第一章 それぞれの思惑
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桂さんは、ちょっと真剣になったけど、まだ半信半疑という顔をしていた。
「晋作…この本には、妙な図面も載っているが…これは何だ?」
私も、桂さんの横からその本をのぞいてみた。
なんか、石の柱や燈籠とか、拝殿の絵の周りに、いろんな種類の点線や、丸や三角が描き込んである。
「ああ。たぶん、この境内の地図じゃないかと思うんだが…」
「確かに石柱や燈籠や拝殿の配置は同じだが…書き込まれている線の意味がわからないぞ。何もないじゃないか」
「ああ、点線の場所は、ただの地面で、何もないな…。だが、丸印の示してるのは…たぶん、こいつだ…」
高杉さんは、神社の中央の建物から少し離れたところにある古い小さな木の祠を、すごく熱心に眺めていた。
それはとても古いもので、みかん箱くらいの大きさの建物の中は空になっていて、何も無かった。
で、高杉さんはいきなり、その祠を勢いよく蹴っ飛ばした!
「えっ?ちょっ、ちょっと」
「こら、晋作!罰当たりな…!」
私と桂さんは、思わず高杉さんを止めに走り寄ったんだけど…。
古い祠は、ものの見事にひっくり返っていた。
そして…その下からは、何か古い石組みが隠れているのが、見えていた。
ふたつの大きな石が、地面を覆う大きなふたみたいに置かれている。
で、その隙間から、数センチぐらいだけ地下の空洞がのぞいていた。けっこう深いみたいだ
「見ろよ」
と、高杉さんに言われて覗くと、石のふたの上には、見覚えのある模様が刻み込まれていた。
「これ…このシルエット…なくした猫のキーホルダーそっくり…」
「猫…ですか?」桂さんが不思議そうに言う。「こうやって輪郭だけ見ると、二本脚で立つ猫というより…頭に尖ったものがふたつ生えている異形の人間のようだ…」
「え…?」
そういう考え方、したことがなかった。
確かに、あのキーホルダーの猫はマンガっぽい形だったから、輪郭だけなぞると、猫というより、なんか宇宙人っぽい感じではあったけど…。
いやいや。
それは、発想が飛びすぎでしょう。
私がそんなことを考えている間に、高杉さんと桂さんは、その猫に似た刻み目の模様に指をひっかけて、石のふたを開けていた。
やっぱ、男の人って力あるなあ…。
石のふたの下には、地下に続く大きな穴がぽっかりと開いていた。
入口は、せいぜい人ひとりが無理やり潜り込める大きさだけど、中はかなり広くなっている感じだ。
「…何だ、この石室は…?」と、桂さんは穴を覗き込みながら、あっけにとられている。
高杉さんはふふんと得意そうに笑った。
「奈良時代よりさらに古いな…何かの古墳らしいぜ」
と、覗き込む。
「ゆう、小五郎、こういう穴にはいきなり入るなよ。しばらく風を通してからでないと、危ないからな」
そうなんだ。確かに、なんか空気が薄そうだ。湿った落ち葉のにおいがする。
「ああ。だいたい…落盤がひどくて、降りてもその先には行けそうにないな…」
と、桂さんが言った。
穴は、5mくらい地下に降りたところで、通路のようなものとつながっている感じだったけど、その通路の先は、天井が崩れていて、たくさんの大きな石でふさがっていた。
「まあな。図面によれば、落盤している先の通路は、たぶん、あっちの拝殿の地下にまで続いているようだな」
と、高杉さんは、地上の、拝殿の建物を指さした。
「で、例のしめ縄のあるあたりの、ちょうど真下の地中に、この古墳の中心部があるらしいってわけだ。
そのへんには、何やらたくさん三角が書き込んであるが、こいつがきっと、『たいむすりっぷ』とやらの謎の本体と見た。俺のカンだがな」
ほええ…。
なんすか、それ。
まさか、宇宙人の残した古代遺跡とかゆーアヤシイ話になっていくのだろうか…?
