第七章 未来
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そして、二人は、初めて会った日の、拝殿の前についた。
今考えると、これで最後なんだから、ここへ来るまでの道で、もっといろいろ話せばよかった。
でも、なんだか、いろんなことで頭がいっぱいになっちゃって、話す余裕がなかった。
正助君も、たぶんそうだったと思う。
しめ縄は、やっぱり切れたままで、そこにぶら下がっていた。
拝殿の中も、あの日と同じようにぐちゃぐちゃだ。
別当は、あの後ここに近づかなかったみたい。
「こいつを結べばいいのか…?
なんかまだ信じられないけど…」
と正助君は縄の切れ端に触った。
その途端、ずん、と地震のような感じで世界がゆれた。
あわてて、正助君は縄から手を離した。
「…当たり…みたいだな」
正助君はしばらく地面を見つめていた。
それから、急に顔を上げると、いつもは絶対しないような、やさしい顔でにっこり笑うと言った。
「よかったな。お前、帰れるぞ」
…正助君…。
君は、気づいていないかもしれないけど…。
今にも、泣き出しそうな、顔してるよ。
「ゆう…。これで、もう会えなくなると思うと…ちょっとつらいや。
ていうか…だいぶ…つらい」
「えっ…」
「でも、なんだかよくは分からないけど…これがお前にとっていちばんいいんだよな?」
無理やり、笑顔を作る正助君の顔を見ながら…。
ああ…おじいちゃん、こういうことなんだね。
そう、思った。
ここ何日か、今まで正助君に全然縁のなかった、好意とか感謝とか、そういうものをたくさん浴びて。
ずっと孤独だった正助君に、仲間ができて、信じてもらえるようになって。
やっと、「つらい」って、自分から言えるようになったんだ。
「うん…」
私は、なんだか胸がいっぱいになって、つい、言っちゃっていた。
「また、会えるよ。きっとずっと先だけど」
「本当に?」
「うん…」
そんな瞳で、真剣に見つめないでよ。ほんとに辛くなっちゃう。
「ずっと先…。正助君が、日本を変えるようなすごい男になったら。そしたら、私、こんな化け女じゃなくて…。普通の人間の姿で会えるよ」
今考えると、これで最後なんだから、ここへ来るまでの道で、もっといろいろ話せばよかった。
でも、なんだか、いろんなことで頭がいっぱいになっちゃって、話す余裕がなかった。
正助君も、たぶんそうだったと思う。
しめ縄は、やっぱり切れたままで、そこにぶら下がっていた。
拝殿の中も、あの日と同じようにぐちゃぐちゃだ。
別当は、あの後ここに近づかなかったみたい。
「こいつを結べばいいのか…?
なんかまだ信じられないけど…」
と正助君は縄の切れ端に触った。
その途端、ずん、と地震のような感じで世界がゆれた。
あわてて、正助君は縄から手を離した。
「…当たり…みたいだな」
正助君はしばらく地面を見つめていた。
それから、急に顔を上げると、いつもは絶対しないような、やさしい顔でにっこり笑うと言った。
「よかったな。お前、帰れるぞ」
…正助君…。
君は、気づいていないかもしれないけど…。
今にも、泣き出しそうな、顔してるよ。
「ゆう…。これで、もう会えなくなると思うと…ちょっとつらいや。
ていうか…だいぶ…つらい」
「えっ…」
「でも、なんだかよくは分からないけど…これがお前にとっていちばんいいんだよな?」
無理やり、笑顔を作る正助君の顔を見ながら…。
ああ…おじいちゃん、こういうことなんだね。
そう、思った。
ここ何日か、今まで正助君に全然縁のなかった、好意とか感謝とか、そういうものをたくさん浴びて。
ずっと孤独だった正助君に、仲間ができて、信じてもらえるようになって。
やっと、「つらい」って、自分から言えるようになったんだ。
「うん…」
私は、なんだか胸がいっぱいになって、つい、言っちゃっていた。
「また、会えるよ。きっとずっと先だけど」
「本当に?」
「うん…」
そんな瞳で、真剣に見つめないでよ。ほんとに辛くなっちゃう。
「ずっと先…。正助君が、日本を変えるようなすごい男になったら。そしたら、私、こんな化け女じゃなくて…。普通の人間の姿で会えるよ」