第五章 小娘、考える
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そんなおじいちゃんから聞いてた話だけど…。
つらい目にあってきた子どもの中には、悲しいとか、しんどいとか、自分の感情を言葉にできなくなってしまう子がいるという。
意地を張って、わざと言わないとかじゃない。
自分の気持ちを話そうとすると、声が出なくなったり、気分が悪くなってしまったり、とにかくしゃべれなくなってしまうんだって。
例えば、「人を殴るのはよくないことだ」は言える。殴ってきた人の写真をたたくことはできる。
でも「殴られてつらかった」とは言えない。
つらかったと言おうと思っても、喉が締め付けられたようになって、声を絞り出そうとしても変な声しか出なくなる。
言おうと思うだけで、頭の中が混乱して、言葉をまとめることができなくなる。
ついには、言おうと思いつくことすらできなくなる。
そういう子をさらにそのまま放っておくと、自分には感情があることすら、気づかなくなってしまうらしい。
どんなにつらくとも泣けなくなるし、何か欲しいということも感じなくなる。
いちばん困るのは、感情のこもった会話ができなくなること。だから、食卓を囲んで皆で仲よく会話する…なんて簡単なことが、できなくなる。
そういう子にとっては、皆で楽しく会話しながら食事するってことが、東大ストレートで合格するより、何十倍も難しいらしくて、痛々しいくらいガチガチに凍り付いて、何も話せなくなるんだって。
だから人には、冷たいだの、威張っているだのと、言われる。人の情が分からなくて、理屈っぽいと言われる。
でも、言葉にできないだけ、本人は気づかないだけで、感情はある。
苦労しているぶん、実は人より思いやりがあったり、繊細だったりする。
言葉でなく、行動でなら、そういうやさしい気持ちを表現できるけど、なかなか周囲には気づいてもらえなかったりする。
で、言葉に出して感情を発散できないから、どんどん無理がたまって、ストレスで体がやられちゃったりするけど、倒れてもつらいと言えなかったりする。
…うーん。なんか長々と力説してしまった。
でも、おじいちゃんによれば、そういう子の事情って、長々と説明しても、なかなか周囲には分かってもらえないみたいです。
で、私の言いたいのは。
正助君って…そういう子と同じで、自分の気持ちを言葉にする力が、どっかに消えちゃってるんじゃないか、と感じた。
ただの、カンだけど。
つらい目にあってきた子どもの中には、悲しいとか、しんどいとか、自分の感情を言葉にできなくなってしまう子がいるという。
意地を張って、わざと言わないとかじゃない。
自分の気持ちを話そうとすると、声が出なくなったり、気分が悪くなってしまったり、とにかくしゃべれなくなってしまうんだって。
例えば、「人を殴るのはよくないことだ」は言える。殴ってきた人の写真をたたくことはできる。
でも「殴られてつらかった」とは言えない。
つらかったと言おうと思っても、喉が締め付けられたようになって、声を絞り出そうとしても変な声しか出なくなる。
言おうと思うだけで、頭の中が混乱して、言葉をまとめることができなくなる。
ついには、言おうと思いつくことすらできなくなる。
そういう子をさらにそのまま放っておくと、自分には感情があることすら、気づかなくなってしまうらしい。
どんなにつらくとも泣けなくなるし、何か欲しいということも感じなくなる。
いちばん困るのは、感情のこもった会話ができなくなること。だから、食卓を囲んで皆で仲よく会話する…なんて簡単なことが、できなくなる。
そういう子にとっては、皆で楽しく会話しながら食事するってことが、東大ストレートで合格するより、何十倍も難しいらしくて、痛々しいくらいガチガチに凍り付いて、何も話せなくなるんだって。
だから人には、冷たいだの、威張っているだのと、言われる。人の情が分からなくて、理屈っぽいと言われる。
でも、言葉にできないだけ、本人は気づかないだけで、感情はある。
苦労しているぶん、実は人より思いやりがあったり、繊細だったりする。
言葉でなく、行動でなら、そういうやさしい気持ちを表現できるけど、なかなか周囲には気づいてもらえなかったりする。
で、言葉に出して感情を発散できないから、どんどん無理がたまって、ストレスで体がやられちゃったりするけど、倒れてもつらいと言えなかったりする。
…うーん。なんか長々と力説してしまった。
でも、おじいちゃんによれば、そういう子の事情って、長々と説明しても、なかなか周囲には分かってもらえないみたいです。
で、私の言いたいのは。
正助君って…そういう子と同じで、自分の気持ちを言葉にする力が、どっかに消えちゃってるんじゃないか、と感じた。
ただの、カンだけど。