戴きありがとうございました。
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