その五 一週間後
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正直…なんかちょっと感動した。
平和を教える仕事かあ…。
私にしかできない仕事って…そこまで自分じゃ、絶対考えつかなかったよ。
なんかさ。
大久保さんって、私以上に、私のこと、見ててくれてる気がした。
もしかして、この人のそばにいると、自分の今まで気づかなかったところが見えてくるんじゃないかって、気がしてきた。
がんばってついて行ったら、なんか私、自分がなれると思っていなかったような、すごいことができるようになれるんじゃないかなって…。
ちょっと、そう思った。
大久保さんは、私がそんなことを考えてるとも知らず、龍馬さんの持ってきた箱の中身を、興味深げに覗き込んでいた。
「これは…?」
「石板じゃき。まあ、字を書いたり消したりするのに使うぜよ」
なんて、平和な会話をしている。
…と思ったら。
大久保さんが、何か、木でできた40cmくらいのポインターのようなものを取り出した。
「それは…教鞭かの」と龍馬さんが言う。
「ふん、要は鞭か」
「龍馬。大久保さんに凶器を渡すな」
「…あっ…」
大久保さんは、その教鞭とかいう細い木の棒が、何やらとっても気に入ったみたいで、ぺしぺしと振ってみた。
なんか嫌な予感。
「…小娘」
ほら、やっぱ矛先がこっちに来た。
大久保さんは、私が見ている絵本を、ぺしぺしと叩いて、にっこり笑った。
どうでもいいけど、その鞭、似合いすぎてて、怖いんですけど。
「この機会だ。ついでに、もっと英語を勉強しろ。まあ、日本語もだが。
それなりに頑張れば、私の秘書に取り立ててやらんでもないぞ」
「秘書じゃと?」
「考えたな…それなら、ゆうと四六時中いっしょにいられるわけだ」
「な…なんというおいしいことを…いかん、いかんぜよ」
と、横で二人がごちゃごちゃ言うのを、大久保さんは華麗にスルーした。
「どうだ、小娘。まあ、働きがよければ、そのうち、世界一周にでも、連れて行ってやってもいいぞ」
世界一周って…。
いくらなんでも、それは大きく出過ぎではないかと…。
ふふん、と大久保さんが笑う。
うーん…。
やっぱり、この人について行くのは…。
どっか、とんでもない方向に行きそうで、けっこう危ないかもしれない。
【Fin】
<2011/7/20>
平和を教える仕事かあ…。
私にしかできない仕事って…そこまで自分じゃ、絶対考えつかなかったよ。
なんかさ。
大久保さんって、私以上に、私のこと、見ててくれてる気がした。
もしかして、この人のそばにいると、自分の今まで気づかなかったところが見えてくるんじゃないかって、気がしてきた。
がんばってついて行ったら、なんか私、自分がなれると思っていなかったような、すごいことができるようになれるんじゃないかなって…。
ちょっと、そう思った。
大久保さんは、私がそんなことを考えてるとも知らず、龍馬さんの持ってきた箱の中身を、興味深げに覗き込んでいた。
「これは…?」
「石板じゃき。まあ、字を書いたり消したりするのに使うぜよ」
なんて、平和な会話をしている。
…と思ったら。
大久保さんが、何か、木でできた40cmくらいのポインターのようなものを取り出した。
「それは…教鞭かの」と龍馬さんが言う。
「ふん、要は鞭か」
「龍馬。大久保さんに凶器を渡すな」
「…あっ…」
大久保さんは、その教鞭とかいう細い木の棒が、何やらとっても気に入ったみたいで、ぺしぺしと振ってみた。
なんか嫌な予感。
「…小娘」
ほら、やっぱ矛先がこっちに来た。
大久保さんは、私が見ている絵本を、ぺしぺしと叩いて、にっこり笑った。
どうでもいいけど、その鞭、似合いすぎてて、怖いんですけど。
「この機会だ。ついでに、もっと英語を勉強しろ。まあ、日本語もだが。
それなりに頑張れば、私の秘書に取り立ててやらんでもないぞ」
「秘書じゃと?」
「考えたな…それなら、ゆうと四六時中いっしょにいられるわけだ」
「な…なんというおいしいことを…いかん、いかんぜよ」
と、横で二人がごちゃごちゃ言うのを、大久保さんは華麗にスルーした。
「どうだ、小娘。まあ、働きがよければ、そのうち、世界一周にでも、連れて行ってやってもいいぞ」
世界一周って…。
いくらなんでも、それは大きく出過ぎではないかと…。
ふふん、と大久保さんが笑う。
うーん…。
やっぱり、この人について行くのは…。
どっか、とんでもない方向に行きそうで、けっこう危ないかもしれない。
【Fin】
<2011/7/20>