第二章 物知らぬことなのたまひそ
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気がつくと…。
私は、草むらの茂った林のそばに立っていた。
カナコと一緒に歩いていて、キーホルダーを失くした、あの場所。
私は、周囲を見回した。
草むらも林も、あの日とまったく変わってなかった。
あの日…私が幕末に飛んじゃった日…私はキーホルダーを探して草むらをかき分けて、林の奥まで入って行って…。
私は、記憶をたぐって、例の神社に向かって走ろうとしたんだけど…。
その途端、なぜか、体がふらついた。
なんでだろう…夏のはずなのに…すごく寒い。
体が…なんだかとても熱い。
そう思ったとたん、咳が出た。何度も何度も咳が出て、止まらなかった。
その時、スクバの中で、ケータイが鳴った。
取り出してみると、いくつもいくつも、カナコや、家族や、いろんな人たちからのメールが、次々と届き始めて、着信件数がひとつずつ増えて行っていた。
メールのタイトルは、どれも似ていた。
どこにいるの?
連絡して。
探してます。
でも、私には、それを開いて読んでる心の余裕なんて、なかった。
とにかく、帰らなきゃ。
また、幕末に…戻んなきゃ。
そのことだけで、頭がいっぱいだった。
何で頭がふらついて、周りの景色がぐるぐる回って見えるのか、よくわかんないけど…。
それでも私は、必死になって体をまっすぐ立てて、よろよろと神社の方向に向かった。
現代に帰って来たって喜ぶ気持ちは、なぜか無かった。
…と言うか、二十一世紀に来ちゃったよ、どうしよう…という不安だけで、胸がざわざわした。
とにかく、神社に行かなきゃ。
もう一回、しめ縄を結んでみなきゃ。
そうしたら、また、時を飛べるよね?
飛べなかったら、どうしよう…。
私は、とにかく早く幕末へ戻りたかった。
一刻でも早く、あの神社の、古ぼけたしめ縄を結んで、もう一度…大久保さんのところへ飛んで行くんだって…それだけを考えてた。
大久保さん…なんであんな意地悪言ったの…?
私を嫌いになったの…?
やだよ…。
絶対、そばにいるって…ずっと一緒だって…そう思ってたのに…。
私は、草むらの茂った林のそばに立っていた。
カナコと一緒に歩いていて、キーホルダーを失くした、あの場所。
私は、周囲を見回した。
草むらも林も、あの日とまったく変わってなかった。
あの日…私が幕末に飛んじゃった日…私はキーホルダーを探して草むらをかき分けて、林の奥まで入って行って…。
私は、記憶をたぐって、例の神社に向かって走ろうとしたんだけど…。
その途端、なぜか、体がふらついた。
なんでだろう…夏のはずなのに…すごく寒い。
体が…なんだかとても熱い。
そう思ったとたん、咳が出た。何度も何度も咳が出て、止まらなかった。
その時、スクバの中で、ケータイが鳴った。
取り出してみると、いくつもいくつも、カナコや、家族や、いろんな人たちからのメールが、次々と届き始めて、着信件数がひとつずつ増えて行っていた。
メールのタイトルは、どれも似ていた。
どこにいるの?
連絡して。
探してます。
でも、私には、それを開いて読んでる心の余裕なんて、なかった。
とにかく、帰らなきゃ。
また、幕末に…戻んなきゃ。
そのことだけで、頭がいっぱいだった。
何で頭がふらついて、周りの景色がぐるぐる回って見えるのか、よくわかんないけど…。
それでも私は、必死になって体をまっすぐ立てて、よろよろと神社の方向に向かった。
現代に帰って来たって喜ぶ気持ちは、なぜか無かった。
…と言うか、二十一世紀に来ちゃったよ、どうしよう…という不安だけで、胸がざわざわした。
とにかく、神社に行かなきゃ。
もう一回、しめ縄を結んでみなきゃ。
そうしたら、また、時を飛べるよね?
飛べなかったら、どうしよう…。
私は、とにかく早く幕末へ戻りたかった。
一刻でも早く、あの神社の、古ぼけたしめ縄を結んで、もう一度…大久保さんのところへ飛んで行くんだって…それだけを考えてた。
大久保さん…なんであんな意地悪言ったの…?
私を嫌いになったの…?
やだよ…。
絶対、そばにいるって…ずっと一緒だって…そう思ってたのに…。