第一章 それぞれの思惑
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
だけど、高杉さんは、
「ま、それはそれとして。…別にいいんだ。この古墳に今、入れなくとも」
と、いきなり話をぶった切った。
「とりあえず、今日は、ゆうと小五郎にこいつを見せたかっただけさ。
また、京に来れるかどうかわからんからな」
なんだか知らないけど、高杉さんは一人で勝手に納得して、これで目的を果たしたぞという顔をして、にこにこしている。
でも…私は、高杉さんが結局何を言いたかったのか、まったくわかんなかった。
神社の拝殿の地下に、古墳があったってことはすごいけど…。
やっぱ、だから何?って思うよね。
キーホルダーがみつかってない以上、未来に帰る手段はないんだし。
だいたい、あの地下の通路の石は、建設工事に使うような大きな機械がないと、簡単には除けられないよ?
「あの…」
私はおそるおそる聞いてみた。
「今の話って…未来に帰る手がかりができたって…話ですか?」
「いや」
あ…違うんだ。
「だいたい、ゆうは、未来に帰る気はないんだろう?」
と、高杉さんに反対に聞かれてしまった。
「え…」
高杉さんが、私をからかうような顔で、笑った。
「だいたい、今日、俺はなんて言った?…ゆうに大久保さんの嫁としての心得を伝授してやると言ったろう」
余計、わけわかんないよ。
「なんで…これが、嫁の心得になるんですか」
「そこまで教えてやっては、つまらん。だから、秘密だ。
…だが、まあ、ゆうには、大久保さんと仕事でやり合った経験が、俺ほどにはないってことだな。
あの人の、そのへんの性格を、まだつかみ切れていないわけだ」
何の話をしてんのか、全然わかんないです。
それから、急に、高杉さんは真面目な顔になった。
「いいか、ゆう、ひとつだけ約束しろ」
突然、すごい真剣な目で顔を覗きこまれて、私はあせった。
「は…はい…」
「大久保さんにはこのことは絶対に言うな。薩摩の他のやつに言ってもだめだぞ」
「…な…なんでですか?」
私は何が何やらわからなくて、また、桂さんの方を見た。
でも、今度は、桂さんは何かを考えるような表情をしていた。
「晋作、お前…まさか…」
「小五郎が集めている幕府方と各藩の動静の情報が正しければ…そのうち、俺の言ってる意味がわかるさ。
ま、わからない方がゆうには幸せなんだが…。
ま、小五郎には、分かったみたいだからな。困ったときは、こいつか、こいつの手の者を探せ」
「おい、いきなり私にすべてを振るのか?」
と、桂さんが文句を言った。
高杉さんは、ふいと表情を陰らせて、ため息をついた。
「本当は、俺が最後まで面倒を見てやりたいが、残念ながら、時間がない。
まあ、ゆうに会うのも、これが最後かも知れないからな。
今日言ったことは、ちゃんと覚えておけ。で…幸せになれよ」
「うん…」
なんか、とってもいろいろ考えて、言ってくれてるっぽいことは分かったけど…でもやっぱり、何のことかは全然わからなかった。
「ま、それはそれとして。…別にいいんだ。この古墳に今、入れなくとも」
と、いきなり話をぶった切った。
「とりあえず、今日は、ゆうと小五郎にこいつを見せたかっただけさ。
また、京に来れるかどうかわからんからな」
なんだか知らないけど、高杉さんは一人で勝手に納得して、これで目的を果たしたぞという顔をして、にこにこしている。
でも…私は、高杉さんが結局何を言いたかったのか、まったくわかんなかった。
神社の拝殿の地下に、古墳があったってことはすごいけど…。
やっぱ、だから何?って思うよね。
キーホルダーがみつかってない以上、未来に帰る手段はないんだし。
だいたい、あの地下の通路の石は、建設工事に使うような大きな機械がないと、簡単には除けられないよ?
「あの…」
私はおそるおそる聞いてみた。
「今の話って…未来に帰る手がかりができたって…話ですか?」
「いや」
あ…違うんだ。
「だいたい、ゆうは、未来に帰る気はないんだろう?」
と、高杉さんに反対に聞かれてしまった。
「え…」
高杉さんが、私をからかうような顔で、笑った。
「だいたい、今日、俺はなんて言った?…ゆうに大久保さんの嫁としての心得を伝授してやると言ったろう」
余計、わけわかんないよ。
「なんで…これが、嫁の心得になるんですか」
「そこまで教えてやっては、つまらん。だから、秘密だ。
…だが、まあ、ゆうには、大久保さんと仕事でやり合った経験が、俺ほどにはないってことだな。
あの人の、そのへんの性格を、まだつかみ切れていないわけだ」
何の話をしてんのか、全然わかんないです。
それから、急に、高杉さんは真面目な顔になった。
「いいか、ゆう、ひとつだけ約束しろ」
突然、すごい真剣な目で顔を覗きこまれて、私はあせった。
「は…はい…」
「大久保さんにはこのことは絶対に言うな。薩摩の他のやつに言ってもだめだぞ」
「…な…なんでですか?」
私は何が何やらわからなくて、また、桂さんの方を見た。
でも、今度は、桂さんは何かを考えるような表情をしていた。
「晋作、お前…まさか…」
「小五郎が集めている幕府方と各藩の動静の情報が正しければ…そのうち、俺の言ってる意味がわかるさ。
ま、わからない方がゆうには幸せなんだが…。
ま、小五郎には、分かったみたいだからな。困ったときは、こいつか、こいつの手の者を探せ」
「おい、いきなり私にすべてを振るのか?」
と、桂さんが文句を言った。
高杉さんは、ふいと表情を陰らせて、ため息をついた。
「本当は、俺が最後まで面倒を見てやりたいが、残念ながら、時間がない。
まあ、ゆうに会うのも、これが最後かも知れないからな。
今日言ったことは、ちゃんと覚えておけ。で…幸せになれよ」
「うん…」
なんか、とってもいろいろ考えて、言ってくれてるっぽいことは分かったけど…でもやっぱり、何のことかは全然わからなかった。