その五 一週間後
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「この本で、大久保さん、英語のお勉強始めるんですか?」
と私は聞いた。
「そこまでの時間はない」
と大久保さんはあっさり否定した。
「その本を使うのは、お前だ。
それで平藩士どもに、英語を教えてやれ」
「えっ…?」
そ、そう来ましたか。
「で…でも、私、そんなに発音いいわけじゃないよ…。そりゃ、この絵本くらいならわかるけど…」
「お前に、イギリス人並みの英語など、はなから期待しとらん」
と、思い切り馬鹿にした顔をされた。
「本当に英語が必要な藩士には、留学させるなり、イギリス人教師をつけるなりしている。そこを気にする必要はない。
だいたい、京都に欧米人は入れんからな。英語を仕事で毎日使うような藩士は、長崎と横浜以外にはおらん」
わ…訳わかんないんですけど。
「私…じゃあ、何を期待されているんですか?」
「そうだな…」
大久保さんも、ちょっと説明に困ったような顔をした。
「小娘、今、その絵本を読むときに、何やら妙にうれしそうに、ころころ表情を変えていたろう?」
「そりゃ、こんなにかわいい本ですもん。絵もきれいで、このリンゴなんか本当に甘そうだし…」
「これはリンゴなのか?」と以蔵が言った。
「わしらも、さすがに生ものの商品は貿易できんからのう…。ほうか、西洋のリンゴは甘いんかのう」
「…へ?」
「今、日本にあるリンゴはまあ、こいつの半分以下の大きさで、渋くて酸っぱい」
と、大久保さんは解説した。
「その次の絵の小僧だが、こいつの着ている服の構造は我々にはよくわからんし、次に描いてあるものなど、まったく正体不明だ」
あ…そうか。
辞書で単語がわかっても、見たことない…ってパターンが、今の時代だと普通にあるんだ。
と私は聞いた。
「そこまでの時間はない」
と大久保さんはあっさり否定した。
「その本を使うのは、お前だ。
それで平藩士どもに、英語を教えてやれ」
「えっ…?」
そ、そう来ましたか。
「で…でも、私、そんなに発音いいわけじゃないよ…。そりゃ、この絵本くらいならわかるけど…」
「お前に、イギリス人並みの英語など、はなから期待しとらん」
と、思い切り馬鹿にした顔をされた。
「本当に英語が必要な藩士には、留学させるなり、イギリス人教師をつけるなりしている。そこを気にする必要はない。
だいたい、京都に欧米人は入れんからな。英語を仕事で毎日使うような藩士は、長崎と横浜以外にはおらん」
わ…訳わかんないんですけど。
「私…じゃあ、何を期待されているんですか?」
「そうだな…」
大久保さんも、ちょっと説明に困ったような顔をした。
「小娘、今、その絵本を読むときに、何やら妙にうれしそうに、ころころ表情を変えていたろう?」
「そりゃ、こんなにかわいい本ですもん。絵もきれいで、このリンゴなんか本当に甘そうだし…」
「これはリンゴなのか?」と以蔵が言った。
「わしらも、さすがに生ものの商品は貿易できんからのう…。ほうか、西洋のリンゴは甘いんかのう」
「…へ?」
「今、日本にあるリンゴはまあ、こいつの半分以下の大きさで、渋くて酸っぱい」
と、大久保さんは解説した。
「その次の絵の小僧だが、こいつの着ている服の構造は我々にはよくわからんし、次に描いてあるものなど、まったく正体不明だ」
あ…そうか。
辞書で単語がわかっても、見たことない…ってパターンが、今の時代だと普通にあるんだ。