その五 一週間後
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薄暗い光に浮かび上がった部屋の中には、そこらじゅうに、書類と本と…何かよくわからないけど資料っぽいものが、山積みになっていた。
畳の上には、そっけない白っぽい表紙の、こよりでつづった帳面みたいなものが、扇形に開いて、いくつも広げられている。
文机の上には、漆塗りのトレイみたいのに、手紙の束が山積みになってる。
机の反対側には、なんだかもうよくわかんない本の山や、紙綴りみたいのが、人の背の高さぐらいに積んである山が、いくつもある。
すぐそばの、たんすみたいな形の木の物入れの上には、ずいぶんとアンティークな地球儀とか、よくわかんない秤みたいなものがあるし。
棚の上には、すごくきれいな布を貼って装丁された、シリーズものの本みたいのが、きっちきちに詰め込まれてて、場所が足りないのか、本の上の隙間にもパンフレットみたいのが何冊も押し込まれてた。
そんな…まるで資料倉庫の中みたいな薄暗い部屋の中で…。
紙束や書類の山々のまん中に文机があって、そこにだけ、光が差し込んでた。
そしてその机の上に突っ伏して、大久保さんが眠っていた。
朝のシン、と静まり返った涼しい空気の中で…。
一筋だけ射し込んだ光に照らされて、ほんのわずか、小さなほこりだけが忙しくくるくると宙を動いていた。
なんか…つい…私は大久保さんの寝顔に見入ってしまいました。
こうやって、静かにしてると…けっこう整った…つか、すっごいきれいな顔立ちなんだよね、この人。
…しかし…素直な顔して寝てる…。別人みたい…。
なんか朝日にそこだけ照らされて、髪の毛が一本一本光って見える…。
けっこうまつ毛、長いんだなあ…。
ずいぶん気持ちよさそうに眠ってるけど…なんかまた、深夜まで仕事をしてたんだろうか。
何だか起こすのもったいないから、しばらく見ていようかな。
でも、こんなところで寝たら、疲れが取れないよね…。
とりあえず、私は、何かかけてあげようと考えた。
そうっと…部屋の中に入って、大久保さんに近づこうと思ったんだけど。
「きゃっ!」
足元が暗いものだから、床の上の資料を踏んづけて、滑ってしまった。
あわてて体勢を直そうとしたら、そばの書類の山に突っ込んじゃって。
じたばたして立ち上がりかけたところで、さらに転んで、ドシンとたんすにぶつかってしまった。
「あ…」
ばさばさばさっ、とすごい音を立てて、書類の山が大久保さんの上に倒れて行った。
大久保さんが、ぼーっとした顔で顔を上げかけた。
「なんだ…?」
その頭を、落ちてきた地球儀がゴン、と直撃した。
「いっ!」
畳の上には、そっけない白っぽい表紙の、こよりでつづった帳面みたいなものが、扇形に開いて、いくつも広げられている。
文机の上には、漆塗りのトレイみたいのに、手紙の束が山積みになってる。
机の反対側には、なんだかもうよくわかんない本の山や、紙綴りみたいのが、人の背の高さぐらいに積んである山が、いくつもある。
すぐそばの、たんすみたいな形の木の物入れの上には、ずいぶんとアンティークな地球儀とか、よくわかんない秤みたいなものがあるし。
棚の上には、すごくきれいな布を貼って装丁された、シリーズものの本みたいのが、きっちきちに詰め込まれてて、場所が足りないのか、本の上の隙間にもパンフレットみたいのが何冊も押し込まれてた。
そんな…まるで資料倉庫の中みたいな薄暗い部屋の中で…。
紙束や書類の山々のまん中に文机があって、そこにだけ、光が差し込んでた。
そしてその机の上に突っ伏して、大久保さんが眠っていた。
朝のシン、と静まり返った涼しい空気の中で…。
一筋だけ射し込んだ光に照らされて、ほんのわずか、小さなほこりだけが忙しくくるくると宙を動いていた。
なんか…つい…私は大久保さんの寝顔に見入ってしまいました。
こうやって、静かにしてると…けっこう整った…つか、すっごいきれいな顔立ちなんだよね、この人。
…しかし…素直な顔して寝てる…。別人みたい…。
なんか朝日にそこだけ照らされて、髪の毛が一本一本光って見える…。
けっこうまつ毛、長いんだなあ…。
ずいぶん気持ちよさそうに眠ってるけど…なんかまた、深夜まで仕事をしてたんだろうか。
何だか起こすのもったいないから、しばらく見ていようかな。
でも、こんなところで寝たら、疲れが取れないよね…。
とりあえず、私は、何かかけてあげようと考えた。
そうっと…部屋の中に入って、大久保さんに近づこうと思ったんだけど。
「きゃっ!」
足元が暗いものだから、床の上の資料を踏んづけて、滑ってしまった。
あわてて体勢を直そうとしたら、そばの書類の山に突っ込んじゃって。
じたばたして立ち上がりかけたところで、さらに転んで、ドシンとたんすにぶつかってしまった。
「あ…」
ばさばさばさっ、とすごい音を立てて、書類の山が大久保さんの上に倒れて行った。
大久保さんが、ぼーっとした顔で顔を上げかけた。
「なんだ…?」
その頭を、落ちてきた地球儀がゴン、と直撃した。
「いっ!」