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近未来の話

 今でもカメラを嫌う人は多いけれど、カメラが付いていないものの方が少ないのが当たり前だと俺は思う――。

 昔は青少年保護とかいって色々なものに閲覧制限がかかっていたらしい。でも、今は違う。

 隅に現在の視聴合計時間が表示されているテレビモニターをみながらゲラゲラと笑っていた。
 すると「にぃちゃん、なになに??」といいながら4歳下の弟が部屋に入ってきた瞬間にテレビの画面が消える。

「おい!! いいところだったのにお前が来たから映らなくなったじゃないか!!」

 俺は弟を部屋から追い出した。すると再びテレビがついてさっきまで見ていた番組が再開する。これが今のテレビだ。

 家電はすべてこんな感じで買ったときに顔と年齢を登録しないと使えない。だから、冷蔵庫なんかも勝手に親の酒をとって飲むことなんてできなくて、他人のものを盗ると警告音が鳴り響いて写真を撮られる。

 最新式のテレビは専用の眼鏡をかければそれぞれ違う番組が楽しめるらしいけれど、値段が高いのでこれがどこの家庭でも見られる光景。一人っ子がうらやましいぜ。

 色々と面倒なことは多いけれど、ちゃんと年齢を重ねれば年齢に合わせたものが見れる。青少年保護と表現の自由を両立した形といわれている。俺には難しいことはよくわからないけれど、とにかく早く誕生日を迎えて、新たな番組がみれるようになりたい。なんせ18歳の年齢制限を超えれば……。
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