第三章 ストーリーテラー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私が病院の階段を駆け下りて、パジャマ姿のまま町へ飛び出してみると…。
目の前に広がっていたのは、ごみごみした現代の街並みだった。
自動車の行きかう音。
アスファルトの車道に、コンクリやタイルの歩道。
いろんな店の、原色の看板や立札。
ファーストフード店から漂ってくる揚げたチキンの匂い。
知らない町。
どっちに向かっていいか、わからなくなった。
もうここは、あの時代の京都じゃない。
土がむき出しになった道も…木造の家や店も…どこにも見当たらない。
立ち止まった私に、カナコが追い付いて、とにかく病院に戻ろ、と言った。
「いやっ…」
涙があふれてくる。
なんで…。
同じ京都にいるのに…。
こんな町…こんなんじゃ、あんまり遠すぎるよ…。
「ねえ…そのかっこじゃ、町を歩くの変でしょ?戻ろ?」
「いやだ…東京には行かない…ここにいる…」
「うん…何かわかんないけどさ。いやだだけじゃ、ご両親は説得できないよ。
警察の人にも、しばらくはあんたを一人で出歩かせないようにって、釘さされちゃったし。
理由を話してよ…」
「絶対、信用しないよ…。
私だって、信じられないもの…」
「いいから。試してみなよ」
私は、言われるまま…カナコに今まであったことを話そうとしたけど…。
喉がヒクッヒクッってなって…うまく声が出なくて…。
少し話すたび、いろんなことを思い出しちゃって、悲しい気持ちが喉の奥から大きな塊みたいに突き上げてきちゃって…。
なんだか頭がしびれたようになって、順序どおりにうまく話を整理できなかった。
なんかカナコがすごい困った顔をしているみたいだったけど…。
涙で目の前がぼやけて、私はそれどころじゃなかった。
「…ごめん、大久保利通しか聞き取れないや。
もっと落ち着いて話そ」
と、カナコは言った。
「なんでいきなり大久保利通が出てくんのか、わかんないけど…。
その人って、あれだよね?
明治の初めぐらいに暗殺された人…」
え…?
目の前に広がっていたのは、ごみごみした現代の街並みだった。
自動車の行きかう音。
アスファルトの車道に、コンクリやタイルの歩道。
いろんな店の、原色の看板や立札。
ファーストフード店から漂ってくる揚げたチキンの匂い。
知らない町。
どっちに向かっていいか、わからなくなった。
もうここは、あの時代の京都じゃない。
土がむき出しになった道も…木造の家や店も…どこにも見当たらない。
立ち止まった私に、カナコが追い付いて、とにかく病院に戻ろ、と言った。
「いやっ…」
涙があふれてくる。
なんで…。
同じ京都にいるのに…。
こんな町…こんなんじゃ、あんまり遠すぎるよ…。
「ねえ…そのかっこじゃ、町を歩くの変でしょ?戻ろ?」
「いやだ…東京には行かない…ここにいる…」
「うん…何かわかんないけどさ。いやだだけじゃ、ご両親は説得できないよ。
警察の人にも、しばらくはあんたを一人で出歩かせないようにって、釘さされちゃったし。
理由を話してよ…」
「絶対、信用しないよ…。
私だって、信じられないもの…」
「いいから。試してみなよ」
私は、言われるまま…カナコに今まであったことを話そうとしたけど…。
喉がヒクッヒクッってなって…うまく声が出なくて…。
少し話すたび、いろんなことを思い出しちゃって、悲しい気持ちが喉の奥から大きな塊みたいに突き上げてきちゃって…。
なんだか頭がしびれたようになって、順序どおりにうまく話を整理できなかった。
なんかカナコがすごい困った顔をしているみたいだったけど…。
涙で目の前がぼやけて、私はそれどころじゃなかった。
「…ごめん、大久保利通しか聞き取れないや。
もっと落ち着いて話そ」
と、カナコは言った。
「なんでいきなり大久保利通が出てくんのか、わかんないけど…。
その人って、あれだよね?
明治の初めぐらいに暗殺された人…」
え…?