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さらに、おまけのエピソード。
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≪藤娘≫

小娘「…ところで、お琴さん。着物の見立てのことなんですけど…」

お琴「なあに?」

小娘「なんかいつもどこかに藤が入ってるんですけど…。何でですか?」

お琴「そりゃ、そういうご注文だからそういう見立てにしてるんだけど…。いや?」

小娘「あ、いえ、藤はかわいいし、別に文句言ってるわけじゃないんですけど…。
そろそろ夏だし…季節外れじゃないですか?」

お琴「…それ、本気で言ってる?」

小娘「あ?私、また変なこと言いました?」

お琴「…(私って、結局、いつも解説役なのかしら)」

小娘「すみません。選んでもらってるのにケチとかつけちゃって…」

お琴「ああ～もう!藤って大久保さんの家紋でしょ?
あなたの着てるもののどこかに必ず藤の意匠がついてるのって、要するに『これは私のものだ』って意味に決まってるじゃない。気づきなさいよ」

小娘「ええーっ!!」

お琴「…(なぜそこで、真剣に驚くんだろう、この子)で、嫌なの?ならやめるけど」

小娘「(まっ赤になって、あわてまくる)えっ、あの、嫌とかそういうわけじゃ…」

お琴「(お茶をすする)はいはい。この鈍さと、通じた後の派手な反応が攻略意欲をそそるわけか」

小娘「え?」

お琴「…こっちの話」

【Fin】

<2011/7/12>