部数決め・原稿作成の手引き - はじめての同人誌作成 -
創作・お役立ち 2018.08.03 12:03
発行部数を決める
部数決めの目安になるもの
印刷に充てられる予算
印刷所を利用して同人誌を作成する場合、少部数の印刷よりもたくさん印刷した方が一冊あたりの単価は安くなりますが、実際に買って貰える数が分からないうちは少なめの部数で刷った方がリスクを回避できます。
最近では少部数の注文に対応している印刷所も増え、中には一冊単位で印刷してくれるところもあるので、各印刷所の料金表を見比べつつ予算と照らし合わせて部数を決めましょう。
SNSなどでの自身の作品に対する評価
SNSやpixivで作品を公開している場合は、それらに対する評価数なども一定の基準になります。ただ、Web上で無料で見られる作品と実際にイベントでお金を払って買う同人誌とではやはり需要が異なってくるので、事前にWeb上で部数のアンケートを取る作家さんも増えてきています。
Webでの作品公開が主流となっている昨今、そうした場でのアピールなしに同人誌を売ることが年々厳しくなっているという見方もあります。その辺りも考慮してどれだけ売れそうか考えてみましょう。
参加するイベントの規模
参加するイベントやジャンルによっても部数は変わってきます。
コミックシティなどの規模の大きなイベントや大手ジャンルでは参加サークル数が多いので、どうしてもある程度前もって自身の作品を認知して貰う必要が出てきます。
反対に、少しマニアックなジャンルや規模の小さいイベントでは一般参加者の数も少なくなりますが、供給が少ない分逆に自身の本を手に取って貰いやすくなる場合もあります。
どの程度在庫を手元に残すか
継続してイベントに参加する予定がある場合やイベント後の通販を考えている場合は、多少在庫の残るように多めに刷る選択肢もあります。ただ、売れ残った同人誌を会場から自宅まで発送するのにも費用は掛かってくるので、この辺りは自身のお財布と相談しましょう。
また、一般に小説は漫画よりも売れにくいと言われています。初めてのイベント参加で小説同人誌を作成する場合は、かなり部数を絞って発行した方が良いでしょう。
原稿を作成する
部数が決まったら実際に原稿を作成する作業に入ります。
大まかな作業としては、
- 本文のページ数を決定する
- 表紙・本文に使う用紙を決め背幅を計算する
- 原稿を作成する(表紙・本文ともに塗り足しを設定)
一般に、同人誌はB5サイズもしくはA5サイズで作成されることが多く、それぞれの規格に合わせて本文や表紙の原稿を作成していきます。
規格はそれぞれ1Pあたり182×257mm(B5)、148×210mm(A5)となっていますが、印刷所では漫画・小説共に原稿用紙のテンプレートを配布している場合が多いので、ぜひ活用しましょう。
本文や表紙の用紙は、印刷所によって取り扱っている種類が異なります。「この紙を使いたい」という希望があるような場合は、手元の同人誌の奥付から印刷所を調べてみると良いでしょう。
表紙原稿についても、本文のページ数や表紙の用紙によって背幅を計算したり、裁断のずれを目立たなくするための塗り足しを設定したりと、はじめのうちは留意しなくてはならないことが多く混乱するかもしれません。
「同人誌用の原稿を描(書)きたいけどどうしたらいいか分からない!」という場合は、ひとまず印刷所のホームページを覗いてみましょう。
例えば、同人誌専門の印刷所である(株)栄光のホームページでは、原稿のサイズや原稿用紙の使い方など初心者が気を付けなければならない基礎的なポイントが分かりやすく解説されています。
→原稿作成マニュアル|同人誌印刷|株式会社 栄光
細かい規定は印刷所によって異なる場合もあるので、必ず自身が利用する印刷所の規定に目を通しておきましょう。
また、初心者向けに同人誌作りに役立つデータをまとめている下記のようなサイトにも、積極的にお世話になりましょう。
→同人誌をつくる
こちらのサイトでは、ワードで小説のコピー本を作る過程などがとても丁寧に解説されているので、特に字書きさんにおすすめです。
そのほか、同人誌作成に使用できるフリー素材の紹介など、デザイン面の記事も充実しています。
分からないことばかりで戸惑うこともたくさんあると思いますが、苦労した分、自分で作った同人誌が出来上がった時の嬉しさもひとしおかと思います。
ユーザーの皆さんの「BLが好き!」という気持ちで、BL創作の場をより盛り上がていきましょう!