第一章 問いかけ
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【ゆう】
『なっ…なんでこんなことになっちゃったのっ?』
声を出してないはずなのに、私の言葉が頭いっぱいに響いた。
私、どこかに吸い込まれてく。
この光景は、21世紀じゃない。
ずっと古い。
江戸時代っぽい…気はするけど…わかんない。
京都でもない。
だって、海が見える。
海の中に、大きな山があって、煙が出てる。
どこ?
でも、あの神社とそっくりな神社は見えて…。
そして…。
ばさばさばさばさ…と大きな音がして。
あたりが急に暗くなって。
なにか、白い大きなものに包まれる感覚があって…。
私は何かの上に落っこちた。
痛くはなかった。
ドンとかバンとかいう音もしなくて、ただパサリと布が落ちるような音がしただけだった。
「ほえ?」
あ、声が出た。
あたりは真っ暗で、まったく何も見えない。
かろうじて、床に白い布が広がっているのがぼんやりと見える。
私はその上に座り込んでいた。
木の匂いがする。
何かの建物の中だろうか。
さっき見た神社…?
ど…どうしよう。
私…もしかして、またタイムトリップしちゃった…とかないよね?
とにかく、知らない場所だ。
真っ暗でよくわかんないけど。
やばいよ。
すぐ帰んなきゃ。
だってさ…。今日は大久保さんとケンカして飛び出してきちゃったんだもん。
きっと、今ごろ心配してる。
…つか、あの人の場合、藩邸でおとなしく心配だけしてるわけないから、やばい。
今ごろ、探してるかも…。
帰りが遅くなったりしたら、藩邸の人間総動員して、ご近所中を聞き込みしかねない。
そんななったら、恥ずかしくて町歩けなくなっちゃうよ…。
…ていうか…。
考えたくないけど…。
私、帰れるのかな…?
そこまで考えて、ふと気づいた。
私、すっごく当然みたいに、「帰る」って言葉を、薩摩藩邸に帰る意味で使ってる…。
21世紀の私の家に帰るんじゃなくて。
でも…。
今、すごく切実に帰りたいって感じてるのは…。
私のいちばん帰りたいのは、大久保さんのところだ。
21世紀じゃない。
もし…このまま帰れなかったら…。
そう考えたとたん、心の中に一瞬で大きな氷ができたみたいに、気持ちが凍りついた。
やだ…。
それだけは、絶対やだ。
なんとかしなきゃ。
『なっ…なんでこんなことになっちゃったのっ?』
声を出してないはずなのに、私の言葉が頭いっぱいに響いた。
私、どこかに吸い込まれてく。
この光景は、21世紀じゃない。
ずっと古い。
江戸時代っぽい…気はするけど…わかんない。
京都でもない。
だって、海が見える。
海の中に、大きな山があって、煙が出てる。
どこ?
でも、あの神社とそっくりな神社は見えて…。
そして…。
ばさばさばさばさ…と大きな音がして。
あたりが急に暗くなって。
なにか、白い大きなものに包まれる感覚があって…。
私は何かの上に落っこちた。
痛くはなかった。
ドンとかバンとかいう音もしなくて、ただパサリと布が落ちるような音がしただけだった。
「ほえ?」
あ、声が出た。
あたりは真っ暗で、まったく何も見えない。
かろうじて、床に白い布が広がっているのがぼんやりと見える。
私はその上に座り込んでいた。
木の匂いがする。
何かの建物の中だろうか。
さっき見た神社…?
ど…どうしよう。
私…もしかして、またタイムトリップしちゃった…とかないよね?
とにかく、知らない場所だ。
真っ暗でよくわかんないけど。
やばいよ。
すぐ帰んなきゃ。
だってさ…。今日は大久保さんとケンカして飛び出してきちゃったんだもん。
きっと、今ごろ心配してる。
…つか、あの人の場合、藩邸でおとなしく心配だけしてるわけないから、やばい。
今ごろ、探してるかも…。
帰りが遅くなったりしたら、藩邸の人間総動員して、ご近所中を聞き込みしかねない。
そんななったら、恥ずかしくて町歩けなくなっちゃうよ…。
…ていうか…。
考えたくないけど…。
私、帰れるのかな…?
そこまで考えて、ふと気づいた。
私、すっごく当然みたいに、「帰る」って言葉を、薩摩藩邸に帰る意味で使ってる…。
21世紀の私の家に帰るんじゃなくて。
でも…。
今、すごく切実に帰りたいって感じてるのは…。
私のいちばん帰りたいのは、大久保さんのところだ。
21世紀じゃない。
もし…このまま帰れなかったら…。
そう考えたとたん、心の中に一瞬で大きな氷ができたみたいに、気持ちが凍りついた。
やだ…。
それだけは、絶対やだ。
なんとかしなきゃ。