「晋作…この本には、妙な図面も載っているが…これは何だ?」
私も、桂さんの横からその本をのぞいてみた。
なんか、石の柱や燈籠とか、拝殿の絵の周りに、いろんな種類の点線や、丸や三角が描き込んである。
「ああ。たぶん、この境内の地図じゃないかと思うんだが…」
「確かに石柱や燈籠や拝殿の配置は同じだが…書き込まれている線の意味がわからないぞ。何もないじゃないか」
「ああ、点線の場所は、ただの地面で、何もないな…。だが、丸印の示してるのは…たぶん、こいつだ…」
高杉さんは、神社の中央の建物から少し離れたところにある古い小さな木の祠を、すごく熱心に眺めていた。
それはとても古いもので、みかん箱くらいの大きさの建物の中は空になっていて、何も無かった。
で、高杉さんはいきなり、その祠を勢いよく蹴っ飛ばした!
「えっ?ちょっ、ちょっと」
「こら、晋作!罰当たりな…!」
私と桂さんは、思わず高杉さんを止めに走り寄ったんだけど…。
古い祠は、ものの見事にひっくり返っていた。
そして…その下からは、何か古い石組みが隠れているのが、見えていた。
ふたつの大きな石が、地面を覆う大きなふたみたいに置かれている。
で、その隙間から、数センチぐらいだけ地下の空洞がのぞいていた。けっこう深いみたいだ
「見ろよ」
と、高杉さんに言われて覗くと、石のふたの上には、見覚えのある模様が刻み込まれていた。
「これ…このシルエット…なくした猫のキーホルダーそっくり…」
「猫…ですか?」桂さんが不思議そうに言う。「こうやって輪郭だけ見ると、二本脚で立つ猫というより…頭に尖ったものがふたつ生えている異形の人間のようだ…」
「え…?」
そういう考え方、したことがなかった。
確かに、あのキーホルダーの猫はマンガっぽい形だったから、輪郭だけなぞると、猫というより、なんか宇宙人っぽい感じではあったけど…。
いやいや。
それは、発想が飛びすぎでしょう。
私がそんなことを考えている間に、高杉さんと桂さんは、その猫に似た刻み目の模様に指をひっかけて、石のふたを開けていた。
やっぱ、男の人って力あるなあ…。
石のふたの下には、地下に続く大きな穴がぽっかりと開いていた。
入口は、せいぜい人ひとりが無理やり潜り込める大きさだけど、中はかなり広くなっている感じだ。
「…何だ、この石室は…?」と、桂さんは穴を覗き込みながら、あっけにとられている。
高杉さんはふふんと得意そうに笑った。
「奈良時代よりさらに古いな…何かの古墳らしいぜ」
と、覗き込む。
「ゆう、小五郎、こういう穴にはいきなり入るなよ。しばらく風を通してからでないと、危ないからな」
そうなんだ。確かに、なんか空気が薄そうだ。湿った落ち葉のにおいがする。
「ああ。だいたい…落盤がひどくて、降りてもその先には行けそうにないな…」
と、桂さんが言った。
穴は、5mくらい地下に降りたところで、通路のようなものとつながっている感じだったけど、その通路の先は、天井が崩れていて、たくさんの大きな石でふさがっていた。
「まあな。図面によれば、落盤している先の通路は、たぶん、あっちの拝殿の地下にまで続いているようだな」
と、高杉さんは、地上の、拝殿の建物を指さした。
「で、例のしめ縄のあるあたりの、ちょうど真下の地中に、この古墳の中心部があるらしいってわけだ。
そのへんには、何やらたくさん三角が書き込んであるが、こいつがきっと、『たいむすりっぷ』とやらの謎の本体と見た。俺のカンだがな」
ほええ…。
なんすか、それ。
まさか、宇宙人の残した古代遺跡とかゆーアヤシイ話になっていくのだろうか…?