FE
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
数多の英雄が集まるアスク王国。そこで私は召喚士としての日々を送っていた。突然この世界に召喚されてから、もう随分と長い時間を過ごしているというのに…歴戦の英雄達が目の前にいるという現実が、未だにどこか遠い夢物語のような気がしてくる。
「しっかりしないと…」
そう独りごちて息をつく。引き続き城内の見回りを続けていると、背後から声を掛けられた。
「シオン。どうしたんだ? こんなところで」
「あっ、アイクさん…!」
驚きと気恥ずかしさで、一瞬心臓が跳ねてしまう。それを隠すように声がした方へと向き直る。
声の主は、蒼炎の勇者と呼ばれるアイクさん。彼は元の世界では失われた国を取り戻し、2つの種族を結びつけ、女神の心を取り戻した英雄として語り継がれている。そして、幾度も共に戦場を駆け抜け、言葉を交わすうちにその比類なき強さに憧れ、まっすぐな人柄と不器用な優しさに惹かれていった。
「見回りをしていたのか?」
「はい。もうすっかり日課のようなものですから」
今でこそこうして見回りをしているが、この世界に来たときは戸惑うことばかりだった。
けれど…戦えない私でも、戦闘の知識や策の立て方を身につけながら自分に出来ることを探して、積み重ねてきたものが日課となっていた。
「そうか」
短い返事の後、アイクさんは大きく頷いてから言葉を続ける。先程の声音より少し低い声が、ずしりと重く響く。
「…この後すぐに出撃だと王子達から伝令があった。今回も激戦になるだろうが…あんたも無理だけはするなよ」
「はい。それに…貴方が、アイクさんが居てくれるなら絶対に大丈夫です」
「…ふっ。行こう」
「はい!」
小さく笑みをこぼしたアイクさんに釣られるように私も微笑み、歩き出した彼に置いて行かれぬよう足早について行く。
私の憧れであり、好きになった人は…例えどんな世界に居たとしても、どんな事が起きたとしても…優しくてまっすぐな人のままなのだろう。
これからどんな戦いが待っていたとしても…一緒ならきっと乗り越えていける──。
そんな想いを胸に秘め、前へと進んでいく。
いつか、この戦いが終わる事を信じて。
「しっかりしないと…」
そう独りごちて息をつく。引き続き城内の見回りを続けていると、背後から声を掛けられた。
「シオン。どうしたんだ? こんなところで」
「あっ、アイクさん…!」
驚きと気恥ずかしさで、一瞬心臓が跳ねてしまう。それを隠すように声がした方へと向き直る。
声の主は、蒼炎の勇者と呼ばれるアイクさん。彼は元の世界では失われた国を取り戻し、2つの種族を結びつけ、女神の心を取り戻した英雄として語り継がれている。そして、幾度も共に戦場を駆け抜け、言葉を交わすうちにその比類なき強さに憧れ、まっすぐな人柄と不器用な優しさに惹かれていった。
「見回りをしていたのか?」
「はい。もうすっかり日課のようなものですから」
今でこそこうして見回りをしているが、この世界に来たときは戸惑うことばかりだった。
けれど…戦えない私でも、戦闘の知識や策の立て方を身につけながら自分に出来ることを探して、積み重ねてきたものが日課となっていた。
「そうか」
短い返事の後、アイクさんは大きく頷いてから言葉を続ける。先程の声音より少し低い声が、ずしりと重く響く。
「…この後すぐに出撃だと王子達から伝令があった。今回も激戦になるだろうが…あんたも無理だけはするなよ」
「はい。それに…貴方が、アイクさんが居てくれるなら絶対に大丈夫です」
「…ふっ。行こう」
「はい!」
小さく笑みをこぼしたアイクさんに釣られるように私も微笑み、歩き出した彼に置いて行かれぬよう足早について行く。
私の憧れであり、好きになった人は…例えどんな世界に居たとしても、どんな事が起きたとしても…優しくてまっすぐな人のままなのだろう。
これからどんな戦いが待っていたとしても…一緒ならきっと乗り越えていける──。
そんな想いを胸に秘め、前へと進んでいく。
いつか、この戦いが終わる事を信じて。
1/4ページ