第六章 カナコ
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その、地下の通路は…最初は人ひとりが通れるくらいだったけど…。
中に入って行くと、どんどん広くなっていった。
奥に行くにしたがって、つんと、腐葉土みたいな匂いがした。
通路の土の床は、なんかものすごい下り坂になってて…ところどころ、階段っぽくなってて…。
足を滑らすとそのまま、下に向かって転げ落ちそうなぐらいの急こう配だった。
私達は、ところどころに備え付けられた暗いLEDライトの灯りをたよりに、おそるおそる下へ降りていったんだけど…。
足元は少し湿っていて、どこからか入り込んだ木の葉が、腐って積もっていて、とっても危なかった。
まわりの壁も、天然の洞窟でも利用したものなんだろうか、まっすぐした壁じゃなくて…。
すがり付こうにも、泥が一面に厚くこびりついていて、手をかけただけで、ぼろぼろ崩れてきた。
高所恐怖症とか、閉所恐怖症とかじゃなくてよかったよ…。
もしそうだったら…こんなとこ、絶対降りられない。
もう何メートル降りたんだろう…。
もうこれ以上、体力もたないよ…ってところで、通路は下向きから、水平方向に変わってた。
地下は…ひんやりして…どこからか、涼しい風が吹き込んでた。
ちょろちょろと脇を水が流れる音がして、その先は、岩盤を堀り抜いたみたいに、岩がむき出しになってて、さっきのように滑ることはなかった。
そして…。
「…わお」
とカナコが言った。
いきなり目の前が開けた。
小さな音楽ホールみたいに、天井が高くなって、ぽっかり広くなっている。
「何これ。もろ、古代遺跡じゃん」
その、広くなった空間のつきあたりには、大きな角ばった石の柱が、何本か半円形に並んでいた。
柱は、なんだか少しぶかっこうで、まちまちな形をしていて、いかにも自然の岩をどこかから運んで来て、適当に組み合わせたように見える。
石柱のいくつかには上に横に長い石がのっかってて…まるで鳥居みたいだった。
そして、その鳥居みたいな柱が、半円状にに囲んでいる岩壁の真ん中には…。
岩を大きく堀り抜いた横穴に、人間くらいの大きさの卵型の石をはめ込んだ祭壇みたいのがあって…まだ新しいしめ縄が飾ってあった。
その端っこは、誰か不器用な人が最近結び直したみたいで、紐がよじれてる。
「何、これ…」
なんか…すっごく古い、古代っぽい形式だけど…。
石でできた神社…だよね。これ。
「なんかこの列石…鳥居にも似てるけど、まるでストーンヘンジだね」
と、カナコも、興味津々って顔をして眺めてた。
「ま、とにかく…。こっちが例の神社の本体ってわけよ。
今までざっと歩いてきた感触だと…大久保さんが取りのけちゃった神社の拝殿のあった場所…つか、例のしめ縄のあった場所は、たぶんこの卵石の真上にあたるんじゃないかな」
そう言いながら、カナコは、いつの間にか自分のバッグから取り出した本みたいのを、懐中電灯で照らして見ていた。
「そか…」
と、言ってから、私は、ハッと気づいて、カナコの持っている本を見た。
「た…高杉さんの持ってた本!なんでカナコが持ってんのよっ!」
「そりゃ、高杉さんが桂さんに渡したからに決まってるじゃん。
でもこれ、複製だよ。本物は別の親戚が持ってるって聞いた」
うっく…。
だったら最初から見せてよ。
中に入って行くと、どんどん広くなっていった。
奥に行くにしたがって、つんと、腐葉土みたいな匂いがした。
通路の土の床は、なんかものすごい下り坂になってて…ところどころ、階段っぽくなってて…。
足を滑らすとそのまま、下に向かって転げ落ちそうなぐらいの急こう配だった。
私達は、ところどころに備え付けられた暗いLEDライトの灯りをたよりに、おそるおそる下へ降りていったんだけど…。
足元は少し湿っていて、どこからか入り込んだ木の葉が、腐って積もっていて、とっても危なかった。
まわりの壁も、天然の洞窟でも利用したものなんだろうか、まっすぐした壁じゃなくて…。
すがり付こうにも、泥が一面に厚くこびりついていて、手をかけただけで、ぼろぼろ崩れてきた。
高所恐怖症とか、閉所恐怖症とかじゃなくてよかったよ…。
もしそうだったら…こんなとこ、絶対降りられない。
もう何メートル降りたんだろう…。
もうこれ以上、体力もたないよ…ってところで、通路は下向きから、水平方向に変わってた。
地下は…ひんやりして…どこからか、涼しい風が吹き込んでた。
ちょろちょろと脇を水が流れる音がして、その先は、岩盤を堀り抜いたみたいに、岩がむき出しになってて、さっきのように滑ることはなかった。
そして…。
「…わお」
とカナコが言った。
いきなり目の前が開けた。
小さな音楽ホールみたいに、天井が高くなって、ぽっかり広くなっている。
「何これ。もろ、古代遺跡じゃん」
その、広くなった空間のつきあたりには、大きな角ばった石の柱が、何本か半円形に並んでいた。
柱は、なんだか少しぶかっこうで、まちまちな形をしていて、いかにも自然の岩をどこかから運んで来て、適当に組み合わせたように見える。
石柱のいくつかには上に横に長い石がのっかってて…まるで鳥居みたいだった。
そして、その鳥居みたいな柱が、半円状にに囲んでいる岩壁の真ん中には…。
岩を大きく堀り抜いた横穴に、人間くらいの大きさの卵型の石をはめ込んだ祭壇みたいのがあって…まだ新しいしめ縄が飾ってあった。
その端っこは、誰か不器用な人が最近結び直したみたいで、紐がよじれてる。
「何、これ…」
なんか…すっごく古い、古代っぽい形式だけど…。
石でできた神社…だよね。これ。
「なんかこの列石…鳥居にも似てるけど、まるでストーンヘンジだね」
と、カナコも、興味津々って顔をして眺めてた。
「ま、とにかく…。こっちが例の神社の本体ってわけよ。
今までざっと歩いてきた感触だと…大久保さんが取りのけちゃった神社の拝殿のあった場所…つか、例のしめ縄のあった場所は、たぶんこの卵石の真上にあたるんじゃないかな」
そう言いながら、カナコは、いつの間にか自分のバッグから取り出した本みたいのを、懐中電灯で照らして見ていた。
「そか…」
と、言ってから、私は、ハッと気づいて、カナコの持っている本を見た。
「た…高杉さんの持ってた本!なんでカナコが持ってんのよっ!」
「そりゃ、高杉さんが桂さんに渡したからに決まってるじゃん。
でもこれ、複製だよ。本物は別の親戚が持ってるって聞いた」
うっく…。
だったら最初から見せてよ。