第四章 東京
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それから一週間、こんどはカナコが学校を休んだ。
なんか、山口の大叔母様んとこに行くとか、わけのわかんない伝言を残していった。
担任の先生も面食らったみたいで、
「そういうときは嘘でもいいから、忌引きだと言っておけばいいのに。何をしてるんだ、あいつは」
と、教師らしくない発言をしてた。
カナコが留守の間、何でか知らないけど、書道部のスズミが、私にやたらと話しかけてくるようになった。
話題はいつも、うちの高校の七不思議の話。
ま、どんな高校だって七不思議くらいあるけどね。
雨の日に階段が一段増えるとか、七不思議をすべて知った子は死ぬとか、そんなちゃちなやつ。
ただ、スズミの聞き出してきた話は、もちょっと念が入ってた。
スズミの親もうちの高校だったとかで、何十年も前の卒業生にまで聞いたって言うから、なんか笑っちゃう。
なんか、私もだんだん面白くなってきて、つい、真面目に七不思議の話を聞いてしまった。
スズミも、嫌味のつもりで言ってた相手に、よく調べたねって褒められて、何か面食らったらしいけど。
でも、スズミの話を聞いてたら、なんで彼女がこだわるか…ちょっとだけ、わかった。
確かに、七不思議の主役は、女子剣道部だった。
で、確かにうちの高校って、女子剣道部だけ特別扱いって言うか、学校の援助が手厚いことは事実なんだよね。
私もまあ、剣道が出来るってんで優遇してもらってなかったら、受験パスしなかったと思うし。
だからまあ、書道部のホープのスズミとしては、面白くないらしい。
スズミから聞いた七不思議には、女子剣道部の合宿は毎年京都ってのも入ってたので、笑っちゃった。
そりゃまあ、不思議だけどね。
あと、杉浦ゆうって名前の女の子は、絶対に受験に落ちないとかいうのもあった。
何それって思ったけど、スズミは、昭和からあるのよ、あんたが来てからできたんじゃないのよと、一生懸命主張してた。
嘘っぽいっつーの。
他に、女子剣道部の部室の真裏にある開かずの土蔵の前を、5月に通ると、後ろから誰かに怒鳴りつけられるけど、振り返ると誰もいないとか。
創立当時の女子剣道部の顧問は、昔たくさん人を斬った男で、夜になると肩のあたりに白い光が浮いてたとか。
おっと…これで6つだよね。もう一個を知ると死んじゃうらしいから、ここでおしまい。
で、この七不思議の中で、スズミが一番興味を持ってるのが、女子剣道部の部室の真裏にある開かずの土蔵ってやつだった。
なんでも、その土蔵には幽霊が住んでるとかで、女子剣道部のエースの女の子を見守ってて、彼女がおがむと、試合に勝てるらしい。
なんか似た話で、オペラ座のなんとかってなかったっけ?
今まで、スズミとここまで話したことなかったけどさ。
面白すぎるよ、この子。
スズミは、開かずの土蔵のカギを絶対に手に入れると意気込んでいたので、はいはいと適当に返事をしておいた。
「カギが見つかったら、杉浦さんも探検を手伝ってね」と、スズミは言った。
「別に…かまわないけど…」
まあ、土蔵の中って見たことないから、いいよ、付き合っても。
「ほんと?うれしい」と、小躍りするスズミ。変なやつ。「あと、木戸さんもね」
「カナコ?ま…声をかけてはみるけどさ」
カナコ、付き合うって言うかなあ…。スズミのこと、大っ嫌いっぽいからなあ…。
なんか、山口の大叔母様んとこに行くとか、わけのわかんない伝言を残していった。
担任の先生も面食らったみたいで、
「そういうときは嘘でもいいから、忌引きだと言っておけばいいのに。何をしてるんだ、あいつは」
と、教師らしくない発言をしてた。
カナコが留守の間、何でか知らないけど、書道部のスズミが、私にやたらと話しかけてくるようになった。
話題はいつも、うちの高校の七不思議の話。
ま、どんな高校だって七不思議くらいあるけどね。
雨の日に階段が一段増えるとか、七不思議をすべて知った子は死ぬとか、そんなちゃちなやつ。
ただ、スズミの聞き出してきた話は、もちょっと念が入ってた。
スズミの親もうちの高校だったとかで、何十年も前の卒業生にまで聞いたって言うから、なんか笑っちゃう。
なんか、私もだんだん面白くなってきて、つい、真面目に七不思議の話を聞いてしまった。
スズミも、嫌味のつもりで言ってた相手に、よく調べたねって褒められて、何か面食らったらしいけど。
でも、スズミの話を聞いてたら、なんで彼女がこだわるか…ちょっとだけ、わかった。
確かに、七不思議の主役は、女子剣道部だった。
で、確かにうちの高校って、女子剣道部だけ特別扱いって言うか、学校の援助が手厚いことは事実なんだよね。
私もまあ、剣道が出来るってんで優遇してもらってなかったら、受験パスしなかったと思うし。
だからまあ、書道部のホープのスズミとしては、面白くないらしい。
スズミから聞いた七不思議には、女子剣道部の合宿は毎年京都ってのも入ってたので、笑っちゃった。
そりゃまあ、不思議だけどね。
あと、杉浦ゆうって名前の女の子は、絶対に受験に落ちないとかいうのもあった。
何それって思ったけど、スズミは、昭和からあるのよ、あんたが来てからできたんじゃないのよと、一生懸命主張してた。
嘘っぽいっつーの。
他に、女子剣道部の部室の真裏にある開かずの土蔵の前を、5月に通ると、後ろから誰かに怒鳴りつけられるけど、振り返ると誰もいないとか。
創立当時の女子剣道部の顧問は、昔たくさん人を斬った男で、夜になると肩のあたりに白い光が浮いてたとか。
おっと…これで6つだよね。もう一個を知ると死んじゃうらしいから、ここでおしまい。
で、この七不思議の中で、スズミが一番興味を持ってるのが、女子剣道部の部室の真裏にある開かずの土蔵ってやつだった。
なんでも、その土蔵には幽霊が住んでるとかで、女子剣道部のエースの女の子を見守ってて、彼女がおがむと、試合に勝てるらしい。
なんか似た話で、オペラ座のなんとかってなかったっけ?
今まで、スズミとここまで話したことなかったけどさ。
面白すぎるよ、この子。
スズミは、開かずの土蔵のカギを絶対に手に入れると意気込んでいたので、はいはいと適当に返事をしておいた。
「カギが見つかったら、杉浦さんも探検を手伝ってね」と、スズミは言った。
「別に…かまわないけど…」
まあ、土蔵の中って見たことないから、いいよ、付き合っても。
「ほんと?うれしい」と、小躍りするスズミ。変なやつ。「あと、木戸さんもね」
「カナコ?ま…声をかけてはみるけどさ」
カナコ、付き合うって言うかなあ…。スズミのこと、大っ嫌いっぽいからなあ…。