第三章 ストーリーテラー
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私は、ワガママを言って、東京へ帰る日を少し延ばしてもらった。
そして、カナコに頼んで、もう一度だけあの場所に…本当なら例の神社のあった場所に、付き合ってもらうことにした。
もちろん、もう一回行ったって…やっぱり神社はなくて。
ちょっとひなびた感じの、ただっ広い公園になってるだけだった。
私がカナコに、ここで神社を見なかったかと聞くと、不思議そうな顔をしていた。
「あんたが消えてすぐ、けっこう周りあちこち探したけど…この公園も隅々まで見たけど、何も変わったところはなかったわよ」
…そうだよね。
大久保さんが神社どっかにやっちゃったとしたら、それは明治の初めあたりだろうから、平成になってからカナコが神社を見てるわけないか。
でも、やっぱり…。
どうしてもあきらめきれなくて…私はその場から去ることができなかった。
「ゆう…」
カナコは私のそばにいて、見ててくれたけど、我慢できなくなったみたいに、心配そうな声を上げた。
「ね、ずっと立ってて、疲れない?とりあえず、ちょっと休も?…ほら、あそこで」
と、カナコが指さしたのは、公園の門の脇にある小さな古いアンティークショップだった。
そこには、小さなイートインがあって、ちょっとしたカフェテラスみたいになってて、コーヒーのいい香りがしてた。
でも、ショーウィンドウに飾ってある商品は、けっこう本格的な骨董品で。
明治っぽいもの、江戸時代っぽいものもあった。
というか、店の建物自体が、明治あたりに建てられたような、とってもレトロな感じの小さな洋館だった。
私は、なんだか懐かしくなって、ふらふらとそのショーウィンドウに近づいた。
ウィンドウのいちばん下の棚のところには、こういう場所にありがちの、きれいな壺や、宝石箱や、昔の台所用品や洋書なんかが置かれていたけど…。
正面の壁の目立つところに、たくさん飾られていたのは、古風なヨーロッパ風の額に入れられた昔の写真や絵画だった。
その写真や絵画に囲まれて、真ん中にあったのは…昔の…ドレスを着た女の子の写真。
私だった。
私が…大坂の薩摩藩邸で撮った写真。
なんで…ここに?
私が茫然とそれを見つめていたら、カナコもそれに気づいた。
「これ…あんたの写真?」
私はうなずいた。
「嘘でしょ?…まさか…これ…この写真が、なんでここに…?」
カナコもびっくりしていた。
そして、カナコに頼んで、もう一度だけあの場所に…本当なら例の神社のあった場所に、付き合ってもらうことにした。
もちろん、もう一回行ったって…やっぱり神社はなくて。
ちょっとひなびた感じの、ただっ広い公園になってるだけだった。
私がカナコに、ここで神社を見なかったかと聞くと、不思議そうな顔をしていた。
「あんたが消えてすぐ、けっこう周りあちこち探したけど…この公園も隅々まで見たけど、何も変わったところはなかったわよ」
…そうだよね。
大久保さんが神社どっかにやっちゃったとしたら、それは明治の初めあたりだろうから、平成になってからカナコが神社を見てるわけないか。
でも、やっぱり…。
どうしてもあきらめきれなくて…私はその場から去ることができなかった。
「ゆう…」
カナコは私のそばにいて、見ててくれたけど、我慢できなくなったみたいに、心配そうな声を上げた。
「ね、ずっと立ってて、疲れない?とりあえず、ちょっと休も?…ほら、あそこで」
と、カナコが指さしたのは、公園の門の脇にある小さな古いアンティークショップだった。
そこには、小さなイートインがあって、ちょっとしたカフェテラスみたいになってて、コーヒーのいい香りがしてた。
でも、ショーウィンドウに飾ってある商品は、けっこう本格的な骨董品で。
明治っぽいもの、江戸時代っぽいものもあった。
というか、店の建物自体が、明治あたりに建てられたような、とってもレトロな感じの小さな洋館だった。
私は、なんだか懐かしくなって、ふらふらとそのショーウィンドウに近づいた。
ウィンドウのいちばん下の棚のところには、こういう場所にありがちの、きれいな壺や、宝石箱や、昔の台所用品や洋書なんかが置かれていたけど…。
正面の壁の目立つところに、たくさん飾られていたのは、古風なヨーロッパ風の額に入れられた昔の写真や絵画だった。
その写真や絵画に囲まれて、真ん中にあったのは…昔の…ドレスを着た女の子の写真。
私だった。
私が…大坂の薩摩藩邸で撮った写真。
なんで…ここに?
私が茫然とそれを見つめていたら、カナコもそれに気づいた。
「これ…あんたの写真?」
私はうなずいた。
「嘘でしょ?…まさか…これ…この写真が、なんでここに…?」
カナコもびっくりしていた。