その一 幕末初日
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それまで黙っていた桂さんが、なんだかすごく真面目な顔をして言った。
「薩摩藩は…この子の未来の知識を利用したい…ということではないんですね?」
大久保さんは、ふんっ、と鼻先で笑った。
「くだらん勘ぐりをするな。
この、見るからに脳みその足りない小娘に、役に立ちそうな未来の知識があるものか。
だいいち、桂君。
君は西洋の女に、蒸気機関の造り方を聞くか?聞かんだろう。
おなごなど、今も未来も同じようなものだ。くだらん噂話と食い物ぐらいにしか興味を持たん」
な、なんですか、その女性蔑視発言っ。なんか許せない…。
「そんなことないですっ。
未来じゃ、女性だってちゃんと男性と同じように…」
「では、そのお前の持っている筆だが…。
なにやら黒いものが入っているが、墨ではないな。
製法を説明してみろ」
へ?
そ…そう来ましたか…。
「え…えと…これは筆ではなくボールペンで…黒いのはインクと言って…」
「私は名など聞いていないぞ。
小娘、知識がないなら、最初から偉そうに立てつくんじゃない」
カチンときた。でも…くやしいけど、反論できないっ。
大久保さんは、私のそんな顔を、横目で面白がるように見てた。その顔を見ると、ますますくやしくなる。
なんでこの人、こういちいち言い方がイジワルなんだろ…。
あれ…?
言い方…?
そういえば…だけど…。
確かに言い方は憎々しいけどさ…。
長州藩邸や寺田屋だと危ないから、薩摩藩邸に来いとか…。
私が未来から来たってことを、利用する気はないとか…。
言ってる内容自体は、けっこうまとも…だよね…?
いやいや…。
私の内心を見透かしたように、大久保さんはまた、ふふん、と笑った。
「ふん、急におとなしくなったな、小娘。
光栄すぎて、言葉も出ないか。
まあ、この大久保利通が、じきじきに薩摩藩邸に来いと言っているんだ。
感に堪えず、言葉を失うのも無理はないな」
「え…えと…」
私は困ってしまった。
「すいません…。あの…今まで大久保さんの名前って、聞いたことなかったんですけど…。
そんなに、偉いんですか?」
あ…あれ…。
なんか、部屋中の空気が…凍りついちゃった…。
大久保さんを始め、なんか、皆して目を丸くして、まじまじとこっち見ちゃってくれてて…。
やっぱ、今の、思い切り、失言だったんだろうか…。
「聞いたことがない…だと?」
と、大久保さんは、とても信じられないという口調で言った。
「よくわからんが…こいつの脳みそは、私が思った以上に軽いらしい。
このままでは、普通に生きていくのも難しかろう。気は進まんが、藩邸で基本のしつけから叩き込んでやる」
きっ…基本のしつけって…ペットの調教師とかじゃないんですから。
大久保さんは、にんまり笑った。
お母さん…助けてください。
私はリード付きの首輪付けられて、どっかにさらわれて行きそうです。
「薩摩藩は…この子の未来の知識を利用したい…ということではないんですね?」
大久保さんは、ふんっ、と鼻先で笑った。
「くだらん勘ぐりをするな。
この、見るからに脳みその足りない小娘に、役に立ちそうな未来の知識があるものか。
だいいち、桂君。
君は西洋の女に、蒸気機関の造り方を聞くか?聞かんだろう。
おなごなど、今も未来も同じようなものだ。くだらん噂話と食い物ぐらいにしか興味を持たん」
な、なんですか、その女性蔑視発言っ。なんか許せない…。
「そんなことないですっ。
未来じゃ、女性だってちゃんと男性と同じように…」
「では、そのお前の持っている筆だが…。
なにやら黒いものが入っているが、墨ではないな。
製法を説明してみろ」
へ?
そ…そう来ましたか…。
「え…えと…これは筆ではなくボールペンで…黒いのはインクと言って…」
「私は名など聞いていないぞ。
小娘、知識がないなら、最初から偉そうに立てつくんじゃない」
カチンときた。でも…くやしいけど、反論できないっ。
大久保さんは、私のそんな顔を、横目で面白がるように見てた。その顔を見ると、ますますくやしくなる。
なんでこの人、こういちいち言い方がイジワルなんだろ…。
あれ…?
言い方…?
そういえば…だけど…。
確かに言い方は憎々しいけどさ…。
長州藩邸や寺田屋だと危ないから、薩摩藩邸に来いとか…。
私が未来から来たってことを、利用する気はないとか…。
言ってる内容自体は、けっこうまとも…だよね…?
いやいや…。
私の内心を見透かしたように、大久保さんはまた、ふふん、と笑った。
「ふん、急におとなしくなったな、小娘。
光栄すぎて、言葉も出ないか。
まあ、この大久保利通が、じきじきに薩摩藩邸に来いと言っているんだ。
感に堪えず、言葉を失うのも無理はないな」
「え…えと…」
私は困ってしまった。
「すいません…。あの…今まで大久保さんの名前って、聞いたことなかったんですけど…。
そんなに、偉いんですか?」
あ…あれ…。
なんか、部屋中の空気が…凍りついちゃった…。
大久保さんを始め、なんか、皆して目を丸くして、まじまじとこっち見ちゃってくれてて…。
やっぱ、今の、思い切り、失言だったんだろうか…。
「聞いたことがない…だと?」
と、大久保さんは、とても信じられないという口調で言った。
「よくわからんが…こいつの脳みそは、私が思った以上に軽いらしい。
このままでは、普通に生きていくのも難しかろう。気は進まんが、藩邸で基本のしつけから叩き込んでやる」
きっ…基本のしつけって…ペットの調教師とかじゃないんですから。
大久保さんは、にんまり笑った。
お母さん…助けてください。
私はリード付きの首輪付けられて、どっかにさらわれて行きそうです。