第六章 カナコ
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カナコは言った。
「とにかくさ…。
あんたが、例の神社のしめ縄をいじって幕末に飛んだ時も、その真下にあたる場所に、この地下の神社があったってことだよね。
しかも、どう考えても、ただの木造建築の神社より、こっちの方がなんか神秘のパワーとかあるっぽいじゃん。
よく知んないけどさ。
つまり、もともと、この真上の地上にあった神社のしめ縄をあんたがいじって、タイムスリップしたのだって…。
実は真下にあったこっちの神社に反応したとか…じゃないの?
だとすれば、こっちのしめ縄をいじったって、あんたはまた、幕末に飛べるってことだよね?」
「え…」
確かに…。
言われてみると…そういう気がするけど…。
ほんとに…?
信じられない…。
「何呆けてんのよ?」
と、カナコはがっかりしたように言った。
「私が、ここにあんたを連れて来るまで、どれだけ悩んだと思ってんのよ。
なんか、こう、苦労しがいがないじゃないさ…」
だって…。
なんかもう、嬉しいの通り越して…頭がマヒしてるよ…。
あ…だけど…。
「でも私、猫のキーホルダーがない…。失くしちゃった…」
「ああ、それなら大丈夫だよ」
と、カナコはそう言って卵型の岩の上に張られたしめ縄に触った。
…ずん!
地面がゆれた。
…え?
なんで…?
私はなんか混乱したけど…。
でも、本当に帰れるんだ…。
大久保さんに、会える…。
その時。
石柱の影になった少し暗い場所から、この場に似つかわしくないくらい涼やかな声がした。
「やれやれ。高杉に言われたでしょう。
こういう場所はいきなり入ると危ないものですよ。木の葉が腐って、有毒ガスがたまったり、酸素が無くなっていることがありますからね。
ずいぶんと冒険心の強い娘さんたちだ」
えっ…。
私は、声のした方にふり返った。
薄暗くて…気づかなかったけど…。
さっきから石の柱のひとつの陰に、人が立って、私たちを見ていたらしい。
その人が、壁をいじると、カチッという音がして、さらにいくつも設置されていたライトが光り、石の列柱を下から照らし出した。
そして、そこにはアンティークショップの店長さんが、前に会った時のようにひどく落ち着いたにこやかな微笑を浮かべながら、立っていた。
店長さんは、今日は藍色のスタンドカラーのシャツを着ていて、銀縁の眼鏡は胸ポケットに挿していた。
青白いLEDライトの光に照らされて、白い肌が余計に白く見えた。
「和田さん…?」
何で気づかなかったんだろう。
この人、桂さんにそっくりだ。
「とにかくさ…。
あんたが、例の神社のしめ縄をいじって幕末に飛んだ時も、その真下にあたる場所に、この地下の神社があったってことだよね。
しかも、どう考えても、ただの木造建築の神社より、こっちの方がなんか神秘のパワーとかあるっぽいじゃん。
よく知んないけどさ。
つまり、もともと、この真上の地上にあった神社のしめ縄をあんたがいじって、タイムスリップしたのだって…。
実は真下にあったこっちの神社に反応したとか…じゃないの?
だとすれば、こっちのしめ縄をいじったって、あんたはまた、幕末に飛べるってことだよね?」
「え…」
確かに…。
言われてみると…そういう気がするけど…。
ほんとに…?
信じられない…。
「何呆けてんのよ?」
と、カナコはがっかりしたように言った。
「私が、ここにあんたを連れて来るまで、どれだけ悩んだと思ってんのよ。
なんか、こう、苦労しがいがないじゃないさ…」
だって…。
なんかもう、嬉しいの通り越して…頭がマヒしてるよ…。
あ…だけど…。
「でも私、猫のキーホルダーがない…。失くしちゃった…」
「ああ、それなら大丈夫だよ」
と、カナコはそう言って卵型の岩の上に張られたしめ縄に触った。
…ずん!
地面がゆれた。
…え?
なんで…?
私はなんか混乱したけど…。
でも、本当に帰れるんだ…。
大久保さんに、会える…。
その時。
石柱の影になった少し暗い場所から、この場に似つかわしくないくらい涼やかな声がした。
「やれやれ。高杉に言われたでしょう。
こういう場所はいきなり入ると危ないものですよ。木の葉が腐って、有毒ガスがたまったり、酸素が無くなっていることがありますからね。
ずいぶんと冒険心の強い娘さんたちだ」
えっ…。
私は、声のした方にふり返った。
薄暗くて…気づかなかったけど…。
さっきから石の柱のひとつの陰に、人が立って、私たちを見ていたらしい。
その人が、壁をいじると、カチッという音がして、さらにいくつも設置されていたライトが光り、石の列柱を下から照らし出した。
そして、そこにはアンティークショップの店長さんが、前に会った時のようにひどく落ち着いたにこやかな微笑を浮かべながら、立っていた。
店長さんは、今日は藍色のスタンドカラーのシャツを着ていて、銀縁の眼鏡は胸ポケットに挿していた。
青白いLEDライトの光に照らされて、白い肌が余計に白く見えた。
「和田さん…?」
何で気づかなかったんだろう。
この人、桂さんにそっくりだ。