第四章 東京
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カナコが、ちょっと思わせぶりな発言をした理由は、登校した初日にわかった。
私の失踪した騒ぎって、校内中の噂になってたみたい。
ま、そうだよなあ…。
ただ、公安の人が疑ったみたいに、どっかの国に拉致されかけたんじゃ…って考えてる子は少ないみたいだった。
それより、もちょっと世間一般っぽい発想。
女子高生が、一目のない雑木林の前で消えて。
帰って来たら、下着から全部、違う服装になってて。
着てた服は、すっごい凝った…つまり、かなり趣味に走ったっぽい取り合わせだった。
で、帰って来た女子高生は、意識のない間、ずっと「やめて」って繰り返してて。
目が覚めても泣くばかりで、消えてた間のことは一切言おうとしなかった。
…ぶっちゃけ…確かに性犯罪っぽい響きはしますね。
一応、クラスの子とかには違うっては言ったんだけどさ。
じゃあ説明してよと言われて、困っちゃったら…なんか、すっごく同情したような態度を取られてしまった。
あれは、信じてない…かも。たぶん。
それになんか、おじいちゃんと同じく、いろんな人に、前と印象が変わったって言われてさ。
まあ、こっちでは消えたの三日だったけど、向こうでは何か月もいたわけで。
そりゃ、印象は多少大人びるよね。
でも、その辺も別の意味に取られたっぽい。
「だっからさあ…女子剣道部って変なのよ。
ふつう、他の部活の合宿って言ったら、千葉か神奈川なのにさ。
京都なんて贅沢するから、場末の治安の悪い場所に生徒を一人だけで歩かせることになっちゃったんじゃないの?」
なんて、声高に噂してる子までいた。
カナコがふっ飛んで来て、文句を言った。
「何よ、あんた。ゆうのことで変な噂流すと、承知しないわよっ」
「はあ?」
と、その子…書道部のスズミって子は、あきれた顔をした。
「私、杉浦さんの悪口なんて言ってないわよ。この学校の女子剣道部って変じゃないって言ったの。
杉浦さんって、どちらかというと被害者よね」
「どっちにしたって、今度のことで変な噂を流さないでよっ」
「別に今度のことじゃないわよ。
女子剣道部って、昔っから、うちの高校の七不思議の主役張ってるじゃない」
と、スズミは、いくらカナコが怒っても、まったく気にしてないふうだった。
元々、書道部と剣道部って、体育館の場所取りとか、いろいろ対立してて、あんま仲がよくなかったんだよね。
「カナコ…別にいいよ、そんな怒んなくても」
と、私は思わず、止めてしまった。
なんでだろな。
前だったら、そんな噂流されてたら、もう、学校に行きたくないって、泣いて大騒ぎしたと思うのに…。
ああ…そうか。
私は、ちょっと思い当った。
幕末に会った人たちの方が、よっぽど過酷な目にあってるもんね。
なんか、クラスの噂がどうこうとか、気にすんのバカバカしくなってた。
私の失踪した騒ぎって、校内中の噂になってたみたい。
ま、そうだよなあ…。
ただ、公安の人が疑ったみたいに、どっかの国に拉致されかけたんじゃ…って考えてる子は少ないみたいだった。
それより、もちょっと世間一般っぽい発想。
女子高生が、一目のない雑木林の前で消えて。
帰って来たら、下着から全部、違う服装になってて。
着てた服は、すっごい凝った…つまり、かなり趣味に走ったっぽい取り合わせだった。
で、帰って来た女子高生は、意識のない間、ずっと「やめて」って繰り返してて。
目が覚めても泣くばかりで、消えてた間のことは一切言おうとしなかった。
…ぶっちゃけ…確かに性犯罪っぽい響きはしますね。
一応、クラスの子とかには違うっては言ったんだけどさ。
じゃあ説明してよと言われて、困っちゃったら…なんか、すっごく同情したような態度を取られてしまった。
あれは、信じてない…かも。たぶん。
それになんか、おじいちゃんと同じく、いろんな人に、前と印象が変わったって言われてさ。
まあ、こっちでは消えたの三日だったけど、向こうでは何か月もいたわけで。
そりゃ、印象は多少大人びるよね。
でも、その辺も別の意味に取られたっぽい。
「だっからさあ…女子剣道部って変なのよ。
ふつう、他の部活の合宿って言ったら、千葉か神奈川なのにさ。
京都なんて贅沢するから、場末の治安の悪い場所に生徒を一人だけで歩かせることになっちゃったんじゃないの?」
なんて、声高に噂してる子までいた。
カナコがふっ飛んで来て、文句を言った。
「何よ、あんた。ゆうのことで変な噂流すと、承知しないわよっ」
「はあ?」
と、その子…書道部のスズミって子は、あきれた顔をした。
「私、杉浦さんの悪口なんて言ってないわよ。この学校の女子剣道部って変じゃないって言ったの。
杉浦さんって、どちらかというと被害者よね」
「どっちにしたって、今度のことで変な噂を流さないでよっ」
「別に今度のことじゃないわよ。
女子剣道部って、昔っから、うちの高校の七不思議の主役張ってるじゃない」
と、スズミは、いくらカナコが怒っても、まったく気にしてないふうだった。
元々、書道部と剣道部って、体育館の場所取りとか、いろいろ対立してて、あんま仲がよくなかったんだよね。
「カナコ…別にいいよ、そんな怒んなくても」
と、私は思わず、止めてしまった。
なんでだろな。
前だったら、そんな噂流されてたら、もう、学校に行きたくないって、泣いて大騒ぎしたと思うのに…。
ああ…そうか。
私は、ちょっと思い当った。
幕末に会った人たちの方が、よっぽど過酷な目にあってるもんね。
なんか、クラスの噂がどうこうとか、気にすんのバカバカしくなってた。