第三章 ストーリーテラー
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そして、手紙の後半は、こうなってた。
『できれば、こんなことはしたくなかった。
お前を守る望みがわずかでもあったのなら、この身はどうなろうとお前を手放すことは無かったろう。
私は、つくづく思い知らされた。
事情を知らぬ者がいかに私をもてはやそうと、私自身は所詮、成り上がり者にすぎぬ。
わずかな足がかりを頼りに必死に背伸びしてきただけの人間だ。足元をすくわれて倒れれば、惚れた女一人を守ることもできない。
そして、お前を傷つける結果になってしまった。
悔やんでも悔やみ切れない。
許せとは言わない。私自身が、自分を許せぬのだから。
だが、ゆうには、幸せになってほしい。
お前は、それだけの価値のある女だ。
何しろ、この私が惚れた最高の女だ。それを忘れるな。
情けない話だが、今はこの写真でしかお前に会えぬのは、辛くてたまらん。
私にはやはりお前以外の女は考えられぬ。
だが、心配なのは、お前には妙に義理堅いところがあることだ。
私に義理立てしようなどとは、決して思うな。
今のお前にとって、私はただ、昔生きていた人間のひとりにすぎぬ。
お前の時代を、一緒に生きる人間を見つけて、幸せに暮らせ。
どんな形になるにせよ、お前が幸せになることが、私の遺志だ。それを忘れるな。
私のことなら大丈夫だ。
お前は何かというと、煙草は健康によくないから止めろと騒いでいたな。
別にそれに従ったわけではないが、脇でぎゃあぎゃあ言う人間がいなくなると、どうもつまらん気がして近頃ではたしなむ量もめっきり減った。
それでもまあ、お前のことだから、すっぱり完全に止めろとしつこく言うだろうが…。
その辺は大目に見ろ。
煙草を止める決意をするのは、喫まんやつが傍で想像するよりも、存外、難しいものだ。
煙草に比べれば、お前のことを忘れようと決意することの方が、はるかに簡単だ。
そんなもの、特に意識せんでも、毎日何十回となくやっている。』
『できれば、こんなことはしたくなかった。
お前を守る望みがわずかでもあったのなら、この身はどうなろうとお前を手放すことは無かったろう。
私は、つくづく思い知らされた。
事情を知らぬ者がいかに私をもてはやそうと、私自身は所詮、成り上がり者にすぎぬ。
わずかな足がかりを頼りに必死に背伸びしてきただけの人間だ。足元をすくわれて倒れれば、惚れた女一人を守ることもできない。
そして、お前を傷つける結果になってしまった。
悔やんでも悔やみ切れない。
許せとは言わない。私自身が、自分を許せぬのだから。
だが、ゆうには、幸せになってほしい。
お前は、それだけの価値のある女だ。
何しろ、この私が惚れた最高の女だ。それを忘れるな。
情けない話だが、今はこの写真でしかお前に会えぬのは、辛くてたまらん。
私にはやはりお前以外の女は考えられぬ。
だが、心配なのは、お前には妙に義理堅いところがあることだ。
私に義理立てしようなどとは、決して思うな。
今のお前にとって、私はただ、昔生きていた人間のひとりにすぎぬ。
お前の時代を、一緒に生きる人間を見つけて、幸せに暮らせ。
どんな形になるにせよ、お前が幸せになることが、私の遺志だ。それを忘れるな。
私のことなら大丈夫だ。
お前は何かというと、煙草は健康によくないから止めろと騒いでいたな。
別にそれに従ったわけではないが、脇でぎゃあぎゃあ言う人間がいなくなると、どうもつまらん気がして近頃ではたしなむ量もめっきり減った。
それでもまあ、お前のことだから、すっぱり完全に止めろとしつこく言うだろうが…。
その辺は大目に見ろ。
煙草を止める決意をするのは、喫まんやつが傍で想像するよりも、存外、難しいものだ。
煙草に比べれば、お前のことを忘れようと決意することの方が、はるかに簡単だ。
そんなもの、特に意識せんでも、毎日何十回となくやっている。』