第十一章 この浦舟に帆を上げて
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今後、私たちがどんな道を歩むんだろう。
そんなことは、まだ全然わかんない。
私はこっちに帰って来てから、無我夢中に暮らしてるだけで、何をどうしたとか全然わかんない。
だけど確かに歴史は変わってる…そんな気配はする。
それって、もしかしたら私が来た影響で、変わったのかもしんないけど…。
変えてるのは私じゃない。
大久保さんとか、私の周囲の皆とか、明治の人たちがお互いに気遣いあって、一生懸命がんばって、未来を作ってるから変わるんだと思う。
歴史が変わるってことは、最悪、私たちがちゃんと日本に帰って来れるかだってわかんないわけだけど。
でも、それってきっと、いいことなんだよね。
運命が最悪に変わる可能性があるってことは、最高に変わることだってあるってことだもの。
とにかく、先がわかんないから…私は、とりあえず、この手紙を、船まで見送りに来てくれてた桂さん…今は木戸さんか…の御親戚に頼んで、土蔵にしまっといてもらうことにする。
私と利通さんの話は、ここで一旦ひとつのゴールを迎えたわけだけど…この手紙は、ちゃんとカナコに届くかな?
と言うか、どんなカナコに届くことになるのかな?
カナコのいる未来は、どんなふうに変わってるんだろう。
歴史の本には、大久保さんはどうなったって、書かれることになるんだろう。
西郷さんと半次郎さんは、何才まで生きたって、書かれることになるんだろう。
まだ、正直言って、怖いです。
でも、もう決めたことだから。
こっちの時代に帰るって、カナコにワガママ通した時に、決めたことだから。
たとえ未来が、暗い方へ暗い方へと、坂道のように転げ落ちて行くのだとしても、私は全力で逆らってやる。
利通さんが私に初めて会った時に見せていたような、あんな暗い瞳など二度と見たくない。
だから、この人が幸せでいられるように、人に誤解されて苦しむことがないように、私のできる限りのことをしていこうと思う。
いつも人の幸せばかり考えて、自分を後回しにしちゃう人だから。
私が、代わりに彼の幸せを考えなくて、誰が考えるのって思っちゃうから。
カナコ…。
ワガママ聞いてくれて、ありがとう。そして、心配させちゃって、ごめん。
でも、たとえどんな結果になったって、私、きっと幸せだよ。
大好きな人のそばで、精一杯生きて、後悔することは絶対ないと思うから。
だから、見ててね。
【Fin】
そんなことは、まだ全然わかんない。
私はこっちに帰って来てから、無我夢中に暮らしてるだけで、何をどうしたとか全然わかんない。
だけど確かに歴史は変わってる…そんな気配はする。
それって、もしかしたら私が来た影響で、変わったのかもしんないけど…。
変えてるのは私じゃない。
大久保さんとか、私の周囲の皆とか、明治の人たちがお互いに気遣いあって、一生懸命がんばって、未来を作ってるから変わるんだと思う。
歴史が変わるってことは、最悪、私たちがちゃんと日本に帰って来れるかだってわかんないわけだけど。
でも、それってきっと、いいことなんだよね。
運命が最悪に変わる可能性があるってことは、最高に変わることだってあるってことだもの。
とにかく、先がわかんないから…私は、とりあえず、この手紙を、船まで見送りに来てくれてた桂さん…今は木戸さんか…の御親戚に頼んで、土蔵にしまっといてもらうことにする。
私と利通さんの話は、ここで一旦ひとつのゴールを迎えたわけだけど…この手紙は、ちゃんとカナコに届くかな?
と言うか、どんなカナコに届くことになるのかな?
カナコのいる未来は、どんなふうに変わってるんだろう。
歴史の本には、大久保さんはどうなったって、書かれることになるんだろう。
西郷さんと半次郎さんは、何才まで生きたって、書かれることになるんだろう。
まだ、正直言って、怖いです。
でも、もう決めたことだから。
こっちの時代に帰るって、カナコにワガママ通した時に、決めたことだから。
たとえ未来が、暗い方へ暗い方へと、坂道のように転げ落ちて行くのだとしても、私は全力で逆らってやる。
利通さんが私に初めて会った時に見せていたような、あんな暗い瞳など二度と見たくない。
だから、この人が幸せでいられるように、人に誤解されて苦しむことがないように、私のできる限りのことをしていこうと思う。
いつも人の幸せばかり考えて、自分を後回しにしちゃう人だから。
私が、代わりに彼の幸せを考えなくて、誰が考えるのって思っちゃうから。
カナコ…。
ワガママ聞いてくれて、ありがとう。そして、心配させちゃって、ごめん。
でも、たとえどんな結果になったって、私、きっと幸せだよ。
大好きな人のそばで、精一杯生きて、後悔することは絶対ないと思うから。
だから、見ててね。
【Fin】