第十章 炎上
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そして私たちは、薩摩の陣営まで何とかたどり着くことができた。
あの神社と薩摩の陣営の間には、ちょっと前まで会津軍がいっぱいいたらしいけど…私たちが走って来た時には、ちらりとは何人かの兵士を見かけた程度で、物陰を移動する分には問題なかった。
大砲に加えて、西郷さんは、私たちの走って来そうな道に狙撃兵を隠れさせて、いざという時は援護射撃させるつもりだったらしいけど…。
結局、そういういざこざは特に起きないまま、無事に帰ることができた。
大久保さんの乗ってた馬は、大砲で逃げちゃってたけど、私たちより先に陣所に帰ってた。
大久保さんは、煤や土で汚れてしまった軍服を脱ぐと、平服に着替えて、御所に飛んでった。
後で聞いたけれど、本当は私を助けに行っている余裕などないくらい、切羽詰まってたみたい。
伏見で大砲の音が響いたのを聞いて、鳥羽の方でにらみ合っていた薩長軍と幕軍も、戦いを始めていた。
その後すぐ伏見でも、薩軍と新選組との戦いが始まった。
前に私が聞いていたとおり、薩長の方が新しい武器とかたくさん持ってて、そこは有利だったけど…。
幕府軍はもう圧倒的に人数が多かったから、勝つか負けるかはけっこうギリギリだったらしいです。
私は本陣に残って、けがをして運ばれてくる人たちの手当てをしたけど…本当にひどいけがばかりで…。
中には、頭が血だらけだったり、片足を切らないといけないような傷もあって…。
もうとにかく、見ていて気が遠くなりそうになる光景を、次々と見ることになってしまった。
藩ではすぐに英国海軍に軍医派遣を要請したらしいんだけど、何しろ当時の京都は外国人立ち入り禁止だ。
だから、戦の直後は、苦しんでうんうん言っている人たちに、全然たいしたことをしてあげられなくて…。
それでも、私にできるだけのことはしようと、歯を食いしばってがんばったけど…。
結局、本当に私って無力だな…と泣くしかない場面も、多かった。
それまで私は、戦って言葉を聞いてピンと来なくて、頭の中のイメージだけで考えていたけど…。
大久保さんが私に見せたくない、巻き込みたくないと言っていたのは、こういうことなんだな…とわかってきて…。
私、そんな気持ちもわかんないで、今までずいぶん考えなしなこと言ってたかも…と切なくなってしまった。
あの神社と薩摩の陣営の間には、ちょっと前まで会津軍がいっぱいいたらしいけど…私たちが走って来た時には、ちらりとは何人かの兵士を見かけた程度で、物陰を移動する分には問題なかった。
大砲に加えて、西郷さんは、私たちの走って来そうな道に狙撃兵を隠れさせて、いざという時は援護射撃させるつもりだったらしいけど…。
結局、そういういざこざは特に起きないまま、無事に帰ることができた。
大久保さんの乗ってた馬は、大砲で逃げちゃってたけど、私たちより先に陣所に帰ってた。
大久保さんは、煤や土で汚れてしまった軍服を脱ぐと、平服に着替えて、御所に飛んでった。
後で聞いたけれど、本当は私を助けに行っている余裕などないくらい、切羽詰まってたみたい。
伏見で大砲の音が響いたのを聞いて、鳥羽の方でにらみ合っていた薩長軍と幕軍も、戦いを始めていた。
その後すぐ伏見でも、薩軍と新選組との戦いが始まった。
前に私が聞いていたとおり、薩長の方が新しい武器とかたくさん持ってて、そこは有利だったけど…。
幕府軍はもう圧倒的に人数が多かったから、勝つか負けるかはけっこうギリギリだったらしいです。
私は本陣に残って、けがをして運ばれてくる人たちの手当てをしたけど…本当にひどいけがばかりで…。
中には、頭が血だらけだったり、片足を切らないといけないような傷もあって…。
もうとにかく、見ていて気が遠くなりそうになる光景を、次々と見ることになってしまった。
藩ではすぐに英国海軍に軍医派遣を要請したらしいんだけど、何しろ当時の京都は外国人立ち入り禁止だ。
だから、戦の直後は、苦しんでうんうん言っている人たちに、全然たいしたことをしてあげられなくて…。
それでも、私にできるだけのことはしようと、歯を食いしばってがんばったけど…。
結局、本当に私って無力だな…と泣くしかない場面も、多かった。
それまで私は、戦って言葉を聞いてピンと来なくて、頭の中のイメージだけで考えていたけど…。
大久保さんが私に見せたくない、巻き込みたくないと言っていたのは、こういうことなんだな…とわかってきて…。
私、そんな気持ちもわかんないで、今までずいぶん考えなしなこと言ってたかも…と切なくなってしまった。