第七章 小娘、遁走する
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私は、家出を計画することにした。
カナコを巻き込むのは嫌だったけど、どうしても一人じゃできなくて、結局頼ってしまった。
何しろ部屋から出してもらえないから、何かいろんなことを、カナコにメールで相談して、やってもらう羽目になっちゃった。
カナコとお金や物のやり取りができなかったから、カナコの大叔母様の資金に頼ることになっちゃったけど…。
カナコは大叔母様からだと言って、『明治になったら困っている人を全力で助けなさい、それが返済になります』ってメッセージを伝えてきた。
カナコにいろいろ動いてもらうのも心苦しいよって書いたら、カナコは
「あんたのために、いろいろ動きたいんだ、私も。
今からでもさ、いっぱい思い出、作らせてよ」
とレスしてきた。
なんか私…カナコの気持ちがすっごく嬉しかったけど…。
心配になって来ちゃった。
私がいなくなったら、カナコ、毎日泣いちゃうんじゃないだろうか。
大丈夫かな。
私はちょっと遠回しに聞いてみたけど…カナコは、私、そんなに弱虫じゃないから平気だよってしか答えてくれなかった。
それから何度か、その話を書いたけど、カナコは全部スルーして、そんなことより細かい打ち合わせをしようよって、毎回書いて来た。
あっちに飛んでく時の服装は、幕末から帰って来たときの着物にしたかったけど…、母さんがしまいこんじゃって、出せそうになかった。
行きがけに学校の倉庫にしのびこんで、あの牡丹の着物を持って行こうかと思ったけど、カナコはセーラー服の方がいいと書いて来た。
「よくわかんないけどさ。そもそも大久保さんがあんたを帰した理由って、誰かに狙われてたとか、そういうんでしょ?
誰に狙われてるとかわかんないけど。新選組とかかな?
だとしたらさ…いちばんありえる最悪パターンは、あんたが幕末に着いた途端、そいつらに見つかってさらわれるって展開だと思う。
この場合さ。あんたが幕末に来たこと、ふつうなら、大久保さんにはわかんないから、助けに来てもらえないわけじゃん?
でも、珍妙な格好のセーラー服を着てれば、伏見の町の人たちはあんただってすぐわかるから、薩摩藩邸に知らせに行く。
だから、そっちの方が安全だよ」
珍妙か…なんか今は、なつかしい響きだな。
しかしカナコ、頭いいなあ…って思わず感心してレスしたら、
「まね。おかげで苦労も多いけどさ」
…って返事が戻って来た。
短い文章だったけど…カナコの抱えてる悩みって、何なんだろうなって、思ってしまった。
同じ理由で、あっちに着いたら全速力で走んないといけなくなるかもしれないから、荷物はできるだけ軽くしようってことになった。
カナコは、あっちにない薬くらいは持って行けって言ったけど…そんなの言い出したらきりがないって私が言って、却下した。
歴史本とかも、どうせ未来は変わるかもしんないんだから、持ってくのはやめようってことにした。
私が、下着はいっぱい持って行きたいって言ったら、カナコにウケてしまった。
「ま、わかるわ。江戸時代の習慣って、下着をはかないってのがいちばん抵抗あるよね」
カナコは、勝負下着もいる?とか、ふざけていろいろ写メくれたけど、それも却下した。
カナコを巻き込むのは嫌だったけど、どうしても一人じゃできなくて、結局頼ってしまった。
何しろ部屋から出してもらえないから、何かいろんなことを、カナコにメールで相談して、やってもらう羽目になっちゃった。
カナコとお金や物のやり取りができなかったから、カナコの大叔母様の資金に頼ることになっちゃったけど…。
カナコは大叔母様からだと言って、『明治になったら困っている人を全力で助けなさい、それが返済になります』ってメッセージを伝えてきた。
カナコにいろいろ動いてもらうのも心苦しいよって書いたら、カナコは
「あんたのために、いろいろ動きたいんだ、私も。
今からでもさ、いっぱい思い出、作らせてよ」
とレスしてきた。
なんか私…カナコの気持ちがすっごく嬉しかったけど…。
心配になって来ちゃった。
私がいなくなったら、カナコ、毎日泣いちゃうんじゃないだろうか。
大丈夫かな。
私はちょっと遠回しに聞いてみたけど…カナコは、私、そんなに弱虫じゃないから平気だよってしか答えてくれなかった。
それから何度か、その話を書いたけど、カナコは全部スルーして、そんなことより細かい打ち合わせをしようよって、毎回書いて来た。
あっちに飛んでく時の服装は、幕末から帰って来たときの着物にしたかったけど…、母さんがしまいこんじゃって、出せそうになかった。
行きがけに学校の倉庫にしのびこんで、あの牡丹の着物を持って行こうかと思ったけど、カナコはセーラー服の方がいいと書いて来た。
「よくわかんないけどさ。そもそも大久保さんがあんたを帰した理由って、誰かに狙われてたとか、そういうんでしょ?
誰に狙われてるとかわかんないけど。新選組とかかな?
だとしたらさ…いちばんありえる最悪パターンは、あんたが幕末に着いた途端、そいつらに見つかってさらわれるって展開だと思う。
この場合さ。あんたが幕末に来たこと、ふつうなら、大久保さんにはわかんないから、助けに来てもらえないわけじゃん?
でも、珍妙な格好のセーラー服を着てれば、伏見の町の人たちはあんただってすぐわかるから、薩摩藩邸に知らせに行く。
だから、そっちの方が安全だよ」
珍妙か…なんか今は、なつかしい響きだな。
しかしカナコ、頭いいなあ…って思わず感心してレスしたら、
「まね。おかげで苦労も多いけどさ」
…って返事が戻って来た。
短い文章だったけど…カナコの抱えてる悩みって、何なんだろうなって、思ってしまった。
同じ理由で、あっちに着いたら全速力で走んないといけなくなるかもしれないから、荷物はできるだけ軽くしようってことになった。
カナコは、あっちにない薬くらいは持って行けって言ったけど…そんなの言い出したらきりがないって私が言って、却下した。
歴史本とかも、どうせ未来は変わるかもしんないんだから、持ってくのはやめようってことにした。
私が、下着はいっぱい持って行きたいって言ったら、カナコにウケてしまった。
「ま、わかるわ。江戸時代の習慣って、下着をはかないってのがいちばん抵抗あるよね」
カナコは、勝負下着もいる?とか、ふざけていろいろ写メくれたけど、それも却下した。