第一章 問いかけ
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「ここ…どこ?…いつ?」
人がいたのがうれしくて、思わずすがるように聞いてしまった。
「は?お前、頭が弱いのか?」
男の子は、あきれたように言った。
「ここは見た通り、神社の拝殿の中で、今は真夜中だろう」
それから、面白そうに私のことを上から下まで見る。
「お前の体は、向こうの壁が透けて見えるんだな。妖怪か何かか?それとも悪霊か?」
そんなことを聞いているのに、怖がるそぶりがまったくない。
さっきから、柱の下にうずくまったまま、皮肉っぽい表情で、こちらを見つめている。
眼だけがとても強い印象を与える。捨てられた子猫みたいにガリガリに痩せた男の子。
「そう言えば、郷中の稚児どもが言ってた。
夜中に、白い布と一緒に飛んで来て、人をぐるぐる巻きにして憑り殺す妖怪がいるって。
お前、それか?」
「ち、違うよっ!」
「何だ、違うのか」
男の子は露骨にがっかりしたように、あさっての方向を見てため息をついた。
「おいを憑り殺しに来たのなら、面白かったのに」
な、何なの…この子?
その時、建物の中に、月光が差し込んできた。
男の子のいる場所にも光が当たり、もっと細かいところまで見えてきた。
え…。
さっきから、この子が動かないわけがわかった。
大きな柱に、後ろ手に縛り付けられている。
着物はぼろぼろで、下手をしたらこの子より古い、みすぼらしい物だ。
いちおう、小さな刀は差しているから、侍の子みたい。
月の光だけではやはり暗いから、細かい顔のつくりまでは分からないけれど…。
初めて会う子なのに、初めてという気がしない。
それにしても…。
本当に、眼の表情が印象的な子だ。
世の中のすべてを馬鹿にし切っているような、攻撃的なくらい生意気な表情なんだけど…。
瞳の深い暗い部分に、子どもには絶対あってはいけないような何かがあって、とにかく放っておいちゃいけない感じがする。
人がいたのがうれしくて、思わずすがるように聞いてしまった。
「は?お前、頭が弱いのか?」
男の子は、あきれたように言った。
「ここは見た通り、神社の拝殿の中で、今は真夜中だろう」
それから、面白そうに私のことを上から下まで見る。
「お前の体は、向こうの壁が透けて見えるんだな。妖怪か何かか?それとも悪霊か?」
そんなことを聞いているのに、怖がるそぶりがまったくない。
さっきから、柱の下にうずくまったまま、皮肉っぽい表情で、こちらを見つめている。
眼だけがとても強い印象を与える。捨てられた子猫みたいにガリガリに痩せた男の子。
「そう言えば、郷中の稚児どもが言ってた。
夜中に、白い布と一緒に飛んで来て、人をぐるぐる巻きにして憑り殺す妖怪がいるって。
お前、それか?」
「ち、違うよっ!」
「何だ、違うのか」
男の子は露骨にがっかりしたように、あさっての方向を見てため息をついた。
「おいを憑り殺しに来たのなら、面白かったのに」
な、何なの…この子?
その時、建物の中に、月光が差し込んできた。
男の子のいる場所にも光が当たり、もっと細かいところまで見えてきた。
え…。
さっきから、この子が動かないわけがわかった。
大きな柱に、後ろ手に縛り付けられている。
着物はぼろぼろで、下手をしたらこの子より古い、みすぼらしい物だ。
いちおう、小さな刀は差しているから、侍の子みたい。
月の光だけではやはり暗いから、細かい顔のつくりまでは分からないけれど…。
初めて会う子なのに、初めてという気がしない。
それにしても…。
本当に、眼の表情が印象的な子だ。
世の中のすべてを馬鹿にし切っているような、攻撃的なくらい生意気な表情なんだけど…。
瞳の深い暗い部分に、子どもには絶対あってはいけないような何かがあって、とにかく放っておいちゃいけない感じがする。