ある日の小娘
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「あら、あなた、ゆうさんじゃなくて?」
と、その人は、いきなり話しかけてきた。
それは、久しぶりの外出で、ちょっと半紙とかポチ袋を買いに絵草紙屋に行ってみたときのこと。
絵草紙屋というのは…えーと、ファンシーショップみたいなもん?
女の子向けの商品がいっぱいそろってる店です。
ファッション雑誌なんかも置いてて、ほとんど字がないから、私でも読める。
でも、ここの店のものを買うと、大久保さんに思いっきり子ども扱いされて、馬鹿にされるから、立ち読み専門。
最近はやりの簪のコーディネートのHOWTOに読みふけってた私は、突然話しかけられてびっくりした。
だって、この時代に同世代の女の子の知り合いいないもの。
で、顔をあげてさらにびっくり。
なんというか…。
ものすごい美人の芸妓さんがにこにこと笑いかけていた。
芸妓さんって、二十一世紀でもいたし、あの格好はきれいだなあ…とは思っていたけど。
こっちの時代の芸妓さんって、そんなもんじゃない。
なんつーか…女優とかモデルとかっていないからさ。そういうのになるみたいな人が、芸妓やってんだよね。
はっ、と目があって、あれ、この人見たことあるなあ…と思って周囲を見渡したら、私の読んでた絵草紙の表紙、その人だった。たぶん。
写真じゃなくて絵だから、断言しにくいんだけど。
その芸妓さんは、人懐っこそうに寄ってくると
「着物を見てそうじゃないかとは思ったの。ゆうさんでしょう?」
と言った。
すっごい大人っぽいけど、私と同い年くらいかも。でも、私のいた高校にも、こんなきれいな子はいなかった。
「えっと…。そうですけど…。あなたは?」
「あらやだ。ごめんなさい」
と、ころころと笑う。また、声がすごいきれいで色っぽい。
「私、琴花(ことはな)…お琴でいいわ。ごめんなさい。急に話しかけてびっくりしたでしょう?」
「え、ええ…」
と言うより、そもそも、なんで私の名前を知っていたのか、わかんないんですけど。
「ほんとにごめんなさい。いつも着物を見立ててくれって言われても、ゆうさんがどんな人かも全然知らないから悩んじゃってて。
今見たら、とても似合っててかわいいから、何だかうれしくなっちゃったの」
は…?
「あの…私の着物のコーデ…じゃない、見立てって、いつもお琴さんがしてくれてたんですか?」
いつも、新しい着物って、ただ着ろって渡されるだけだから、そんなことになっているとは知らなかった。
確かに、男性が選んだにしては、アクセの使い方とかずいぶん細かいなと思っていたけど。
お琴さんはまた、ころころと笑った。
「あら…。聞いてなかった?大久保さんから」
聞いてません。
とゆーか…何で、芸妓さんが、大久保さんに頼まれる…?
その辺、問い詰めようと思ったんだけど。
「あ、あの…。琴花さんですかっ?」
と、近くにいた客の女の子たちがいきなり割って入った。
「感激ですっ。こんなところでお会いできるなんてっ。あのっ、絵草紙のここに『○○さん江』って書いてもらえませんかっ」
…げ、芸能人してるっ?
なんか、お琴さん、ファンに囲まれちゃって、結局それ以上は話できなかった。
と、その人は、いきなり話しかけてきた。
それは、久しぶりの外出で、ちょっと半紙とかポチ袋を買いに絵草紙屋に行ってみたときのこと。
絵草紙屋というのは…えーと、ファンシーショップみたいなもん?
女の子向けの商品がいっぱいそろってる店です。
ファッション雑誌なんかも置いてて、ほとんど字がないから、私でも読める。
でも、ここの店のものを買うと、大久保さんに思いっきり子ども扱いされて、馬鹿にされるから、立ち読み専門。
最近はやりの簪のコーディネートのHOWTOに読みふけってた私は、突然話しかけられてびっくりした。
だって、この時代に同世代の女の子の知り合いいないもの。
で、顔をあげてさらにびっくり。
なんというか…。
ものすごい美人の芸妓さんがにこにこと笑いかけていた。
芸妓さんって、二十一世紀でもいたし、あの格好はきれいだなあ…とは思っていたけど。
こっちの時代の芸妓さんって、そんなもんじゃない。
なんつーか…女優とかモデルとかっていないからさ。そういうのになるみたいな人が、芸妓やってんだよね。
はっ、と目があって、あれ、この人見たことあるなあ…と思って周囲を見渡したら、私の読んでた絵草紙の表紙、その人だった。たぶん。
写真じゃなくて絵だから、断言しにくいんだけど。
その芸妓さんは、人懐っこそうに寄ってくると
「着物を見てそうじゃないかとは思ったの。ゆうさんでしょう?」
と言った。
すっごい大人っぽいけど、私と同い年くらいかも。でも、私のいた高校にも、こんなきれいな子はいなかった。
「えっと…。そうですけど…。あなたは?」
「あらやだ。ごめんなさい」
と、ころころと笑う。また、声がすごいきれいで色っぽい。
「私、琴花(ことはな)…お琴でいいわ。ごめんなさい。急に話しかけてびっくりしたでしょう?」
「え、ええ…」
と言うより、そもそも、なんで私の名前を知っていたのか、わかんないんですけど。
「ほんとにごめんなさい。いつも着物を見立ててくれって言われても、ゆうさんがどんな人かも全然知らないから悩んじゃってて。
今見たら、とても似合っててかわいいから、何だかうれしくなっちゃったの」
は…?
「あの…私の着物のコーデ…じゃない、見立てって、いつもお琴さんがしてくれてたんですか?」
いつも、新しい着物って、ただ着ろって渡されるだけだから、そんなことになっているとは知らなかった。
確かに、男性が選んだにしては、アクセの使い方とかずいぶん細かいなと思っていたけど。
お琴さんはまた、ころころと笑った。
「あら…。聞いてなかった?大久保さんから」
聞いてません。
とゆーか…何で、芸妓さんが、大久保さんに頼まれる…?
その辺、問い詰めようと思ったんだけど。
「あ、あの…。琴花さんですかっ?」
と、近くにいた客の女の子たちがいきなり割って入った。
「感激ですっ。こんなところでお会いできるなんてっ。あのっ、絵草紙のここに『○○さん江』って書いてもらえませんかっ」
…げ、芸能人してるっ?
なんか、お琴さん、ファンに囲まれちゃって、結局それ以上は話できなかった。
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