第十章 炎上
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
はっ、と気づくと、目の前が明るかった。
目を覚ましたとたんに、けほけほと咳が出た。
く…苦しい…。
大久保さんが、少し心配そうな顔で私をのぞきこんでたけど…。
私が気づいたとわかった瞬間、いきなりおでこを指で弾かれた。
「いっ…痛ぁい…」
思わず、額を両手で押さえてしまう。
「この程度のことで、目を回すな。やわなやつだ」
「す…すみません…」
何もいきなり叩かなくても…。
あう…。
でも、なんか今の痛みで、頭がはっきりしました。
これって、抗議すべきなんでしょうか。感謝すべきなんでしょうか。
…とか、思ったけど。
なんだか大久保さんが黙ってしまったので、私は、顔を上げて大久保さんを見た。
大久保さんは、なんかすごく真剣な表情で、ひた、と前の方を…神社の拝殿があったあたりを、見つめていた。
そこには、もう、拝殿だったものの残骸しかなかった。
私は、思わずつぶやいた。
「…歴史が、変わった…」
「何だと?」
「ううん、何でもない」
私がこの幕末に再び飛んで来て、大久保さんが助けに来てくれて…。
たったそれだけのことで、いつの間にか、何かが変わったんだ。
カナコが言う「分岐点」が生まれて…大久保さんが移動したわけじゃないのに神社がない未来へ…。
つまり、私が最初来た未来でも、一度戻った先の未来でもない、もう一つの、新しい未来に、私は進もうとしてるんだ…。
「…これで…小娘は、未来に帰れんな」
と、大久保さんは言った。
あ…そうか。大久保さんは、地下のこと、知らないんだもんね。
でも、それは一生、黙ってよ。
高杉さん、教えてもらった嫁の心得は、しっかり守ります。
「それはそうと…私、まだ、小娘なんですね」
「当たり前だ」
と、大久保さんは言った。
「時の神か何かは知らんが…お前を、こんな戦のさなかに帰して寄こしおって…。
悪いが、な…。
今の私は理性のタガが吹っ飛ぶ寸前だ。
ここでお前を名前でなど呼んでみろ。
お前を、徹底的に蹂躙し尽くさねば気が済まんようになる」
「じゅうりん…ってなんですか」
「今は知らんでいい」
「何だかよくわかんないけど…別に、してもいいですよ」
「お前はっ」
あ…。
大久保さんに、にらまれてしまった…。
「お前には…何も考えずに軽はずみなことを言うなと、あれほど…」
「軽はずみじゃないです。
何だか分かんないけど…大久保さんが、私が傷つくようなこと、するわけないもん」
大久保さんが、不意打ちをくらったように、目を見開いた。
目を覚ましたとたんに、けほけほと咳が出た。
く…苦しい…。
大久保さんが、少し心配そうな顔で私をのぞきこんでたけど…。
私が気づいたとわかった瞬間、いきなりおでこを指で弾かれた。
「いっ…痛ぁい…」
思わず、額を両手で押さえてしまう。
「この程度のことで、目を回すな。やわなやつだ」
「す…すみません…」
何もいきなり叩かなくても…。
あう…。
でも、なんか今の痛みで、頭がはっきりしました。
これって、抗議すべきなんでしょうか。感謝すべきなんでしょうか。
…とか、思ったけど。
なんだか大久保さんが黙ってしまったので、私は、顔を上げて大久保さんを見た。
大久保さんは、なんかすごく真剣な表情で、ひた、と前の方を…神社の拝殿があったあたりを、見つめていた。
そこには、もう、拝殿だったものの残骸しかなかった。
私は、思わずつぶやいた。
「…歴史が、変わった…」
「何だと?」
「ううん、何でもない」
私がこの幕末に再び飛んで来て、大久保さんが助けに来てくれて…。
たったそれだけのことで、いつの間にか、何かが変わったんだ。
カナコが言う「分岐点」が生まれて…大久保さんが移動したわけじゃないのに神社がない未来へ…。
つまり、私が最初来た未来でも、一度戻った先の未来でもない、もう一つの、新しい未来に、私は進もうとしてるんだ…。
「…これで…小娘は、未来に帰れんな」
と、大久保さんは言った。
あ…そうか。大久保さんは、地下のこと、知らないんだもんね。
でも、それは一生、黙ってよ。
高杉さん、教えてもらった嫁の心得は、しっかり守ります。
「それはそうと…私、まだ、小娘なんですね」
「当たり前だ」
と、大久保さんは言った。
「時の神か何かは知らんが…お前を、こんな戦のさなかに帰して寄こしおって…。
悪いが、な…。
今の私は理性のタガが吹っ飛ぶ寸前だ。
ここでお前を名前でなど呼んでみろ。
お前を、徹底的に蹂躙し尽くさねば気が済まんようになる」
「じゅうりん…ってなんですか」
「今は知らんでいい」
「何だかよくわかんないけど…別に、してもいいですよ」
「お前はっ」
あ…。
大久保さんに、にらまれてしまった…。
「お前には…何も考えずに軽はずみなことを言うなと、あれほど…」
「軽はずみじゃないです。
何だか分かんないけど…大久保さんが、私が傷つくようなこと、するわけないもん」
大久保さんが、不意打ちをくらったように、目を見開いた。