第七章 未来
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でも、なんか、ひとつ、気づいた気がする。
あの嫌味って、きっと何かを守るための壁みたいなもんなんだ。
何を守るのかは知らない。たぶん大久保さん本人だって、わかってない。つか、きっと何かを守ってるなんて、本人は思ってないと思う。
でもさ。
本当に自分に自信があって、強くて揺るがない人なら、そもそも嫌味なんて言わない。
言う必要がない。
何を守ってるかは、わかんない。
ただ、正助君に会って、この子を見てて思った。
慶応二年の、大人になって出世して、薩摩藩を率いてバリバリ仕事してる大久保さんからは、ぜんぜん想像つかないような姿だよね。
初めて会った時の正助君は、お洒落な大久保さんが絶対着ないような、ぼろぼろの貧相な着物を着て。
がりがりに痩せて、目だけ光らせて人をにらみつけて。
周り中から、さんざんに馬鹿にされて。
世の中すべてが敵だみたいな態度でいるくせに、時々、今にも壊れそうな、脆い表情をしてた。
女の子みたいに線の細いきれいな顔をしているくせに、時々、百年生きた老人みたいに、疲れたため息をついていた。
慶応二年の大久保さんには、偉くて頼りになるとか、大人で包容力があるとか、それ以外にも、自分の役に立つからって理由で、近づいて来る人たちがいっぱいいる。
そういう、表面ばっかり見ていて、利用価値があるから好きになるって人たちは、こんなの大久保さんじゃないって、言うかもしれない。
でも、たぶん、大人の大久保さんの心の中の、ずっとずっと奥の方には、今でもこの子が隠れてる。
何かを守るために、必死になって大人げない嫌味を吐き続けてる。
だから、たぶん私は、大久保さんのそばにいて、今でも心の片隅に隠れてる傷ついた男の子を守ってあげないといけないんだと思う。
嫌味を言い続けなくても、大丈夫なんだよ、世の中はそんなに怖いものじゃないんだよと、この子の心にしみるまで、語りかけないといけないんだと思う。
誰かの役に立とうと、身を擦り減らせて必死になっていたら、そんな誰かさんより、あなたの方が大事なんだよってことを、気づかせないといけないんだと思う。
他の誰よりも、あなたに幸せになってほしいから。
そのためには、私には何ができるんだろう。
あの嫌味って、きっと何かを守るための壁みたいなもんなんだ。
何を守るのかは知らない。たぶん大久保さん本人だって、わかってない。つか、きっと何かを守ってるなんて、本人は思ってないと思う。
でもさ。
本当に自分に自信があって、強くて揺るがない人なら、そもそも嫌味なんて言わない。
言う必要がない。
何を守ってるかは、わかんない。
ただ、正助君に会って、この子を見てて思った。
慶応二年の、大人になって出世して、薩摩藩を率いてバリバリ仕事してる大久保さんからは、ぜんぜん想像つかないような姿だよね。
初めて会った時の正助君は、お洒落な大久保さんが絶対着ないような、ぼろぼろの貧相な着物を着て。
がりがりに痩せて、目だけ光らせて人をにらみつけて。
周り中から、さんざんに馬鹿にされて。
世の中すべてが敵だみたいな態度でいるくせに、時々、今にも壊れそうな、脆い表情をしてた。
女の子みたいに線の細いきれいな顔をしているくせに、時々、百年生きた老人みたいに、疲れたため息をついていた。
慶応二年の大久保さんには、偉くて頼りになるとか、大人で包容力があるとか、それ以外にも、自分の役に立つからって理由で、近づいて来る人たちがいっぱいいる。
そういう、表面ばっかり見ていて、利用価値があるから好きになるって人たちは、こんなの大久保さんじゃないって、言うかもしれない。
でも、たぶん、大人の大久保さんの心の中の、ずっとずっと奥の方には、今でもこの子が隠れてる。
何かを守るために、必死になって大人げない嫌味を吐き続けてる。
だから、たぶん私は、大久保さんのそばにいて、今でも心の片隅に隠れてる傷ついた男の子を守ってあげないといけないんだと思う。
嫌味を言い続けなくても、大丈夫なんだよ、世の中はそんなに怖いものじゃないんだよと、この子の心にしみるまで、語りかけないといけないんだと思う。
誰かの役に立とうと、身を擦り減らせて必死になっていたら、そんな誰かさんより、あなたの方が大事なんだよってことを、気づかせないといけないんだと思う。
他の誰よりも、あなたに幸せになってほしいから。
そのためには、私には何ができるんだろう。