ある日の小娘
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【土佐藩】中岡慎太郎
一刻後
[寺田屋 玄関先]
えっと…。
俺…。
何か変なことに巻き込まれた気がしてんスけど?
寺田屋に、また客人が訪ねてきた気配がしたので、出てみると、まさに怒髪天という風情の大久保さんが、腕組みして仁王立ちしていた。
「小娘はいるかっ!?ここへ出せっ!!」
「…と言われても…。姉さん、突然訪ねてくるなり、部屋に引きこもって、俺たちが呼んでも出てこないっス…」
「君では話にならんっ!!とにかくそこを通せ!小娘の部屋に行くっ!」
と、大久保さんが上がりこもうとするところに、顔を出した以蔵が鯉口を切る。
「…無理に通るなら、斬るぞ」
「何だとっ」
「いったいゆうに何をしたっ!」
「知るかっ!こちらが聞きたいくらいだっ!『寺田屋に行きます。お世話になりました』だけの置手紙では訳が分からんっ!」
騒ぎを聞きつけて、龍馬さんと武市さんが出てきた。
「まっこと何があったんかのう…かわいそうに、あれからずっと泣きゆうが…」
「いくら声をかけても、放っておいてほしいと、誰も部屋にすら入れません。あれでは体が参ってしまう」
「…!」
大久保さんが茫然とする。
「泣いているとはどういうことだ?」
龍馬さんが、少し真面目な顔をして言った。
「大久保さん。ゆうさんはこの世界には身寄りがおらんき、わしらぁ兄代わり親代わりの気持ちでおる。
ゆうさんを悲しませるようなことがあれば、大久保さん、おんしでも許すわけにはいかんぜよ」
「…くだらんことをっ!」と大久保さんが怒鳴る。
「何を言うがかっ!」と龍馬さんが言い返す。
「ここで小舅4人とごちゃごちゃ話して何になる?私に、女房に逃げられた亭主の真似事でもやらせる気か?」
ズイと上り込み、立ちふさがっていた以蔵の横を通ろうとする。
「待てっ」
「斬るなら斬れっ!小娘の件の方が優先だっ!」
「…は?」
思わず以蔵が鼻白んだところを、大久保さんはそのまま押し通って、奥へ行ってしまった。
「…」
皆が唖然としているところで、龍馬さんがにししと笑った。
「こりゃぁ、わしらの負けだちや」
一刻後
[寺田屋 玄関先]
えっと…。
俺…。
何か変なことに巻き込まれた気がしてんスけど?
寺田屋に、また客人が訪ねてきた気配がしたので、出てみると、まさに怒髪天という風情の大久保さんが、腕組みして仁王立ちしていた。
「小娘はいるかっ!?ここへ出せっ!!」
「…と言われても…。姉さん、突然訪ねてくるなり、部屋に引きこもって、俺たちが呼んでも出てこないっス…」
「君では話にならんっ!!とにかくそこを通せ!小娘の部屋に行くっ!」
と、大久保さんが上がりこもうとするところに、顔を出した以蔵が鯉口を切る。
「…無理に通るなら、斬るぞ」
「何だとっ」
「いったいゆうに何をしたっ!」
「知るかっ!こちらが聞きたいくらいだっ!『寺田屋に行きます。お世話になりました』だけの置手紙では訳が分からんっ!」
騒ぎを聞きつけて、龍馬さんと武市さんが出てきた。
「まっこと何があったんかのう…かわいそうに、あれからずっと泣きゆうが…」
「いくら声をかけても、放っておいてほしいと、誰も部屋にすら入れません。あれでは体が参ってしまう」
「…!」
大久保さんが茫然とする。
「泣いているとはどういうことだ?」
龍馬さんが、少し真面目な顔をして言った。
「大久保さん。ゆうさんはこの世界には身寄りがおらんき、わしらぁ兄代わり親代わりの気持ちでおる。
ゆうさんを悲しませるようなことがあれば、大久保さん、おんしでも許すわけにはいかんぜよ」
「…くだらんことをっ!」と大久保さんが怒鳴る。
「何を言うがかっ!」と龍馬さんが言い返す。
「ここで小舅4人とごちゃごちゃ話して何になる?私に、女房に逃げられた亭主の真似事でもやらせる気か?」
ズイと上り込み、立ちふさがっていた以蔵の横を通ろうとする。
「待てっ」
「斬るなら斬れっ!小娘の件の方が優先だっ!」
「…は?」
思わず以蔵が鼻白んだところを、大久保さんはそのまま押し通って、奥へ行ってしまった。
「…」
皆が唖然としているところで、龍馬さんがにししと笑った。
「こりゃぁ、わしらの負けだちや」