その二 薩摩藩邸二日目
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大久保さんは、それでもあきらめなかった。
キーホルダーの絵を部下に持たせて、神社の近所を聞き込みしてくれた。
でも、そんなものを見たことがあるって人は、ひとりもいなかった。
要するに。
未来へ戻る手がかりは、あっさり見つかって、あっさり使い物にならないことがわかった。
あとは、手がかりなし。
一切なし。
あまりの急展開すぎて…私は…どうしたらいいか、わからなくなった。
「役に立てなかったな。すまん…」
と大久保さんは、珍しくちょっとおろおろしながら謝ってくれたけど、大久保さんのせいじゃないし。
後に残ったのは、とってもシビアな現実。
未来へ戻る手段は…今のところ、ない。
私はとにかく、この時代で生き残ることを、真剣に考えないといけないってことだ。
「…でも、考えようによっては、いいのかもね。
変に希望を持たせられて、待たされて、やっぱりダメでしたって言うより。
こういうのは…早くわかった方が、よかったのかも」
と、私が言うと。
「変な気を使うな」
と大久保さんは怒ったように言った。
「…え?」
「その小さな頭を必死に使って、何やら悟りを開いたようなセリフを思いついたのかも知らんが。
いらん背伸びをして、身の丈に合わんことを言っていると、この先、腰を据えて物事に取り掛かれずに、こけるぞ。
それに、不運なんてものは、周囲に同情してもらえるのは、起きてすぐのうちだけだ。
泣くなり、落ち込むなりしたいなら、今のうちに存分にしておけ」
…なんだかよくわかんなかったけど。
心配してくれてるらしいのは、通じた。
そだね。
きっと、ここは泣いた方がいいのかもしんない。
でも、涙は出てこなかった。
大久保さんは私の頭を軽くぽんと叩いた。
「そのキーホルダーとやらの捜索は続ける。完全にはあきらめるな」
「そのキーホルダーとやらの捜索は続ける。完全にはあきらめるな」
うん…。
ありがたいな…と思ったけど。
必ず見つけるとは…言えないんだなということも、よくわかってしまった。
キーホルダーの絵を部下に持たせて、神社の近所を聞き込みしてくれた。
でも、そんなものを見たことがあるって人は、ひとりもいなかった。
要するに。
未来へ戻る手がかりは、あっさり見つかって、あっさり使い物にならないことがわかった。
あとは、手がかりなし。
一切なし。
あまりの急展開すぎて…私は…どうしたらいいか、わからなくなった。
「役に立てなかったな。すまん…」
と大久保さんは、珍しくちょっとおろおろしながら謝ってくれたけど、大久保さんのせいじゃないし。
後に残ったのは、とってもシビアな現実。
未来へ戻る手段は…今のところ、ない。
私はとにかく、この時代で生き残ることを、真剣に考えないといけないってことだ。
「…でも、考えようによっては、いいのかもね。
変に希望を持たせられて、待たされて、やっぱりダメでしたって言うより。
こういうのは…早くわかった方が、よかったのかも」
と、私が言うと。
「変な気を使うな」
と大久保さんは怒ったように言った。
「…え?」
「その小さな頭を必死に使って、何やら悟りを開いたようなセリフを思いついたのかも知らんが。
いらん背伸びをして、身の丈に合わんことを言っていると、この先、腰を据えて物事に取り掛かれずに、こけるぞ。
それに、不運なんてものは、周囲に同情してもらえるのは、起きてすぐのうちだけだ。
泣くなり、落ち込むなりしたいなら、今のうちに存分にしておけ」
…なんだかよくわかんなかったけど。
心配してくれてるらしいのは、通じた。
そだね。
きっと、ここは泣いた方がいいのかもしんない。
でも、涙は出てこなかった。
大久保さんは私の頭を軽くぽんと叩いた。
「そのキーホルダーとやらの捜索は続ける。完全にはあきらめるな」
「そのキーホルダーとやらの捜索は続ける。完全にはあきらめるな」
うん…。
ありがたいな…と思ったけど。
必ず見つけるとは…言えないんだなということも、よくわかってしまった。