七月の季節
こんな話は知ってるかい??
こないだ飛行機で隣の席になったお爺さんに聴いた話なんだが、その人は本当に自分の奥さんを愛していたそうなんだ。でも、奥さんは自分よりも先になくなってしまったんだって。
だから悲しくて、悲しくて彼女と暮らしていた場所を売り払って、色々な星を巡る旅をしているそうだ。
もしかしたら、あのお爺さんは奥さんを探していたのかもしれないね。
二人が住んでいた家は小さくて買い物とかは不便な辺境だったけれど、いつ空を見上げても満点の星空が見えるとても綺麗な小惑星だったらしい。
それからそうだ。こんな話も聞いたよ。
夜のない国。二つの太陽があって、一つ目の太陽が沈むころに、二つ目の太陽が昇るんだって。だから夜は存在しない。
景色の変化がわかり辛いから、時計が必須でみんな一秒単位で時間にうるさいんだとか。名産品は100年は正確に時を刻む時計なんだって。
ああ、あとこの話。
たった一人の女の子に話を聴かせるためだけに色んな星をめぐって、話を集めている男の話。
その男は夜にきらめく星の数だけ話を知っているんだって。だけど代償に自分の視力を失っていて、街に帰っては誰もいないベッドに向かって話続けているとか。
……だから僕はまだ幸せだと思うんだ。だって、君はこんな姿でも生きてはいてくれてるから。
こないだ飛行機で隣の席になったお爺さんに聴いた話なんだが、その人は本当に自分の奥さんを愛していたそうなんだ。でも、奥さんは自分よりも先になくなってしまったんだって。
だから悲しくて、悲しくて彼女と暮らしていた場所を売り払って、色々な星を巡る旅をしているそうだ。
もしかしたら、あのお爺さんは奥さんを探していたのかもしれないね。
二人が住んでいた家は小さくて買い物とかは不便な辺境だったけれど、いつ空を見上げても満点の星空が見えるとても綺麗な小惑星だったらしい。
それからそうだ。こんな話も聞いたよ。
夜のない国。二つの太陽があって、一つ目の太陽が沈むころに、二つ目の太陽が昇るんだって。だから夜は存在しない。
景色の変化がわかり辛いから、時計が必須でみんな一秒単位で時間にうるさいんだとか。名産品は100年は正確に時を刻む時計なんだって。
ああ、あとこの話。
たった一人の女の子に話を聴かせるためだけに色んな星をめぐって、話を集めている男の話。
その男は夜にきらめく星の数だけ話を知っているんだって。だけど代償に自分の視力を失っていて、街に帰っては誰もいないベッドに向かって話続けているとか。
……だから僕はまだ幸せだと思うんだ。だって、君はこんな姿でも生きてはいてくれてるから。