第二章 物知らぬことなのたまひそ
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林の中は、記憶にあったより、もっと高い草がいっぱい茂ってて…。
あせって両手でかき分けながら進んだら、鋭い葉で、手が切れて血がにじんだ。
でも、そんなこと、どうだってよかった。
何かみっともないくらい、じたばたしながら、大急ぎで林を突っ切ると、開けたとこへ出た。
そこは…記憶が正しければ、例の神社のはずだった。
だけど…。
そこにあったのは、ただのアスファルトの地面だった。
「え…なんで?」
私は、今、出て来た林を振り返った。
見覚えのある風景。
ここで、絶対間違いない。
でも、神社がなきゃいけないはずの場所は、ただのっぺりしたアスファルトの地面が広がっているだけだった。
そばの柱には「市民公園」と書いてあって…なんか、すごくシロウトっぽい、現代彫刻もどきみたいな変なオブジェが置かれていて…。
どう考えても、神社の建物があるような場所じゃ、なかった。
ただ、がらんとした空間が、広がってるだけ。
風が吹いて、なんだか乾いた土ぼこりが舞い上がって、私の着物の裾をぱたぱた言わせた。
すぐそばを、どこかのコンビニの空き袋と、茶色い落ち葉が滑って行った。
確かに、ここに、神社があったはずなのに…。
「どうして…?」
私は、周囲を見回したけど…。確かに、今来た道は、あの日…最初に幕末に飛んだ時にたどった道のはずなのに、神社だけが、そこに無かった。
私は、大久保さんのセリフを思い出した。
----ほう?未来に着いたら、帰って来るのか?戻れるものなら、戻ってみろ。
大久保さんの、しわざだ。
何がどうなってるのか、わかんないけど、とにかく、大久保さんがやったんだ…。
私が、帰って来ないように…神社ごと、どこかにやっちゃったんだ…。
そんなとんでもないこと…普通の人にはできないけど…。
あの人になら、できる…と言うか、あの人なら、やる。
そんな…。
私は、その場にへたり込んだ。
私には、目の前の、何にもない空間が、大久保さんの拒絶の言葉に思えた。
ねえ…私に、そんなに帰って来て欲しくないの?
なんで?
私、何したの?
どうして?
私のこと、そんなに嫌いになっちゃったの?
私はもう、どうしていいか、わかんなかった。
あせって両手でかき分けながら進んだら、鋭い葉で、手が切れて血がにじんだ。
でも、そんなこと、どうだってよかった。
何かみっともないくらい、じたばたしながら、大急ぎで林を突っ切ると、開けたとこへ出た。
そこは…記憶が正しければ、例の神社のはずだった。
だけど…。
そこにあったのは、ただのアスファルトの地面だった。
「え…なんで?」
私は、今、出て来た林を振り返った。
見覚えのある風景。
ここで、絶対間違いない。
でも、神社がなきゃいけないはずの場所は、ただのっぺりしたアスファルトの地面が広がっているだけだった。
そばの柱には「市民公園」と書いてあって…なんか、すごくシロウトっぽい、現代彫刻もどきみたいな変なオブジェが置かれていて…。
どう考えても、神社の建物があるような場所じゃ、なかった。
ただ、がらんとした空間が、広がってるだけ。
風が吹いて、なんだか乾いた土ぼこりが舞い上がって、私の着物の裾をぱたぱた言わせた。
すぐそばを、どこかのコンビニの空き袋と、茶色い落ち葉が滑って行った。
確かに、ここに、神社があったはずなのに…。
「どうして…?」
私は、周囲を見回したけど…。確かに、今来た道は、あの日…最初に幕末に飛んだ時にたどった道のはずなのに、神社だけが、そこに無かった。
私は、大久保さんのセリフを思い出した。
----ほう?未来に着いたら、帰って来るのか?戻れるものなら、戻ってみろ。
大久保さんの、しわざだ。
何がどうなってるのか、わかんないけど、とにかく、大久保さんがやったんだ…。
私が、帰って来ないように…神社ごと、どこかにやっちゃったんだ…。
そんなとんでもないこと…普通の人にはできないけど…。
あの人になら、できる…と言うか、あの人なら、やる。
そんな…。
私は、その場にへたり込んだ。
私には、目の前の、何にもない空間が、大久保さんの拒絶の言葉に思えた。
ねえ…私に、そんなに帰って来て欲しくないの?
なんで?
私、何したの?
どうして?
私のこと、そんなに嫌いになっちゃったの?
私はもう、どうしていいか、わかんなかった。