ある日の小娘
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で、何か結局、二人で薩摩藩邸に帰ることになった。
それは、ほんとはすごくうれしかったんだけど…。
なんか、どことなく気まずくて。
大久保さんは、いつも通り、後ろからついてくる私の姿も見ずに、ずんずん歩く。
でも、あの格好で、私のスクバと竹刀を持ってくれている姿は、なんかかわいかったりもする。
「…まったく…小娘のものを知らんのには、限りがないな…」
などと、ぶつくさ、文句を言っている。
そのわりに、なんか嬉しそうに笑っていたりする。
私は、それを見ていて、ちょっととんでもないことを思ってしまった。
うーん…。
自分で考えついておいて何だけど…この考えって、すっごい自信過剰かも。
大久保さんの上から目線っぷりがうつったかな。
もしかして…なんだけど。
この人が、こんな顔で私のことを、小ぶりな頭だの物知らずだの言う時って…。
それ以外にも、馬鹿にしたり呆れたりして、からかってくる時って…。
全部、I LOVE YOUの意味なんじゃないだろうか…?
…うっ…。
自分で考えといて、やっぱり…これは自意識過剰なような…。
「しかし…なんでお前はお琴なんて女のことを気にするのだ?まったく愚かしい」
と、相変わらず、文句を言う大久保さん。
「あの程度の美人なら、京都にはいくらでもいるではないか」
「どうせ、私は美人じゃないです」
「…なぜ、そういう結論になる?」
「どういう結論ならいいんですか?」
ふん、とやや不満げな声で大久保さんは続けた。
「お前のような妙なおなごは、世に二人といないと言っただろう」
「…言いましたね」
「世に二人といないおなごと、京にいくらもいるようなおなごと…。
どちらに価値があるかということぐらい、その凡庸な頭でも、理解できてよさそうなものだ」
「…」
「少なくとも、この私が、その程度のことがわからない、愚鈍な男のわけがないだろうが」
そう言うと、大久保さんは、さらに歩くペースを上げた。
私はあわてて追いかける。
えっと…。
それって…。その意味って…。
私のことを…。つまり…。
なんか、今日って。
ものすごく、自信過剰な考えばっかり浮かんでる気がするけど。
なんか気分いいから。
そういうことにしておこう。
【Fin】
<2011/6/30>
それは、ほんとはすごくうれしかったんだけど…。
なんか、どことなく気まずくて。
大久保さんは、いつも通り、後ろからついてくる私の姿も見ずに、ずんずん歩く。
でも、あの格好で、私のスクバと竹刀を持ってくれている姿は、なんかかわいかったりもする。
「…まったく…小娘のものを知らんのには、限りがないな…」
などと、ぶつくさ、文句を言っている。
そのわりに、なんか嬉しそうに笑っていたりする。
私は、それを見ていて、ちょっととんでもないことを思ってしまった。
うーん…。
自分で考えついておいて何だけど…この考えって、すっごい自信過剰かも。
大久保さんの上から目線っぷりがうつったかな。
もしかして…なんだけど。
この人が、こんな顔で私のことを、小ぶりな頭だの物知らずだの言う時って…。
それ以外にも、馬鹿にしたり呆れたりして、からかってくる時って…。
全部、I LOVE YOUの意味なんじゃないだろうか…?
…うっ…。
自分で考えといて、やっぱり…これは自意識過剰なような…。
「しかし…なんでお前はお琴なんて女のことを気にするのだ?まったく愚かしい」
と、相変わらず、文句を言う大久保さん。
「あの程度の美人なら、京都にはいくらでもいるではないか」
「どうせ、私は美人じゃないです」
「…なぜ、そういう結論になる?」
「どういう結論ならいいんですか?」
ふん、とやや不満げな声で大久保さんは続けた。
「お前のような妙なおなごは、世に二人といないと言っただろう」
「…言いましたね」
「世に二人といないおなごと、京にいくらもいるようなおなごと…。
どちらに価値があるかということぐらい、その凡庸な頭でも、理解できてよさそうなものだ」
「…」
「少なくとも、この私が、その程度のことがわからない、愚鈍な男のわけがないだろうが」
そう言うと、大久保さんは、さらに歩くペースを上げた。
私はあわてて追いかける。
えっと…。
それって…。その意味って…。
私のことを…。つまり…。
なんか、今日って。
ものすごく、自信過剰な考えばっかり浮かんでる気がするけど。
なんか気分いいから。
そういうことにしておこう。
【Fin】
<2011/6/30>